今回はmore A than Bについてまとめてみました。
比較級の重要表現ですね。
類似表現もいくつかありますので、そちらも併せて覚えてくださいね。
more A than Bの意味/使い方
more A than Bで「BというよりむしろA」という訳になります。
つまり「A>B」ってことです。thanが「~より」という意味を持つことを考えると、「A>B」という訳になることも納得ですね。
例文はコチラ。AやBには原級(-erではないフツーの形)が入ることに注意してください。
She is more pretty than beautiful.
(彼女は、美しいというよりもむしろ可愛い
= 「可愛い>美しい」という関係)
他には、AやBに名詞が入るパターンもあります。
She is more a physicist than a mathematician.
(彼女は、数学者というよりもむしろ物理学者だ
= 「物理学者>数学者」という関係)
more A than Bの類似表現まとめ
more A than Bにはいくつか類似表現があるので、これを機会に押さえておきましょう。
・more A than B*:BというよりむしろA(A>B)
= rather A than B
= A rather than B
= more of A than B (←A, Bが名詞のときのみ)
= less B than A
= not so much B as A
* ちなみに、than以下の「主語+be動詞」が省略されない場合は、more Aではなく、”A-er”のように、普通の比較級の形にする
覚えられるかなあ…
一つずつ理解すれば大丈夫です。例文付きで丁寧に見ていきましょう。
rather A than B / A rather than B
rather A than BやA rather than Bでも「BというよりむしろA」という訳になります。
ratherは「やや、いくぶん」といった意味の副詞です。thanとよく結びつきます。
結局は「A>B」ということですね。thanに注目すると「A>B」の関係が見抜きやすいです。
まずはA、Bに形容詞が入るパターン
She is rather pretty than beautiful.
= She is pretty rather than beautiful.
(彼女は、美しいというよりも可愛い
= 「可愛い>美しい」という関係)
そして、AやBに名詞が入るパターンです。
She is rather a physicist than a mathematician.
= She is a physicist rather than a mathematician.
(彼女は、数学者というよりもむしろ物理学者だ
= 「物理学者>数学者」という関係)
ちなみに、than以下の「主語+be動詞」が省略されない場合は、more Aではなく、”A-er”のように、普通の比較級の形を使います。
This book is more wide than tall.
= This book is wider than it is tall.
(この本は、縦より横の方が長い)
more of A than B (A, Bが名詞のときのみ)
more of A than Bで「BというよりむしろA」訳になります。
この表現は、AとBが名詞のときしか使用できないので注意してください。
例文です。AとBに名詞が入っています。
She is more of a physicist than a mathematician.
(彼女は、数学者というよりもむしろ物理学者だ
= 「物理学者>数学者」という関係)
ちなみに、ofには「~の性質を持つ」という意味合いがあります。a man of courageで「勇気のある男」とか。
今回のmore of A than Bを直訳すれば、「Bという性質よりも、Aという性質をより持っている」くらいになるでしょうか
A of Bで「BのA」という訳が基本ですが、これは「元々所属していたBから、Aだけが分離した」というコアイメージを持っているんですね。このことから、ofが「~の性質を持つ」という意味を持つようになりました。
(参考図)ofのコアイメージ
なお、ofのさらに詳しい説明は【本質から理解!】前置詞ofのイメージとはにあるのでぜひ目を通してみてください。自分で言うのもなんですが、かなり面白いです。
less B than A
less B than Aで「BというよりむしろA」という訳になります。AとBの位置関係が逆になっていることに注意してください。
lessは比較表現に頻出の単語ですが、「より~でない」という否定的な意味を持っています。つまり、「より~だ」というmoreとは位置関係が逆になるんです。
more A than Bで「A>B」だったのが、
less B than Aで「B<A」となるんですね。
なぜなら、lessの直後のBが、lessによって弱められてしまっているからです。less B than Aを直訳すると「A以上に、Bは~ではない」なので、「B<A」という関係が成り立っていますね。
以上を押さえたうえで、例文を見ていきましょう。
まずはA、Bに形容詞が入るパターン
She is less beautiful than pretty.
(彼女は、美しいというよりも可愛い
= 「美しい<可愛い」という関係)
そして、AやBに名詞が入るパターンです。
She is less a mathematician than a physicist.
(彼女は、数学者というよりもむしろ物理学者だ
= 「数学者<物理学者」という関係)
not so much B as A
not so much B as Aで「BというよりむしろA」という訳になります。やはり、more系の表現とはAとBの位置関係が逆になっていることに注意してください。
なんでこんな訳になるの?
まず、ベースにあるのがA as~as B 「AとBは同じくらい~だ」という表現であることを押さえてください。「A=B」という関係ですね。
これが否定文で使われると、一つ目のasがsoに変化することがあります。(asのままでもOKですが)
そして、A not so~as Bで「AはBほど~ではない」という意味になるんです。「A<B」という関係ですね。
notが近くのAを否定したことで、「A=B」だった関係が、「A<B」という関係に変わるんです。Aが否定されて、Aだけが弱くなってしまうんです。
Aが否定されて、
Aだけが弱くなっちゃうんだね…
その通りです。今回の表現も同じ。
not so much B as Aも、notの近くにあるBだけが否定されています。その結果、「B<A」という関係になるんですね。訳も「BというよりむしろA」と、「B<A」の関係を反映したものになっています。
コレを理解したうえで、例文を見ていきましょう。
まずはA、Bに形容詞が入るパターン
She is not so much beautiful as pretty.
(彼女は、美しいというよりも可愛い
= 「美しい<可愛い」という関係)
そして、AやBに名詞が入るパターンです。
She is not so much a mathematician as a physicist.
(彼女は、数学者というよりもむしろ物理学者だ
= 「数学者<物理学者」という関係)
おわりに
いかがでしたか? 一見難しい表現も、一つずつ理屈で考えていけば簡単に覚えられそうですね。文章で出てきても面食らうことはなさそうです。
大切なのは、和訳を丸暗記するのではなく、表現をイメージで覚えること。比較の表現であれば、「>」や「=」といった記号を頭の中に思い浮かべてみると、理解しやすいと思います。
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