今回は、prospect, inspect, suspect, despise…
の意味を語源から考えてみたいと思います。
知らない単語ばかりだ…
中心はspect「見る」
今回中心になっているのは、spectです。
spectには「見る (=see)」という意味があります。
たとえばどんな単語に使われているの?
spectacle「光景、眺め、見世物」という単語はどうでしょう?
「感動のスペクタクル!」という表現を聞いたことはありませんか?
コレ、「感動の見世物」という意味なんですね。
少し細かく見ていくと、
- spect-:見る
- -cle:単語を名詞化
「見る+コト」
↓
「光景、眺め、見世物」
というわけですね。
また、spyは「スパイ(=相手をじろじろ見る人)」というように、同じ語源を持ちます。
pectは「見る」
このことを頭に入れたうえで、様々な単語を見ていきましょう!
prospect「見込み」
prospect「見込み、可能性、将来性」は次のように考えてみましょう。
- pro-:前に、前を
- -spect:見る
つまり、
「前に+見る」
↓
「前もって見ること」
↓
「見込み、可能性、将来性」
となるわけです。
ちなみに、大リーグ (アメリカの野球です)では、
有望な若手選手を「prospect (プロスペクト)」と呼びます。
「コイツは見込みがあるぞ、将来性があるぞ」ということで、
「有望な候補者」という意味で使っているのですね。
ぼくは英語界のプロスペクト!
inspect「~を検査する」
inspect「~を検査する、点検する、調べる」は次のように考えてみましょう。
- in-:中を
- -spect:見る
つまり、
「中を+見る」
↓
「~を検査する、点検する、調べる」
となるわけです。
これは手荷物検査、のイメージですね。
「何か怪しいものがないか?」
「壊れているところがないか?」
と調べる意味の単語です。
suspect「~を疑う」
suspect「~を疑う、~だと思う (≒疑わしく思う)」は次のように考えてみましょう。
- sus-:下から (sub-と同じ)
- -spect:見る
つまり、
「下から+見る」
↓
「コレ怪しくね?と下からじろじろ見る」
↓
「~を疑う、~だと思う (≒疑わしく思う)」
となるわけです。
ちなみに、同じ「疑う」でも、suspectとdoubtは真逆の意味を持ちます。詳しくは下記の記事にあるので、ぜひお読みくださいね。3分程度で、語源から本質を理解できます。
【語源で考える】suspectとdoubtの意味/使い方の違い
despise「~を軽蔑する」
despise「~を軽蔑する、嫌う」は次のように考えてみましょう。
- de-:下に、分離、反対
- -spi:見る (註:spectから変化しています)
つまり、
「下に+見る」
↓
「他人を下に見る」
↓
「~を軽蔑する、嫌う」
となるわけです。
introspection「内省」
introspection「内省」は次のように考えてみましょう。
- intro-:中を
- -spect:見る
- -ion:単語を名詞化
つまり、
「中を+見る+こと」
↓
「自分の心の中を見ること」
↓
「内省」
となるわけです。
なお、retro-「逆に、遡って」という接頭辞が代わりに使われると、
retrospection「回顧、振り返ること」という意味になります。
その他
他に、spectをもつ単語をいくつか紹介したいと思います。
ただ、語源から考えてもイマイチしっくりこないものも含まれているので、ここは軽めに流します。
- expect: ~を期待する (ex-外を + -spect見る →つい外を見るくらい期待)
- respect: ~を尊敬する (re-後ろを + -spect見る →つい後ろを振り返るくらい尊敬)
- aspect: 局面、外観 (a- ~の方を + -spect見る →ある場面を切り取って見る → 局面)
- conspicuous: 目立つ (con-完全に + -spi見る + -ous形容詞化→完全に見れるほど目立っている)
おわりに
最後までお読みくださりありがとうございました!
ご質問等あれば、コメント欄までお願いします。
コメント
[…] spect (= see 見る) […]
[…] 」と引き裂かれるのでdoubtは「ではないと疑う」の意になる。語源の話は、【英語語源spect】prospect, inspect, suspectや【語源でイメージ】”dou/du/do”の英単語まとめに詳しくあります。 […]