今回は単位のtheについて考えてみたいと思います。
単位のtheって?
例えば次のような表現を見てください。すべてtheが付いていますね。
They sell eggs by the dozen.
(彼らは卵をダース単位で売っている)
They sell water by the kilo.
(彼らは水をキロ単位で売っている)
They get paid by the hour.
(彼らは時間単位で支払いを受けている = 時給で給料を支払われている)
今回は、単位の表現でtheが使われている理由をサクッと説明したいと思います。
3分程度で読めますよ!
単位にtheが付く理由
まずはtheの基本的な機能から確認しましょう。
theは、読者が「ああ、それね」と指差せるモノにつきます。
例えば次の例文をご覧ください。読者が「ああ、そのイヌね」と指差すことが出来るので、二度目に出てくるdogにはtheが付いています。
There was a dog, and the dog was barking.
(イヌが一匹いた。そして、そのイヌは吠えていた)
この感覚が単位のtheにも当てはまります。
- by the dozen
- by the kilo
- by the hour
いかがです?
「ダース」「キロ」「一時間当たり」…
単位というのは、社会全体で了解されたものですよね。共通の理解があるわけです。つまり、読者が指差すことができるわけです。
だから、単位の前にはtheが付いているのです。
なるほど!
- by the 単位:単位決めで、単位当たりで
- theが付くのは、読者が指差すことが出来る(みんな共通の認識を持っている)から
口頭ではtheが省略されることもあるほか、by weight「重さによって」という表現にtheは付かない点に注意です。
なぜなら、「weight: 重さ」は単位ではないからですね。
(「重さ」の単位はキロやポンドなどですよね。「鶏肉5キロ分ください」という表現は成り立ちますが、「鶏肉5重さ分ください」という表現は成り立ちませんよね)
おわりに
いかがでしたか?
冠詞もよくよく見ると、奥深いものです。これからも機会があれば積極的に紹介していきたいと思います。
なお、冠詞についてさらに詳しく学びたい方には、aとtheの底力 — 冠詞で見えるネイティブスピーカーの世界がおススメです。
わたしが今まで読んだ冠詞系の本の中で、一番わかりやすい&本質に迫った説明がなされていると感じました。一般の書店にはあまりないのですが、ぜひ一度お読みすることをおススメします。
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