今回はmuchの盲点となる用法についてまとめてみたいと思います。
下記の表現には少し違和感があるのですが、どこが違うかわかりますか?
△:I like him much.
(わたしは彼がとても好きだ)
△:I have much money.
(わたしはたくさんお金を持っている)
ぜんぜんわからない…
かなり細かい点ではありますが、一段上の英語力を手に入れるためにも、muchの意外なルールをチェックしていきましょう!
muchの本当の用法
muchの本当の用法は下記の通りです。
<否定文・疑問文・条件文などの「非肯定文」>
- 普通に使って良い
- 形容詞として使用される場合は、不可算名詞と結びつく
<肯定文>
- 原則肯定文での単独使用は△
- 単独で使用する場合、形容詞としてならa lot (of)を使用した方が良い
- 単独での使用でなければ、肯定文でも使用可(so much, too much, very muchなど)
- ただし、カタい書き言葉では単独での使用も可能
え、どういうこと…?
よくわかるように、個別に詳しく見ていきましょう。
否定文・疑問文・条件文の場合
まずは否定文・疑問文・条件文で使用される場合からです。
肯定文以外で使われる場合(=断定する気持ちがあまりない場合)、muchは比較的自由に使用可能です。これはあまり気にする点はないです。中学・高校で習った内容との不一致はないと思います。
※形容詞としてmuchが使用される場合(名詞の前で使用される場合、形容詞扱いになります)、後ろには不可算名詞が来なければいけない、という点は一応要注意です。
例文はコチラです。
I don’t have much money with me.
(わたしはあまりお金がない)
Do you have much money with you?
(あなたお金がある?)
Do you know much about the problem?
(あなたはその問題についてたくさんのことを知っていますか?)
If you know much about the problem, please explain it to me.
(もしその問題について多くのことを知っていれば、それをわたしに説明してください)
肯定文
次に肯定文で使用される場合です。ここが要注意です。まず、muchの単独使用は、肯定文では原則良くないということを押さえましょう。
単独で使用する場合は、muchの代わりにa lot (of)を使用すると良いです。
△:I like him much.
〇:I like him a lot.
(わたしは彼がとても好きだ)
△:I have much money.
〇:I have a lot of money.
(わたしはたくさんお金を持っている)
ただし、very/so/too/muchなどを伴う場合は、肯定文で使用しても良いです。
〇:I like him very much.
〇:I like him so much.
(わたしは彼がとても好きだ)
〇:I ate too much.
(わたしは食べ過ぎた)
また、堅めの書き言葉では、much単独で使用することも許容されます。
Much criticism has been directed against his recent study.
(多くの批判が彼の最近の研究に対して向けられた)
まとめ
いかがでしたか? 以上がmuchの気をつけるべき用法です。
他に、
- admire/appreciate/dislike/enjoy/regret/prefer/reduce/increase/surpass/exceed/improve/deteriorate
などの動詞は、動詞の直前でmuchを単独で使用することも可能だったりと(例:much preferなど)、気にし出すときりがないです。
ひとまずは今回の記事の
- 肯定文以外では比較的自由に使える
- 肯定文の時は要注意
という点を押さえておくと、大きく外すことはないはずです。
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