今回はIt is~that…の見分け方について解説してみたいと思います。
形だけ見ると、「形式主語/強調構文/関係代名詞/同格that」の可能性がある表現です。非常に紛らわしいですね。
注意深く読み進めないと誤読の危険性が高いので、試験でも頻出の分野です。そして、実際の英文でもバシバシ出現する形なので、英語学習をするうえでは避けては通れません。
今回はそんなIt is~that…を正しく読み解くコツをサクッとまとめてみました。これさえわかれば、文章の読解力がグンとアップしますよ!
It is~that「形式主語/強調構文/関係代名詞/同格that」の見分け方まとめ
It is~that…の見分け方のまとめは下記の通りです。
原則として、It is~that…の形は下記のどれかに分類され、下記の考え方で区別することが出来ます。
thatの後ろ | Itの訳 | It is~thatの間の単語 | |
1.形式主語 | 穴がない | 「それ」と訳せない | 名詞/形容詞 |
2.強調構文 | 穴がある*1 | 「それ」と訳せない | 名詞/副詞 |
3.同格のthat | 穴がない | 「それ」と訳せる | 名詞 *2 |
4.関係代名詞 | 穴がある | 「それ」と訳せる | 名詞 |
*1 間に挟まれている単語をthat以下の文へ入れることが出来れば強調構文
*2 同格のthatを取る名詞は「事実」「情報」「主張」「思考」「感情」「要求」が多い
具体的な見分け方は、例文とセットで見ていきましょう。
形式主語/強調構文 vs 同格のthat/関係代名詞
まずは「形式主語/強調構文」と「同格のthat/関係代名詞」のどちらなのかを考えましょう。
ただ、It is~thatときたら、基本的には「形式主語/強調構文」となることが大半ですので、まずはその可能性を追求してOKです。
Itを「それ」と訳さないと文脈上意味がおかしくなるときのみ、「同格のthat/関係代名詞」を考えてみてください。
形式主語 vs 強調構文
It is~that…では、「1.形式主語」「2.強調構文」のどちらかになるパターンが圧倒的に多いです。
なので、この形をみたら、まずは「1.形式主語」「2.強調構文」の可能性を疑います。Itを「それ」と訳すとおかしくなる場合、「1.形式主語」「2.強調構文」のどちらかであることは確定的です。
さらに、「1.形式主語」「2.強調構文」を見分ける際の大きなポイントは、「thatの後ろに穴があるか/ないか」です。thatの後ろを見て、その文に文法的に欠けている部分がなければ形式主語、欠けている部分があれば強調構文と判断しましょう。
形式主語:It is true that he has a good memory. (彼が良い記憶力を持っているというのは本当だ)
形式主語:It is a fact that he is from China. (彼が中国出身だというのは事実だ)
強調構文:It is Mary that he loves. (彼が愛しているのはメアリだ)
強調構文:It was yesterday that he saw Mary. (彼がメアリに会ったのは昨日だ)*
* 過去の話なのでisの代わりにwasが使われています (強調構文では過去のことでもisを使うことがありますが、wasを使うのが原則です)
形式主語の文では、that以下に
- “he has a good memory. (彼は良い記憶力を持っている)”
- “he is from China. (彼は中国出身だ)”
という穴のない文が来ていますよね。
一方の強調構文では、that以下に
- “he loves her. (彼は彼女を愛している ⇒herの穴がある)”
- “he saw Mary yesterday. (彼は昨日メアリに会った ⇒yesterdayの穴がある)”
のように、穴が空いているのが特徴です。
“he saw Mary”の方は一見して穴がない(別にhe saw Maryも不完全な文という訳ではない)ので見抜きにくいですが、その場合はIt is thatを取っ払って考えてみましょう。
It is~thatを取っ払い、それで完全な文が現れれば、ひとまず強調構文だと判断できます。(関係代名詞になる場合もありますが、この点は後述します)
今回は”he saw Mary yesterday.”という完全な文が現れるので、これは強調構文だと判断できます。
(It is~thatに挟まれていた部分は、that以下の文のどこかに当てはめることが出来ます)
また、It is~thatの間に挟まれるのが、
- 形式主語では「名詞/形容詞」
- 強調構文では「名詞/副詞」
という品詞の違いがあるので、迷ったらこれも判断の根拠にはなります。
同格のthat vs 関係代名詞
Itを「それ」と訳した方が自然な場合は、「3.同格のthat」「4.関係代名詞」の可能性を考えましょう。(どちらもややレアなケースですが)
両者の区別は、thatの後ろの穴の有無で下します。
同格のthat:It is the fact that he lived in Osaka ten years ago. (それは、彼が10年前大阪に住んでいたという事実だ)
関係代名詞:It is a fact that he does not know. (それは、彼が知らない事実だ)
同格のthatの例文では、
- “he lived in Osaka ten years ago. (彼は10年前大阪に住んでいた ⇒穴がない)”
- “he does not know. (彼は知らない ⇒the factの穴がある)”
ので、それぞれ同格のthat/関係代名詞と判断できるわけです。
おわりに
いかがでしたか? 改めてまとめを再掲します。
thatの後ろ | Itの訳 | It is~thatの間の単語 | |
1.形式主語 | 穴がない | 「それ」と訳せない | 名詞/形容詞 |
2.強調構文 | 穴がある*1 | 「それ」と訳せない | 名詞/副詞 |
3.同格のthat | 穴がない | 「それ」と訳せる | 名詞 *2 |
4.関係代名詞 | 穴がある | 「それ」と訳せる | 名詞 |
*1 間に挟まれている単語をthat以下の文へ入れることが出来れば強調構文
*2 同格のthatを取る名詞は「事実」「情報」「主張」「思考」「感情」「要求」が多い
また、強調構文については下記の記事で詳しく説明していますので、よろしければぜひお読みくださいね。「It is thatを取り除くとなぜ完全な文が現れるのか?」がよくわかると思います。5分ほどで読めるのでぜひ。
【完全版】強調構文の意味・作り方まとめ【疑問詞の強調構文も】
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