【東大卒現役講師による】要約問題対策(東大英語)【ぜったいわかる】

入試解説

 

今回は東大英語の要約問題の対策の解説です。

 

あれってなかなかクセ者なんです。英語力があっても得点に結びつかないこともしばしば…

 

「どうやったら得点に結びつくのか?」を簡単にご説明したいと思います。

 

乞うご期待!

 

時間配分

まずは時間配分です。

 

他の問題との兼ね合いを考えると、

要約問題はおおむね10~15分で処理する必要があります。

 

できれば10分で解きたいところですが、

どんなに譲歩しても15分が限界。

これ以上かかるようだとアウトです。

 

何を含めるべきか?

 

毎回字数に収まりきらない…

解答を見ても採点基準がわからないし…

 

 

要約問題の最大の難関ですね。

 

 

「論理関係を追いつつポイントを拾っていき…」

みたいなアドバイスをよく見ますが、正直よくわからないですね。

そもそも、論を追うことが出来たら苦労しないわけです。

 

 

ではどうするか?

 

細かい点は抜きにして、まずは大原則を押さえましょう。

大原則とはなにか?

 

「テーマ」「主張」「論拠」を探す

要約問題で出されるのは、たいてい評論文です。

 

評論文には、「テーマ」「主張」「論拠」が必ずあるんですね。

 

 

要約問題では、

「テーマ」「主張」「論拠」を解答に含めつつ、

「具体例」は基本的に捨てることを意識しましょう。

 

 

優先順位は、

「テーマ」、「主張」>「論拠」>>>「具体例」です。

 

字数に余裕がなければ、「論拠」も後回しでOKです。

 

 

「テーマ」「主張」「論拠」「具体例」って何?

 

 

次の例文を見てください。

近年ますます加速する地球温暖化により、南極の氷が溶け、海面上昇につながっている。なんと毎年5cmずつ海面上昇している。海面上昇は生態系の変化につながり、その結果、ブラジルでは伝染病が流行り、カナダではサーモンが取れなくなっている。人間の生活が脅かされているのだ。従い、地球温暖化はなんとしても食い止めなければならない。このままでは人類の未来が危ない。

 

 

わたしが適当に書いた文章ですが(註:事実関係は適当です)、

これをもとに「テーマ」「主張」「論拠」「具体例」について考えてみましょう。

 

 

まず、「テーマ」は「地球温暖化」ですね。

いろいろとぐちゃぐちゃ言っていますが、

なんか地球温暖化について話をしているのはわかりますね。

 

で、そのテーマに対する「主張」は「地球温暖化は食い止めなければならない」です。

見てわかる通り、「テーマ」と「主張」はわりと切っても切れない関係にあります。

 

 

そして、「論拠」は「人間の生活が脅かされている」という点です。

 

「人間生活脅かされている(論拠)」→「温暖化止めないとヤバい!(主張)」

という風につながっていくわけです。

 

 

さらに、「論拠」の元となっている「具体例」がブラジルやカナダでの話。

でもこれって、結局「人間生活脅かされている」ってコトを言っているにすぎないんですね。

 

同じコトが書かれているときは、基本的には具体的な記述はカットします。

抽象的な記述を優先させましょう。

 

 

だって、やっているのは「要約」ですからね。

 

「要約」を英語で言うとabstractですが、この単語は「抽象」という意味も持ちます。

「具体例」の真逆の意味の単語ですね。

 

つまり、要約問題で「具体例」を含めることは、

基本的には「要約」という行為に反することなのです。

 

 

というわけで、今回の例文を要約すると、こんな感じです。

人間生活が脅かされているため、地球温暖化を止めねばならない。(30字)

 

制限字数がきつい場合は、「論拠」をカットします。つまり、「テーマ」と「主張」だけを含んだ要約になります。

地球温暖化を止めねばならない。(15字)

 

その他もろもろのルール

もう少し細かく見ていくと、拾うべき情報にはこんなものがあります。

 

要約問題での主な注目ポイント
  • So, Therefore, Thusといったディスコースマーカー(Discourse Marker)に注目。これらの後には「主張」がくることが多い。
  • 強調構文や感嘆分などの表現も、「主張」を含むことが多い。
  • 用語の分類や定義は要約に含めることが多い。
  • 対比構造で論が進む場合、どちらも要約に含めつつ、「筆者の主張」に合う方をメインに記述する。
  • 「AではなくBだ」「A以上にBだ」という文があった場合、「主張」はBの方に記載されるが、要約ではAもなるべく含めるようにする(引き合いに出されているAの記述もそれなりに重要なので)

 

 

まあ、こんなまとめを漠然と見ていてもわからないですね。

 

「テーマ」「主張」「論拠」を拾うのだ、

「具体例」は捨てるのだ、

という大原則だけ頭に置いて、あとはひたすら演習をやるのが良いです。

 

 

オススメは駿台の英文要旨要約問題の解法です。

 

 

なんなら本記事も、この参考書から学び取ったことをベースに執筆しています。

採点ポイントが明確で、いろんなパターンの要約問題を取り上げているので、

志望校に要約問題がある方は超必見の一冊です。

 

前半が問題パターン別の解説、後半が問題演習という組み立てです。

なんなら前半部分だけに目を通すのでもいいかもしれません。

 

 

前半部分だけなら分量はそれほど多くないので、

入試直前期でも、1~2週間あれば十分取り組めます。

 

 

あえて欠点を挙げるとすれば、英文そのものに対する解説があまりないことでしょうか。

使われている構文や単語に対する解説はほぼ皆無です。基本は和訳が載っているのみ。

 

そのため、最低限の英語力がある(問題文は大体読める)けど、

要約のやり方がイマイチわからない…という方向けの問題集です。

 

 

なお、さらなる問題演習を積みたい方は、

同じく駿台の英語要旨大意問題演習がオススメです。

 

先ほどの本と筆者は違いますが、やはり解説が明確です。

 

赤〇とかの要約問題の解説を見ても、

「なぜこの答えになるのか?」がイマイチ不明瞭なんですよね。

 

その点、駿台の参考書はさすがによくできています。

ポイントがよくわかり、何を書くべきか/書くべきではないかを理解することができます。

 

字数について

要約は字数との戦いです。いかに字数をコントロールし、解答を作るか?

これが大切です。

 

字数については、下記のことをざっくり意識しておきましょう。

  • 「です」「ます」→「だ」を使う
  • なるべく漢字を使う
  • 一つの文を作るのに、大体20~30字は必要
  • 不要な事柄を要約に含めても減点にはならないが、その分必要な事柄が押し出されてしまうので、結果減点につながる

 

 

 

あと、これも先ほどの駿台の英文要旨要約問題の解法に書いてあったことで、

個人的には目からウロコだったのですが、

 

「70~80字でまとめなさい」のように、字数に幅があれば、

問題作成者は70字分の解答しか求めていないということを意識しましょう。

 

どういうこと?

 

 

つまり、10字分は問題作成者が「余裕」をくれているということです。

 

人によっては多少冗長な表現を使うかもしれないけど、

まあそれも10字分くらいなら許容してやるよ、ということですね。

 

 

この点も覚えておくと、

「問題作成者は、どこまで解答に盛り込むことを要求しているのか」

を考える際のヒントになりますね。

 

おわりに

いかがでしたか?

 

英語読解力があるにもかかわらず、要約問題で得点出来ていないのであれば、それは非常にもったいないです。

 

ぜひ、適切な対策をとりましょう。ちょっとの演習で、相当な得点力アップを期待できるハズです!

 

繰り返しになりますが、英文要旨要約問題の解法は超オススメです(ステマ)

 

 

コメント

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