今回は仮定法現在についてまとめてみたいと思います。
仮定法現在とは、「提案」「要求」「決定」の意味合いを持つ動詞が使われたとき、
その後ろ (that節内)が必ず”should V”か”原形V”になる現象です。
具体的なイメージがわかない…
実は、似たような感覚で使っている文法事項を、みなさんは中学の初めの方で習っているはずです。
え…?
一体どういうことなのか?
一緒に見ていきましょう!
「提案」「要求」「決定」の意味合いを持つ動詞が仮定法現在と結びつく!
まずは仮定法現在になるパターンの動詞の意味と、具体例を見てみましょう。
下記でまとめられている動詞のとき、仮定法現在を使うことが多いです。
注目すべきポイントは次の二点です。
- 「提案」「要求」「決定」などの強い意味と結びついている点
- that節内の動詞が「時制の一致」、「三人称単数」のルールなどと関係なく、必ず原形かshouldになっている点
<提案>
suggest提案する、propose提案する、recommend勧める、advise助言する
<要求>
demand要求する、ask要求する、request要請する、require求める、desire強く望む、order命令する、urge強く言い張る、insist 要求する
<決定>
decide決める、determine決める
※「現実になっていない感」を出すために原形を使用。「suggest: 示唆する」「insist: 主張する」のように、「すでに現実になっていること」を意味として含む場合、仮定法現在にはならない
that節内が原形 / shouldになる理由
最後にthat節内が原形 / shouldになる理由についても触れておきたいと思います。
仮定法現在が使われるのは、
- 「頭の中にあるだけで、事実になっていないコト。まだ実現しておらず、これから行動を起こすコト」であるため
と説明されることが多いです。
「まだ実現していない感/そうして欲しい感」を表すために、生のままの形である動詞の原形を使っています。
これって、命令形と同じ感覚ですね。
たとえば命令形で、
Be quiet, please.
(静かにしてください)
と表現するとき、「be quiet (静かにする)」という状態は実現されていませんよね。
まだ静かになっていないから、「静かにしろ!」と言っているわけですもんね。
ただ、that節の中で「時制の一致を受けない」「三人称単数が主語でも動詞にsが付かない」というルールは、英語話者にとっても違和感があったようです。
そこで、shouldを付けてその違和感をごまかしたのだ、と一説には言われています。
(shouldは「提案」「要求」「決定」「主張」が持つ強い意味との相性も良いですね)
というわけで、「まだ実現していない感」が出ていれば、先ほど挙げた動詞以外のパターンでも、動詞に原形が使われることがあるのですね。
これは比較的珍しいケースですが、一応例文を示しておきます。
if節内の出来事が、話の時点では確定していないニュアンスを出すため、”be”という原形が使われています。
If need be, I will lend you the book.
(もし必要であるなら (=必要かどうか、話をしている時点では確定していないニュアンス)、わたしは君にその本を貸してあげるよ)
that節内が原形にならない場合もある?
上述の動詞を使っていても、「提案」「要求」「決定」「主張」といった強い意味でなければ、that節内は原形 / shouldにはなりません。
例えばsuggestで考えてみましょう。
suggestには「提案する」のほかに「示唆する」という意味もあります。suggestが「示唆する」という意味の場合、that節内は原形 / shouldにはなりません。
なぜかというと、「示唆する」というのは、「すでに実現していること/現実になっていることを示唆する」という含みがあるためですね。
こちらが例文です。that節の中が”is improving”になっている点に注目です。
The survey results suggest that the economy is improving.
(その調査の結果は、経済が良くなっていることを示唆している)
また、insistも「要求する」「主張する」という意味があります。insistが「主張する」の場合は、「すでに現実になっていること(自分の意見の正しさなど)を主張する」という含みがあるので、やはり原形 / shouldにはなりません。
こちらが例文です。
He insisted that he was right.
(彼は、自分が正しいと主張した/強く言い張った)
おわりに
いかがでしたか? 英作文や読解ではもちろん、文法問題でもちょくちょく突っ込まれる分野なので、しっかり押さえておきましょう!
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