【犬の肉?!】”I like dog”が間違いの理由 -bread/meat…食材にaは付かない?!

冠詞

 

今回は“I like dog.”が間違っている理由について解説したいと思います。

 

何がダメなの?

 

完全に間違いというわけではないですが、少しヤバい意味になってしまいます。

 

何がどうヤバいのか? 一緒に見ていきましょう。

 

a/anには輪郭を与える働きがある

まずはa/anの意味から考えていきましょう。

 

例文はコチラです。

There was a dog. (一匹のイヌがいた)

 

イメージ図はこんな感じです。

 

 

ここで注目してほしいのは、世の中にたくさんいるイヌの中からある一匹を取り出したというニュアンスです。

 

aが付くことによって、ある一匹を取り出すというイメージが出てくるのです。

 

そして、ある一匹を取り出すというコトは、その一匹をクルっと丸でくくり、輪郭を与えるようなイメージにつながります。

 

 

輪郭を与える。それがa/anのイメージなのですね。

 

 

a/anのないものには輪郭がない -食材にaは付かない

a/anには輪郭を与える働きがある。

 

言い方を変えれば、a/anのない単語には定まった輪郭がないというコトになります。

 

 

したがい、食材や素材などは、基本的にa/anナシで使用されます。

 

どうして?

 

 

たとえば、次の図を見てください。

 

 

bread (パン)は、一見定まった輪郭があるように見えますが、食べるときは切ったりちぎったりすることが多いですよね。

 

切ったりちぎったりできるので、食材には定まった輪郭がないと考えられるのです。

 

つまり、a/anは付きません。

 

 

また、木材や鉄などの素材も同様です。これらの素材を利用して、道具を作ったり、家を作ったりする際、やはり切ったり加工したりします。いくらでも形を変えることが出来るので、原則a/anは付きません。

 

原則a/anが付かない食材・素材(代表例)

<食材>

  • bread: パン
  • meat: 肉
  • pork: 豚肉
  • beef: 牛肉

 

<素材>

  • paper: 紙
  • wood: 木材
  • steel: 鋼鉄
  • iron: 鉄
  • rubber: ゴム

 

“I like dog.”が間違いの理由

a/anが付かない単語には輪郭がない、食材や素材系にa/anは付かない。

 

 

このことを理解したうえで、“I like dog.”という文について考えてみましょう。

 

ここではa/anが付いていないので、dogに輪郭がないとみなされます。つまり、文の読み手は、切ったりちぎったりできるものと理解してしまうのですね。

 

 

 

イヌを切ったりちぎったりするというコトは…そう、イヌを食材扱いしているってコトですよね。

 

つまり、“I like dog.”は「わたしは犬の肉が好き」という意味になってしまうのです。

 

 

犬の肉を食べる文化を持つ国もありますが、欧米、そして日本ではあまり普通ではないですよね。したがい、「コイツヤバいんじゃないか」ということで、”I like dog.”は一般的には「間違った」文とみなされるのです。

※犬の肉を食べる文化がある国であれば、”I like dog.”は「間違っていない」文とみなされると思います

 

 

そのような誤解を解くためには、dogの冒頭にa/anを付けて輪郭を付けてあげるか、dogsのように複数形を用いることです。

 

複数形を付けると、世の中のイヌ全般を指すことになり、輪郭がない/切ったりちぎったりできるという印象は与えずに済みます。

 

 

 

「わたしはイヌが好き」という表現は、おそらくは「世の中のイヌが全般的に好き」というコトを言いたいハズなので、一般的には複数形を使用して下記のように表現します。

 

I like dogs. (わたしはイヌが好きだ)

 

 

 

dogと同様に、chicken (ニワトリ)でもa/anの有無で意味の違いが生じます。

 

コチラの例文のようにa/anが付いていれば、輪郭を持ったニワトリ(生きている動物)がイメージされます。

There is a chicken. (一匹のニワトリがいる)

 

一方、a/anが付いていないと、輪郭のないニワトリ(切ったりちぎったりできる食材)がイメージされます。

There is chicken. (ニワトリの肉がある)

 

 

 

 

このように、イメージで捉えると理解もしやすいですね!

 

 

なお、a/anやtheなど、冠詞の意味をもっと知りたい!という方は下記のページへぜひ。冠詞系の様々な記事があります。

冠詞(a/an, the)記事まとめ

 

 

また、冠詞についてさらに詳しく学びたい方には、aとtheの底力 — 冠詞で見えるネイティブスピーカーの世界がおススメです。

 

わたしが今まで読んだ冠詞系の本の中で、一番わかりやすい&本質に迫った説明がなされていると感じました。一般の書店にはあまりないのですが、ぜひ一度お読みすることをおススメします。

 

コメント

  1. ヒグチ より:

    はじめまして。
    こんなに分かりやすく英語を理解できたのは初めてです。頭がいいのに、頭があんまりよくない人(私)の気持ちを汲み取ってくださってて、今までわからなかったことが先生のサイトに辿りつけたことで理解できました。まずは全部読みます。
    YouTubeも見ます。

    • N より:

      最上級に嬉しいコメントありがとうございます! ヒグチさんの期待にお応えできるよう、今後とも頑張ってブログ更新していきます。

      不明点や「こんなこと聞いてみたい!」ということがあれば、ぜひぜひコメント欄までお願いしますね。(ブログでもyoutubeでも構わないです)

      今後ともよろしくお願いします!