今回は前置詞の有無による意味の違いをまとめてみたいと思います。
hear/hear of/know/know of/shoot/shoot at…のように、前置詞があってもなくてもよい表現というのが多数存在します。
ただ、前置詞の有無によりどのような意味の違いが生じるのか? また、どうしてそのような意味の違いが生じるのか?
本記事ではそんな疑問にお答えしてみました!
hear/hear of/know/know of/shoot/shoot atの意味の違いとその理由
まずは結論から。
hear/hear of/know/know of/shoot/shoot atの意味の違いとその理由は下記のとおりです。
<大原則>
- 前置詞ナシ: 直接的
- 前置詞アリ: 間接的
⇒前置詞がない方が、直接的に行為を及ぼすイメージ
- hear 人: 人の声が聞こえる
- hear of 人: 人のことを耳にする、うわさに聞く
- know 人: 人のことを直接知っている(直接の知り合い)
- know of 人: 人について断片的情報を知っている
- shoot 人: 人を撃つ
- shoot at 人: 人に向かって撃つ
全てに共通するのは、
- 前置詞ナシ: 相手に直接的に行為を及ぼす
- 前置詞アリ: 相手に間接的に行為を及ぼす
というイメージです。
後ろの単語(今回の例では「人」)との間に前置詞が挟まれることで、相手に対する行為が間接的になるイメージが生まれるのですね。
一番典型的な例はshootでしょうか。前置詞がなければ「直接的=弾が当たった」、前置詞があれば「案節的=弾が当たったかは不明」というイメージがあります。
I shot him.
(わたしは彼を撃った = 彼に弾が当たった)
I shot at him.
(わたしは彼に向けて撃った = 彼に弾が当たったかは不明)
余談:「長いと間接的になる」という話
ここからは余談です。
前置詞が挟まれると間接的なイメージが生まれる、とは上記の説明ですが、実は日本語にも似た感覚は存在します。
それは、「文/単語が長いと丁寧さを帯びるようになる」という感覚です。
例えば次の2つの文を比べてみてください。
「この間はありがとうね」
「先日は○○の件でお力添え頂き誠にありがとうございました。お陰様で弊社一同云々かんぬん…」
どちらも「ありがとう」というメッセージを伝えていることに変わりはありませんが、下の方が丁寧な感じがしますね。
言葉のチョイスはもちろんですが、「長さ/冗長さ」も、丁寧さを感じさせる大きな要素として働いていますよね。
このように、言葉の長さは「丁寧さ=相手の相手との距離」」を生むのです。
今回の記事で紹介した「前置詞があると間接的なイメージを帯びる」という話も、対象との距離を生んでいます。その点で、両者は似た感覚を持つと考えられますね。
似たような話は【意外と知らない】stop O from Ving / stop O Vingの違いにまとめてあるので、興味があればぜひお読みくださいね。
まとめ
いかがでしたか? 最後に改めてまとめを再掲しておきます。グッと理解しやすくなっているハズです。
<大原則>
- 前置詞ナシ: 直接的
- 前置詞アリ: 間接的
⇒前置詞がない方が、直接的に行為を及ぼすイメージ
- hear 人: 人の声が聞こえる
- hear of 人: 人のことを耳にする、うわさに聞く
- know 人: 人のことを直接知っている(直接の知り合い)
- know of 人: 人について断片的情報を知っている
- shoot 人: 人を撃つ
- shoot at 人: 人に向かって撃つ
なお、前置詞についてもっと知りたいという方は、
が大まかなイメージを理解するのに役に立つと思います。
特に、一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)は前置詞以外の英文法の事項も新鮮な観点(かつイメージに残りやすい本質的な記述)で説明してくれているので、お持ちでない方は手元に一冊置いておくと英語学習がとても楽しくなると思います。
また、前置詞の観点から英語の熟語をひたすらまとめた解体英熟語 改訂第2版もおすすめです。Z会からの出版で、一応大学受験用ということになってはいますが、大人にとっても普通に役立ちます。というか、役立ちすぎるくらい情報量が豊富&わかりやすいです。
巻末に各前置詞をおおざっぱにまとめた簡単な説明が載っていますが、それがとてもわかりやすく、正直その説明のためだけでもこれを一冊買う価値があります。
前置詞は奥が深いので、ぜひぜひ上記の書籍に目を通してみてくださいね。見える世界がガラッと変わると思います。
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