今回はthe stationにtheが付く理由を探ってみたいと思います。
下の例文を丸暗記している方も多いと思いますが、初めて出てきた単語なのに”the station”となっていることに疑問を抱いたことがある方もいるはずです。
Can you tell me how to get to the station?
(駅にどうやって行けばいいか教えてもらえますか?)
いわれてみれば確かに…
今回は、the stationとなる理由をわかりやすく解説してみました。
これがわかると、a stationという表現があり得ることも理解できますよ!
theの基本的な機能
まずはtheの基本的な機能から確認しましょう。
theは、読者が「ああ、それね」と指差せるモノにつきます。
例えば次の例文をみてください。読者が「ああ、そのイヌね」と指差すことが出来るので、二度目に出てくるdogにはtheが付いています。
There was a dog, and the dog was barking.
(一匹のイヌがいた。そして、そのイヌは吠えていた)
これはなんか聞いたことあるかも!
the stationとなる理由
ここまできて、the stationとなることについて、疑問が出てくるはずです。
改めて例文を見てみましょう。
Can you tell me how to get to the station?
(駅にどうやって行けばいいか教えてもらえますか?)
この文の中で、stationという単語は一度しか出てきていないですね。初めて出てきたにもかかわらず、a stationではなく、the stationとなっていますね。
その理由とはずばり、読者が駅を指差すことが出来ることにあります。
このシチュエーションでは、通行人に駅への道を聞いているわけですね。
つまり、ここでは「読者=通行人 (話し相手)」というわけです。
この場合、「駅=最寄り駅」ということは、お互い暗黙の了解として存在しているはずです。札幌駅周辺で駅までの道を聞かれたとき、福岡駅までの行き方を答える人はいませんよね。
つまり、話し相手との間に、「ああ、あの駅だよね」とお互い指差せる状況が生まれているわけです。
そのため、初めて出てきている単語であるにもかかわらず、the stationと表現されているのです。
a stationとなる場合
上記のことがわかっていれば、a stationとなる場合もある(駅だからといって必ずthe stationになるわけではない)ことも理解できるはずです。
次の例文を見てください。
I went to a station while I was in Hungary, and I had an odd experience there.
(ハンガリーにいる間、わたしはある駅に行き、そこで奇妙な体験をした)
上記の例文では、「駅」がどの駅なのか、読者 (=話し相手)との間で、共通の理解が成立していません。指差せないですよね。
そのため、a station(ある駅)と表現されているのです。
※aは「いくつかある中の一つ」という意味を含みます。つまり、上記の例文では「ハンガリーの中の、ある一つの駅」というニュアンスを含んでいます。
おわりに
いかがでしたか? ちょっと奥深い冠詞の話でした。
なお、冠詞についてさらに詳しく学びたい方には、aとtheの底力 — 冠詞で見えるネイティブスピーカーの世界がおススメです。
わたしが今まで読んだ冠詞系の本の中で、一番わかりやすい&本質に迫った説明がなされていると感じました。一般の書店にはあまりないのですが、ぜひ一度お読みすることをおススメします。
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