英語独特の表現に、こんなものがあります。
「take 人 by the 身体部位: 人の身体部位を取る」というものです。
She took him by the arm.
(彼女は彼の腕を取った)
※人=him, 身体部位=armです

どうしてこんなややこしい語順になるの?
「take 身体部位:身体部位を取る」じゃダメなの?
今回は、そんな疑問にサクッとお答えしたいと思います。
take him by the armという語順になる理由
take him by the armという語順になる理由とは?
それはズバリ、「腕をつかむ」ことが補足的な情報であるからです。
次のようなシチュエーションを考えてみましょう。
「彼」が「彼女」へ別れ話を切り出し、「彼女」の前を立ち去ろうとしている。そこで「彼女」は「彼」を引き留めようと、「彼の腕」をつかむ…。
これがまさに、”She took him by the arm.”の状況です。
ここでは、「彼をつかむこと/彼を行かせないこと」が重要なのですね。彼を止められるのであれば、つかむのは腕でなくても良いのです。脚でも顔でもなんでも良いのです。
興味の関心は、彼をつかむことにあるのです。
英文で言えば、”She took him“の部分が非常に重要なのです。あとに続く“by the arm”は補足情報にすぎません。
そのため、
- “She took him (彼をつかんだ)”と、大切な情報を先に述べる
- “by the arm (腕によって)”と、補足情報を最後に述べる
という語順になっているのです。
take his armとなる場合
なお、take his armとなる場合もありますが、その理由は…勘の鋭い方ならお気づきかもしれません。
それは、腕を取ること自体が目的になっている場合です。
次の例文を見てください。
The doctor took his arm to check the pulse.
(脈をチェックするため、医者は彼の腕を取った)
この例文では、腕を取って脈を取ることが非常に重要になっていますね。脚や頭を取るのではダメなわけです。そのため、”take him by the arm”という形になってはいません。
おわりに
いかがでしたか?
丸暗記していた表現も、内容を理解すればスッと頭に入ってきますね!
※ちなみに、”by the 身体部位”のように、theが使われるのにも理由があります。興味のある方は、ぜひ下記の記事をご覧ください。
参考①:【冠詞the】朝昼晩、”catch 人 by the 身体部位”にtheがつく理由
take以外にも、catch/grab/hold(あとはhit/touch/punchなども)が似たような形を取りますが、全て同じ発想で使用されています!
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