今回はstop O from Vingとstop O Vingの違いです。
学校の文法の授業では
- stop O from Ving: OがVするのを妨げる/止めさせる
と習うことが多いです。
ただ、実はfromが省略されることもあり、その場合、意味も微妙に変わることがあるのですね。
stop O from Vingのほかにも、同じ形をとる動詞はprevent、hinderなどいくつかあります。
※参照:【fromの理由】SVO from Ving型の動詞【意味まとめ】
この記事では、fromの有無と、それによる意味の違いをまとめてみたいと思います。
stop O from Ving / stop O Vingの違い
stop O from Ving / stop O Vingの違いのまとめは下記のとおりです。
- stop O from Vingと同じ形をとる動詞
- fromがなくてもよい動詞と、その場合の意味の違い
をまとめています。
- ban O from Ving:OがVするのを禁ずる
- discourage O from Ving:OにVするのを思いとどまらせる(discourage:がっかりさせる)
- dissuade O from Ving:OがVするのを説得してやめさせる
- hinder O from Ving:OがVするのを妨げる、遅らせる(stopより固い、preventよりも邪魔して遅らせるイメージが強い)
- stop O from Ving:OがVするのを妨げる
- keep O from Ving:OがVするのを妨げる
- prevent O from Ving:OがVするのを妨げる
- prohibit O from Ving:OがVするのを禁ずる
- restrain O from Ving:OがVするのをやめさせる
- rescue O from Ving:OをVすることから救う
- save O from Ving:OをVすることから救う
- protect O from Ving:OをVすることから守る
※fromが使用されているのは、「from: 離れる」というイメージがあるためです。詳細はコチラ
- stop O from Ving: OがVするのを止めさせる
- stop O Ving: OがVするのを止めさせる(すでに進行中の動作を止める/短時間で終わる動作を止めるというイメージ)
- prevent O from Ving: OがVするのを妨げる(説得などをして間接的に動作を妨げたというイメージ)
- prevent O Ving: OがVするのを妨げる(直接妨げるというイメージ)
※hinderも同じ
一体なぜこのような意味の違いが生じるのか?
例文と一緒に見ていきましょう。
fromのイメージ
注目すべきはfromのイメージです。
fromには「離れる」というイメージがあります。
たとえば次の例文では、「わたしはカナダを離れて今この場所にいるのだ」というイメージが伴いますよね。
I am from Canada.
(わたしはカナダ出身だ)
このように、fromには「離れる」というイメージがあることから、今回のstop O from Ving型の動詞では、
- fromがある ⇒間接的に止める/妨げるイメージ
- fromがない ⇒直接的に止める/妨げるイメージ
という違いが出ることになります。
例えば次の例文を見てみましょう。
fromがある方は「前もって止めさせたイメージ」が伴い、実際に目の前で行われている行為を直接止めたわけではありません。一方、fromがない方は「実際に遊んでいるのを止めさせたイメージ」が伴い、実際に目の前で行われている行為を直接止めています。
I stopped him from playing with matches.
(私は彼がマッチで遊ぶのを止めさせた)
⇒前もって止めさせたイメージ(どちらかといえば間接的)
I stopped him playing with matches.
(私は彼がマッチで遊ぶのを止めさせた)
⇒実際に遊んでいたのを直接止めさせたイメージ
また、prevent (あるいはhinder)の場合も同様です。fromの有無で、間接的か直接的が変わってきます。
I prevented him from going out.
(私は彼が外出するのを妨げた)
⇒説得して間接的に止めさせたイメージ
I prevented him going out.
(私は彼が外出するのを妨げた)
⇒直接邪魔して止めさせたイメージ
ちなみに、似たような話は【驚愕】前置詞の有無による意味の違いとは【know/know of/shoot/shoot at…】にもまとめてあります。
おわりに
いかがでしたか? 前置詞のイメージに注目すると英語を深く理解することが出来ますね。
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