今回は原形不定詞Vを解説します。
原形不定詞とはいったいなんなのか?
この形をとる動詞はある程度限られているので、これを機会に一網打尽にしてしまいましょう!
原形不定詞Vとは
まずはそもそもですが、
原形不定詞ってなに??
という声も多いと思います。
原形不定詞とは、不定詞to Vからtoを省略したものです。通常不定詞はto Vの形をとるんですね。ただ、原形不定詞にはtoがなく、Vだけが残されます。
イマイチぴんとこない…
例文で見てみましょう。
He helped me (to) carry my luggage.
(彼は、わたしが荷物を運ぶのを手伝ってくれた)
help O (to) Vは、「OがVするのを手伝う」という意味の定型表現です。to Vの形をとることもあるのですが、toを省略してもよいのです。toが省略された場合、Vの部分が原形不定詞とみなされます。そして、これは一見すると特殊な形なのです。
何が特殊なのかよくわからない…
1つの文に、2つのV(動詞)があることが特殊なんです。
helpは「手伝う」という意味のVです。既にここにVが1つあるんです。にもかかわらず、help O Vの形で、Oの後ろにもう一度Vが出現している。つまり、1つの文に2つのVが存在することになってしまうのです。(接続詞などがない限り)1つの文にVは1つだけ!という大原則に反してしまうことになります。
しかしこれ、Oの後ろのVが不定詞to Vと考えると納得がいくのです。不定詞であれば、1つの文の中で、ほかのVとも共存できますから。そして、この不定詞が特殊なのは、help O to Vとせず、help O Vという形になっているからなのです。toが省略された形を原形不定詞と呼びます。
原形不定詞をとる動詞の意味まとめ
原形不定詞がなんなのかを理解したところで、原形不定詞をとる動詞をリストアップしてみましょう。数は限られているので、マルっと覚えてしまうのが良いです。
<動詞 O V型>
- help O V (help O to Vも可): OがVする手助けをする
- make O V: OにVさせる(強制力高い)
- have O V: OにVさせる(強制力中くらい)
- let O V: OにVさせる(強制力低い。許可を与えるイメージ)
- see O V: OがVするのを見る
→知覚動詞全般(see, watch, look at, hear, listen to, notice, observe, feelなど)
<動詞 V型>
- help V(to Vも可): Vするのを手伝う、Vするのに役立つ
- do nothing but V: ただVばかりする(≒V以外何もしない。butには「~以外」の意味アリ)
- All S have to do is V(to Vも可): SはVさえすればよい(≒Sがすべき全てのことはVすることだ)
- All S can do is V(to Vも可): SにできることはVだけだ(≒Sができる全てのことはVすることだ)
動詞 O V型
まずは”動詞 O V型”から見ていきましょう。
He helped me (to) carry my luggage.
(彼は、わたしが荷物を運ぶのを手伝ってくれた)
なお、受動態にした場合、helpやmake, 知覚動詞は原形不定詞ではなくto Vの形をとります。(to Vの形をとらないのはhave, letのみ)
例えば下の”was helped to carry”という表現を見てみてください。toがないと、”was helped carry”と動詞が3つ続く形になり、なんだか気持ち悪いですよね。
I was helped to carry my luggage by him.
(わたしは彼に、荷物を運ぶのを手伝ってもらった)
I was made to carry his luggage by him.
(わたしは彼に、彼の荷物をむりやり運ばされた)
I was seen to carry his luggage by him.
(わたしは彼に、彼の荷物を運ぶのを見られた)
動詞 V型
次に”動詞 V型”です。
This medicine helps (to) heal your stomachache.
(この薬は腹痛を治すのに役立つ)
おわりに
いかがでしたか? 以上、原形不定詞の説明でした。
toがない不定詞ということで、ややイレギュラーな表現です。試験でもつまづきやすい箇所ですので、ぜひ完璧に習得して、ライバルに差をつけてください!
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