【絶対わかる】動作/状態受動態の違い【カギは完結/非完結動詞】

文型(動詞・助動詞・受動態)

 

突然ですが、下記の英文に目を通して見てください。

 

The door was shut when I went by, but I don’t know when it was shut.

(私がそばを通り過ぎた時、ドアは閉じられていた。しかし、それがいつ閉じられたのかを知らない)

 

 

実はコレ、複数の文法書で紹介されている英文なのですが、注目して頂きたいのは太字部分です。

  • The door was shut = ドアは閉じられていた(ドアが閉じられているという「状態」)
  • it was shut = それが閉じられた(ドアが閉じられるという「動作」)

 

 

このように、同じ受動態でも「状態」「動作」と、二通りの意味を表すことがあるのですね。

 

 

この記事では、

  • 「状態」「動作」はどのように判別するのか

をサクッと説明してみたいと思います。

 

基本は文脈判断

こんなことを言うと元も子もないですが、基本は「状態」「動作」なのかは、文脈で判断をします。

 

下記は英文法総覧から引用した英文ですが、同じ動詞でも、文脈次第で「状態」「動作」のどちらにも解釈されることがあります。

The tree was uprooted when I saw it.

(私が見たとき、その木は根こそぎにされていた =状態)

 

The tree was uprooted by the storm.

(その木は嵐によって根こそぎにされた =動作)

 

 

しかし、常に文脈判断なのかと言うと、必ず「状態」の意味に解釈されるパターンがあります。一体どういった場合なのでしょうか。

 

受動態が必ず「状態」に解釈されるパターン

受動態が必ず「状態」に解釈されるのは、「非完結動詞」が使用されている場合です。

 

 

「完結動詞」「非完結動詞」の違いは下記の通りです。

  • 完結動詞:動作の開始・継続・終了が明瞭(完了形が「継続/経験/完了」のいずれの意味にもなる)
  • 非完結動詞:動作の開始・継続・終了が不明瞭

 

 

「動作の開始などが比較的明瞭か否か」というのが基準です。

 

現在完了として使用した時、「継続/経験/完了」いずれの意味にもなることが出来るか否か、というのが一つの判断基準になってきます。「継続/経験/完了」いずれの意味にもなることが出来れば、「完結動詞」と判断できます。

 

 

例文で見てみましょう。

 

下記が「完結動詞」の例です。「do: する」という動詞は比較的明瞭な動作なので、「継続/経験/完了」のいずれの意味でも使用できます。

I have been doing my homework for 2 hours.

(私は2時間宿題をし続けている =継続)

 

I have not done so much homework.

(私はそんなにたくさんの宿題をしたことがない =経験)

 

I have done my homework.

(私は宿題をした =完了)

 

 

一方、下記は「非完結動詞」の例です。「admire: ~に敬服する」という動詞は、動作の始まり等が比較的わかりづらく、現在完了で使用されても、「継続/経験/完了」の全ての意味にはなりません。

I have always admired my boss.

(私は上司のことを常に尊敬してきた =継続)

 

 

このような「非完結動詞」が受動態で使用される場合、通常は「状態」の意味に解釈されます。

The boss is admired by everyone.

(その上司は皆に尊敬されている =状態)

※「動作」の解釈は原則不可

 

まとめ

いかがでしたか? 以上をまとめてみたいと思います。

 

ポイント
  • 受動態が「状態」「動作」のどちらの意味になるかは文脈判断

 

  • 「非完結動詞」の場合、原則として「状態」の意味で解釈される
  • 「非完結動詞」は動作の開始・継続・終了が不明瞭な動詞のこと。完了形にしても、「継続/経験/完了」の全ての意味になるわけではない

 

  • 「完結動詞」の場合、「状態」「動作」のどちらの意味でも解釈可能
  • 「完結動詞」は動作の開始・継続・終了が明瞭な動詞のこと。完了形にした場合、「継続/経験/完了」の文脈次第でいずれの意味にもなる

 

 

 

なお、今回の記事では英文法総覧を参考にしています。

 

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