今回はセミコロンとコロンの違いをまとめてみました。
- セミコロン ;
- コロン :
ですが、いまいち使い分けがわからないですよね。
今回は両者の違いがイメージでわかるように、使い分けを超シンプルに説明してみたいと思います。
セミコロン;とコロン:の意味・使い方の違い
セミコロン;とコロン:の意味・使い方の違いは下記の通りです。
・イメージは「A-B」
・ピリオド . とカンマ , の中間の強さで文を区切る
・主な用法は下記の通り
- 等位接続詞の代わりに使用(併用することもアリ)
- 接続副詞とセットで使用
- カンマよりも大きな区切りであることを明示するために使用
<コロン : >
・イメージは「A-B」
・「つまり/すなわち/具体的には」等のように、直前の文を補足的に説明する
・主な用法は下記の通り
- 前の文を説明する文を後ろに導く際に使用(「すなわち」の意味が近い)
- 具体例を列挙する際に使用
- その他:発話者の後/正式な手紙やメールの書き出し/時刻の区切りに使用
一体どういうことなのか? 具体的な例文付きでわかりやすく見ていきましょう。
セミコロン ; のイメージと例文
セミコロン ; のイメージは「A-B」です。前後の文を対等な関係で結びます。
働きとしてはピリオド . やカンマ , にかなり近く、文と文を区切る役割を果たします。
セミコロン ; のマークをよくよく見ると気づくのですが、セミコロン ; はピリオド . とカンマ , が混ざった形ですよね。(上の方にピリオド . 下の方にカンマ , が使われていますね)
つまり、文を区切る強さは、
・ピリオド . ⇒ セミコロン ; ⇒ カンマ ,
という序列になります。
「ゆる~く文を切りつつも、ゆる~く文をつなげる」というのがセミコロン ; のイメージです。
というわけで、前後二つの文の関係性を緩やかに示す際、セミコロン ; が使われます。
下記にて例文を見ていきましょう。
等位接続詞の代わりに使用
まずは、等位接続詞の代わりに使用する例から見てみましょう。
等位接続詞はand/or/forなどが代表的です。二つの文を対等に結ぶ働きがあります。
He studies hard; he will pass the exam.
(彼は一生懸命勉強している。彼は試験に合格するだろう)
上の例文だと、
- He studies hard
- he will pass the exam
が文として緩やかに関連していますよね。
そのため、文と文とを緩やかにつなげるセミコロン ; を使用しているのです。
ちなみに、セミコロン ; の代わりに接続詞を使用したり、セミコロンと接続詞を併用するパターンもアリです。
He studies hard(,) and he will pass the exam.
He studies hard; and he will pass the exam.
(彼は一生懸命勉強している。彼は試験に合格するだろう)
※セミコロン ; と等位接続詞を併用するのはあまり普通ではない(カンマ , と併用する方が普通)です。ただ、実際の英文を見ていると、セミコロン ; と等位接続詞を併用しているパターンに結構出くわします。
ちなみに、前後の文を緩やかにつなげるのがセミコロン ; なので、文のつながりが薄い場合にセミコロンを使用すると、少しヘンな感じになります。
接続副詞とセットで使用
接続副詞とセットで使用する場合です。
接続副詞というのは、howeverやthereforeなどの単語です。
ざっくり言うと、接続副詞とは、
「意味的には接続詞っぽいんだけど、接続詞のように文と文をつなぐことは出来ない」
ものです。
たとえば、however (接続副詞)とbut (接続詞)の違いを見てみましょう。
howeverは文と文をつなぐことが出来ないので、一度ピリオド . で区切る必要がありますが、
butは文と文をつなぐことが出来るので、カンマ , でつないでいくことが出来ます。
He studied hard. However, he failed the exam.
He studied hard, but he failed the exam.
(彼は一生懸命勉強したが、試験に落ちた)
上記の例のように、接続副詞は文を一度区切らなければいけません。
が、ピリオド . だと少し文を強く切り過ぎてしまう気がする…
そんなときに登場するのがセミコロン ; です。接続副詞はセミコロン ; との併用が可能です。文を一応切りつつも、二つの文を緩くつなげる、というセミコロン ; の性質が接続副詞と相性バッチリなのですね。
セミコロン ; と接続副詞の組み合わせは、ひょっとしたら最もよく見る組み合わせかもしれません。
例文はコチラです。
He studied hard; however, he failed the exam.
(彼は一生懸命勉強したが、試験に落ちた)
なお、接続副詞は結構厄介な存在です。原則としてピリオド . やセミコロン ; の後で使うのですが、例外的にカンマ , の後ろで使うこともあります。
こちらについては下記の記事にてまとめたので、よろしければ併せてお読みくださいね。
カンマよりも大きな区切りであることを明示するために使用
カンマよりも大きな区切りであることを明示するために使用することがあります。
たとえば次のような例です。「国」を区切るためにセミコロン ; が使われているのがわかると思います。
I have lived in Tokyo, Japan; Beijing, China; Seoul, Korea; Vancouver, Canada.
(私は日本の東京、中国の北京、韓国のソウル、カナダのバンクーバーに住んだことがあります)
仮にセミコロン ; を使わず、全てカンマ , にすると、下記のように非常に区切りの見えづらい文になってしまうのですね。
△ I have lived in Tokyo, Japan, Beijing, China, Seoul, Korea, Vancouver, Canada.
(私は日本の東京、中国の北京、韓国のソウル、カナダのバンクーバーに住んだことがあります)
コロン : のイメージと例文
コロン : のイメージは「A-B」です。直前の文を補足するイメージです。
コロン以下には言い換えや具体例などの、「付け足し感」のある情報が来ます。コロン : の後ろは、前の文にぶら下がっているイメージですね。
付け足し感のある情報なので、ちゃんとした文ではなく、単語の羅列がくることもあります。
「つまり/すなわち/具体的には等のように、直前の文を補足的に説明する」というのがコロン : のイメージです。
下記で用法を具体的に見ていきましょう。
前の文を説明する文を後ろに導く際に使用
前の文を説明する文を後ろに導く場合です。「すなわち」に近い意味で使われます。
例文はコチラです。
The problem is this: we don’t have enough time.
(問題はこういうことだ。すなわち、十分な時間がないのだ)
具体例を列挙する際に使用
具体例を列挙する場合に使用します。
例文はコチラです。
I love Japanese cities: Tokyo, Osaka, Kobe.
(私は日本の都市が好きだ。すなわち、東京、大阪、神戸だ)
The results are as follows:
Y 4 – H 0
G 0 – T 10
De 2 – D 8
結果は下記の通り。
ヤクルト 4 – 広島 0
巨人 0 – 阪神 10
DeNA 2 – 中日 8
as followsは「下記の通り」という定型表現で、コロンとセットで使われます。覚えておくと便利です。メールなんかで頻繁に使えます。
その他
その他の細かいパターンです。
主に、
- 発話者の後
- 正式な手紙やメールの書き出し
- 時刻の区切りに使用
で使用します。
見れば「ああそういうことね」とわかる例が大半だと思いますが、一応具体例を示していきます。
発話者の後のパターンです。
Tom: “Will you marry me?”
Mary: “No, I won’t”
トム「僕と結婚してくれないかい?」
メアリ「いやよ」
正式な手紙の書き出しで使用するパターンです。普通は、コロン : の代わりにカンマ , を使います。
Dear Sir:
(拝啓)
時刻の区切りに使用するパターンです。
It’s 9:30.
(9時半です)
まとめ
いかがでしたか? 最後に全体像をざっと俯瞰してみましょう。頭に残りやすくなっているはずです。
・イメージは「A-B」
・ピリオド . とカンマ , の中間の強さで文を区切る
・主な用法は下記の通り
- 等位接続詞の代わりに使用(併用することもアリ)
- 接続副詞とセットで使用
- カンマよりも大きな区切りであることを明示するために使用
<コロン : >
・イメージは「A-B」
・「つまり/すなわち/具体的には」等のように、直前の文を補足的に説明する
・主な用法は下記の通り
- 前の文を説明する文を後ろに導く際に使用(「すなわち」の意味が近い)
- 具体例を列挙する際に使用
- その他:発話者の後/正式な手紙やメールの書き出し/時刻の区切りに使用
これらの記号は文を読む時にも意外と出てきますし、英作文でも「コイツ出来るな」という印象を与えられます。
その他の記号についても当ブログの記号カテゴリーにて説明しているので、興味があればぜひお読みくださいね。
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