今回はmuch more, much lessの意味・使い方を解説したいと思います。ほかにもstill more, still less, let alone, even lessなど、様々な書き換え表現があります。
なんか似たような表現…
大丈夫です! イメージ付きで、5分でササっと理解できます。
much more/much less意味と使い方 -書き換え表現
much more/much lessや、その他の書き換え表現の意味と使い方は下記のとおりです。
- much more:なおさら~だ(肯定文的内容の後ろで使用。プラスにプラスを付け加える)
- 書き換え表現: still more, to say nothing of, not to mention(~についてはいうまでもなく)
*much more/still moreはいまではあまり使用されません。試験ではよく出ますが
- much less:ましてや~ない(否定文的内容の後ろで使用。マイナスにマイナスを付け加える)
- 書き換え表現: still less, even less, let alone
よくわからない…
単語の成り立ちから説明するので大丈夫です! 例文付きで具体的に見ていきましょう!
単語の意味から考える
それぞれの言い回しを単語レベルで考えていきたいと思います。
次の順番で見ていきます。
- much more, still more, to say nothing of, not to mention
- much less, still less, even less, let alone
much more
much moreは肯定文的内容の後ろで使われ、「なおさら~だ」という意味になります。そして、still moreも同様に使われます。
例文で見てみましょう。
Ken can speak English, much more Japanese.
= Ken can speak English, still more Japanese.
= Ken can speak English, to say nothing of Japanese.
= Ken can speak English, not to mention Japanese.
(ケンは英語を話すことが出来る、日本語はなおさらだ)
これはひとことで言うと、プラスにプラスを付け加える表現です。
プラスにプラスを付け加える??
まず、文の前半部分で「ケンは英語を話せる」と言っているわけです。
いわゆる肯定文ですので、「英語を話せる」というのは、プラスの表現なわけです。
ここにさらに「日本語が話せるのはなおさらだ」とプラスを付け加えるのがmuch moreです。「英語が話せるんだ、日本語話せるなんて当たり前だろう」と。
プラス(英語が話せる)にプラス(日本語が話せる)を付け加えていますね。
ケンは、名前から考えて日本人なのでしょう。日本人である彼が英語を話せるのだから、日本語なんて当然話せるに決まってる。そんな風に使われていますね。
moreというのは「もっと多い」という意味の単語ですね。プラス方向の単語です。そこでmuchがmoreを強めて、「なおさらだ」というプラス方向の意味を出しているわけです。
また、still moreも同じです。stillは「まだ、なおいっそう」という意味を持つので、moreを強めています。その結果、「なおさらだ」というプラス方向の意味を出しています。
much less
much lessは否定文で使われ、「ましてや~ない」という意味になります。同様の表現に、still lessやeven less, let aloneがあります。
例文で見てみましょう。
Ken cannot speak English, much less French.
= Ken cannot speak English, still less French.
= Ken cannot speak English, even less French.
= Ken cannot speak English, let alone French.
(ケンは英語を話すことが出来ない、ましてやフランス語など話せない)
先ほどの逆です。マイナスにマイナスを付け加えていますね。
まず、文の前半部分で「ケンは英語を話せない」と言っているわけです。いわゆる否定文。「英語を話せない」というのは、マイナスの表現ですね。
ここにさらに「ましてやフランス語は話せない」とマイナスを付け加えるのがmuch moreです。「英語が話せないんだ、フランス語を話せないなんて当たり前だろう」と。
マイナス(英語が話せない)にマイナス(フランス語が話せない)を付け加えていますね。
先ほど同様、ケンは日本人なのでしょう。日本人である彼が英語を話せない、あんなに授業で勉強したのに。だから、フランス語なんて話せないに決まってる。そんな表現です。
lessは「より少ない」というマイナス方向の単語です。muchがlessを強めて、「ましてや~ない、なおさら~ない」というマイナス方向の意味を出しているわけです。
また、still lessやeven lessも同じです。
stillは「まだ、なおいっそう」、evenは「さらに、なおさら」という意味を持ちます。後ろの単語、つまりlessを強調しています。その結果、「ましてや~ない」というマイナス方向の意味を出しています。
ちなみに、let aloneも「ましてや~ない」という意味を持ちます。やはり同じくマイナス方向の意味を強めます。
どうして?
letには「~するままにさせる」という意味があります。ざっくり言うと「放っておけ」的な意味です。let it be(なすがままに)とかlet it go(ありのままに)なんかはこの意味で使われています。
そして、aloneは「一人で」という意味を持ちます。
おそらくですが、let aloneで「一人にさせておけ」→「無視してOK」→「言うまでもない(ましてや~ない)」という発想が働いているのではないかと思います。
「ましてや~ない」というのは、「言うまでもないくらい当たり前だろ」というコトですので、意味はつながっていますね。
(多少ムリヤリ感はあるけど)たしかに…!
まとめ
いかがでしたか? 以上の説明を読んだうえで、最初の説明を改めて眺めてください。
- much more:なおさら~だ(肯定文的内容の後ろで使用。プラスにプラスを付け加える)
- 書き換え表現: still more, to say nothing of, not to mention(~についてはいうまでもなく)
*much more/still moreはいまではあまり使用されません。試験ではよく出ますが
- much less:ましてや~ない(否定文的内容の後ろで使用。マイナスにマイナスを付け加える)
- 書き換え表現: still less, even less, let alone
中身を理解すれば、表現を覚えやすいですね。あとは何度も音読をして、表現を身体で覚えてしまいましょう。
(註:説明の関係上紹介しましたが、much moreやstill moreは最近ではあまり使われないようです。much lessは普通に使われていますが)
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