知覚/使役動詞の意味と用法 -原形不定詞/現在分詞/過去分詞の違い

準動詞

 

今回は知覚動詞と使役動詞についてまとめたいと思います。

 

なんだっけ??

 

この記事を読むと、下記のことが理解できます。

  • 知覚動詞と使役動詞の使い方
  • 知覚動詞と使役動詞に使われる原形不定詞、現在分詞、過去分詞の違い

 

この記事は、そんな疑問にお答えします。シンプルに説明するのでご安心を!

 

知覚動詞、使役動詞とは?

ひとことで言うと、特殊な形をとる動詞のことです。「知覚動詞 O C」「使役動詞 O C」という形をとり、ちょっと特殊な訳し方をするんですね。

 

知らないと訳せませんが、知っていればサクサク訳せます。英語の幅が広がる大切な表現です。

 

それぞれ訳し方のパターンが決まっているので、順番に見ていきましょう。

 

知覚動詞まとめ

まずは知覚動詞から。知覚動詞とは、その名前の通り五感(見る、聞くなど)に関係する動詞のことです。

 

これが「知覚動詞 O C」という形をとります。

 

 

Cに入る単語は、OとCの間の関係によって変化していきます。

  • OがCする⇒V(原形不定詞)
  • OがCしている⇒Ving(現在分詞)
  • OがCされる ⇒Vp.p.(過去分詞)

 

 

例文は下記のとおりです。下線部の部分がOとCです。上から、Cの位置にV/Ving/Vp.p.が入っています。

I heard him sing a song.

(わたしは、彼が歌を歌うのを聞いた)

 

I heard him singing a song.

(わたしは、彼が歌を歌っているのを聞いた)

 

I heard my name called.

(わたしは、わたしの名前が呼ばれるのを聞いた)

 

なお、

  • V(sing)のときは「動作の初めから終わりまで全て知覚する」
  • Ving (singing)のときは「動作の途中だけ知覚する」

という意味の違いがあります。

 

 

ひとまず、ここまでの内容をまとめると下記のとおりです。

 

知覚動詞一覧

<「知覚動詞」+O C>

  • OがCするのを「知覚動詞」する⇒V
  • OがCしているのを「知覚動詞」する⇒Ving
  • OがCされるのを「知覚動詞」する ⇒Vp.p.

⇒V(sing)のときは「動作の初めから終わりまで全て知覚する」
⇒Ving (singing)のときは「動作の途中だけ知覚する」

⇒受動態の場合、to Vとする(Ving等の時はto不要)

 

<「知覚動詞」部分に入る動詞>

  1. 「見る」系:watch, see, perceive, look at
  2. 「聞く」系:hear, listen to
  3. 「気づく」系:notice, observe
  4. 「触覚で感じる」系:feel
  5. 「臭いで感じる」系:smell

⇒smellはCの部分にVingしか入らない。なお、「taste: 味がする」はtaste O Cの形を取らない

 

 

知覚動詞の受動態

ここからはほんの少し応用編です。知覚動詞を受動態にすると、Cの部分にVが入っていた場合のみ、to Vの形になります。

 

“was heard sing”と、動詞のような単語が三つ続くのは違和感があるため、toを挟んでやるのですね。

I heard him sing a song.

⇒He was heard to sing a song by me.

(彼は歌を歌うのをわたしにより聞かれた)

 

I heard him singing a song.

⇒He was heard singing a song by me.

(彼は歌を歌っているのをわたしにより聞かれた)

 

使役動詞まとめ

次に使役動詞を見てみましょう。使役動詞とは、その名の通り「誰かに何かをさせる(使役する)」ときに使う動詞です。

 

知覚動詞と同じく「使役動詞 O Cという形をとります。

 

やはり、Cに入る単語は、OとCの間の関係によって変化していきます。

  • OがCする⇒V
  • OがCしている⇒Ving
  • OがCされる ⇒Vp.p.

 

 

一覧はコチラです。

 

使役動詞一覧
  • make O C: OにCさせる(強い使役)
  • have O V: OにCさせる/してもらう(中間的な意味/受動や被害の意味と相性が良い。≒get O to V)
  • let O V: OにCさせてやる(許可)

⇒makeのみ受動態可。その際はCの部分をto Vとする

⇒makeはCの部分にVingは不可、letはCの部分にVing/Vp.p.は原則不可

 

 

単語ごとに強制力の強さが違います。強制力の強さ順に並べると、「make>have≒get>let」です。

 

下記で例文を見ていきましょう。

 

make O C

一番強制力の強いmakeから見てみましょう。make O Cで「OにCさせる」と訳します。

 

The teacher made me study English.

(先生は私に英語を勉強させた)

 

 

「先生が私に勉強をさせた」というように、強制力の強さを表現することができます。

 

 

また、「make O V」のVの部分をVp.p. (過去分詞)にすれば、「OがVされるようにする」という意味になります。

I made myself understood in English.

(わたしは、英語で話を通じさせた)

 

 

understoodとなっているのがポイントです。make oneself understoodで「話を通じさせる(≒自身が理解されるようにする)」という意味になります。「自身が理解される」という関係が成り立っているので、Cの部分にVp.p.が入っているのですね。

 

 

また、使役動詞の中でmakeのみ受動態があります(makeそのものを受動態にするパターン)。知覚動詞の受動態と作り方は同じです。toを忘れないでください。

I was made to study English by the teacher.

(先生によって、わたしは英語を勉強させられた)

 

have O C (≒get O to V)

have O Cは一番ニュートラルな意味を持っています。get O to Vとほぼ同じ意味を持つと言われていますが、両者の違いを挙げるとすれば下記の通りです。

 

  • have: やって当然のことをしてもらう。軽い使役
  • get: やってもらうために努力や依頼をする

 

 

例文はこちらです。

I had my son clean the room.

(わたしは、息子に部屋の掃除をさせた)

 

I tried to get her to join the party.

(わたしは、彼女にパーティーへ参加してもらうよう試みた)

 

ただ、haveとgetの違いをそこまで細かく問われることはありません。それよりも、「get O to V」のtoを忘れないようにしてください。

 

 

また、「have O C」のCの部分をVp.p. (過去分詞)にすれば、「OがCされる」という意味になります。下記の例文でわかる通り、haveは受動や被害の意味との相性が良いです。

I had my hair cut.

(わたしは髪を切ってもらった)

※ここでのcutはVp.p.

 

He had his license suspended.

(彼は、免許が停止されてしまった)

 

let O C

let O Cは「OにCさせてやる」というように、「許可」の意味を持ちます。

 

I let my son play soccer.

(わたしは、息子にサッカーをやらせてあげた)

 

 

ちなみに余談ですが、アナ雪の”let it go (ありのままで)”は、まさに「let O V」ですね。itは「漠然とした自分の周囲の状況」を指しています。

 

直訳すると、「itがgo(行く)のを許す」

 

つまり、「どうにでもなっちまえ、放っておけ」と開き直っている歌ですね。確か映画でも、ゴチャゴチャウジウジした状況が嫌になり、主人公が開き直ったシーンで歌が使われていたと思います。

 

おわりに

いかがでしたか? 定型表現も多く、一度覚えれば確実に得点源となる分野です。また、海外で英会話をしていても使う機会が非常に多いです。

 

これを機会にぜひマスターしてくださいね!

 

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