こんにちは、講師のNです。
名詞の中には動詞と結びつき、熟語表現となっているものも少なくありません。
今回はそんな表現のうち、名詞が必ず複数形となる表現をチェックしていきたいと思います。

どうして名詞の複数形??
単数形じゃダメなの??
熟語表現の成り立ちをみれば納得できるはずです。早速見ていきましょう。
「動詞+名詞複数形」の重要表現は全部で6種類!
名詞の複数形と結びつく動詞表現のうち、重要なものは全部で6種類あります。
まずは一覧で見てみましょう。
- be on good terms with~:~と仲が良い
- change trains:電車を乗り換える(busses/planesなども可)
- exchange business cards with~:~と名刺を交換する
- make friends with~:~と仲良くなる、友達になる
- shake hands with~:~と握手をする
- take turns ~ing:かわりばんこに~する(~ingの前にinやatを付けても良い)
複数形になっている理由はズバリ、「複数のヒト/モノが必要な行為だから」です。
一つずつ意味をチェックしていきましょう。
be on good terms with~:~と仲が良い
be on good terms with~で「~と仲が良い」という意味になります。
なぜこのような意味になるのか?
単語ごとに分解して考えます。
be: ~である
on: ~の状態
good: 良い
terms: 間柄、関係(複数形)
with: ~と
説明が必要と思われるものだけ解説していきます。
まずはon。
onは「ある状態にあること」を意味することがあります。
「上に乗っかっている=ペタっと接触している=ある状態にある」というイメージです。
日本だと”Now on sale!(ただいま販売中!)”といった表現がなじみ深いかもしれません。
これは「”sale”という状態に現在従事してますよ=現在販売中ですよ」ということなのです。
(他には”on strike”で「ストライキ中」なんて言い回しもあります)
次にterms。
今回複数形になっている名詞なんですが、termは「間柄、関係」なんて意味を持っています。
他人との間柄というのは、自分一人では成立しませんね。
だから複数形なんです。相手が必要だから複数形。
こうやって分解していき、単語を直訳していくと
「~と良い間柄の状態にある」くらいの意味になりましょうか。
その結果、辞書には「~と仲が良い」という訳が載っているのです。
I am on good terms with John. (わたしはジョンと仲が良い)
change trains:電車を乗り換える
同じように見ていきましょう。
change: ~を変える、取り換える
trains: 電車(複数形)
路線Aから路線Bに電車を乗り換える際、必ず二つの電車が関係してきますよね。
だって、乗り換えるんですもん。
だからtrainsが複数形になっています。
なお、電車ではなく、
バスや飛行機(busses, planes)の乗り換えにも全く同じ表現が使えます。
He changed trains at Tokyo station. (彼は東京駅で電車の乗り換えをした)
He changed planes at Narita airport. (彼は成田空港で飛行機の乗り換えをした)
exchange business cards with~:~と名刺を交換する
サクサクいきましょう。
exchange: 交換する
business cards: 名刺(複数形、直訳すると「ビジネスのカード」)
with: ~と
これは「名刺」部分が複数形になっています。名刺交換も一人じゃできないですからね。
He exchanged business cards with a client. (彼はお客さんと名刺交換を行った)
make friends with~:~と仲良くなる、友達になる
これも同様です。
make: 作る
friends: 友達(複数形)
with: ~と
「友達を作る」というのも自分と相手があって初めて成立する行為ですね。
だからfriendsが複数形になっています。
Satoshi made friends with Kasumi. (サトシはカスミと友達になった)
shake hands with~:~と握手をする
テンポよくいきましょう。
shake: 振る
hands: 手(複数形)
with: ~と
日本語でも「シェイク」を「振る」という意味で使ったりしますね。
そして、相手と手を握るわけなのでhandsが複数形になっています。
She shook hands with her mother. (彼女は彼女の母親と握手した)*
*動詞”shake”は”shake-shook-shaken”と変化します。
take turns ~ing:かわりばんこに~する
これでラストです。
take: とる
turns: 順番(複数形)
~ing: ~すること
遊戯王の「俺のターン!」というセリフはご存じないですかね?
あれ、「わたしの順番です」ということですからね。
turnは「順番」という意味の英単語です。
二人で交互に順番をとるわけなので、turnsと複数形になっています。
直訳すると「~することにおいて、順番を取っていく」くらいでしょうか。
だから「順番に~する」という訳になります。
They took turns talking. (彼らはかわりばんこに話をした)
ちなみに、”~ing”の前にはもともとinやatなどの前置詞が置かれていたのです。
だから「~することにおいて」という直訳になるんですね。
inやatなどの前置詞が省略されないパターンもあります。
おわりに
いかがでしたか?
一見難しそうな熟語も、単語ごとに分解して意味を考えればスッと意味を理解できますね。熟語学習のコツです。
あとは前置詞の意味なんかも一通り押さえておけば、熟語学習がさらにスムーズに進むかもしれません。
前置詞は「前置詞カテゴリー」にまとまっていますので、そちらをご参考にして頂ければと思います。自分で言うのもアレですが、死ぬほど面白いと思います。
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最後までお読みくださりありがとうございました。それでは!
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