こんにちは、講師のNです。
今回はonceの用法をまとめたいと思います。簡単なようで、様々な使い方のあるonce。これを機会にぜひマスターしてくださいね。
onceの主な意味・用法
まずは全体像を示します。品詞別にとらえると理解がスムーズです。
- 【副詞①】一度、一回(倍数用法含む)
- 【副詞②】かつて
- 【接続詞】一度~すると、~するとすぐに
- at once:①すぐに(=right now)、②同時に(=at the same time)
- once again:再び again
- once in a while:ときどき sometimes
- once upon a time:昔々
- once (and) for all:この一回限りで、これっきり(andは省略可)
* 熟語は全て副詞として機能
例文付きで一つずつ見ていきましょう。
onceの副詞、接続詞用法
まずはonceが単独で使われるパターンからです。
【副詞①】一度、一回(倍数用法も)
これが最もポピュラーな使い方かもしれません。
I have not seen him once. (わたしは一度も彼に会ったことがない)
The World Cup Games are held once every four years. (ワールドカップは、四年に一度開かれます)
ちなみに、倍数詞としての数え方でもonceを使います。下記のような数え方を聞いたことがありませんか?
once(一度、一倍)
twice(二度、二倍)
three times(三度、三倍)
four times(四度、四倍)
three以降は、timesとセットで使用します。倍数表現という名の通り、「~は…の〇倍大きい」のような倍数表現で登場する表現です。
This apple is twice as large as that one. (このリンゴは、あのリンゴの2倍大きい)
【副詞②】かつて
これは一般動詞の前、be動詞・助動詞の後ろに置いて使用します。「notと同じ位置に置く」と覚えると混乱せずに済みますね。
I once lived in Tokyo. (わたしはかつて東京に住んでいた)
The song was once very popular. (その歌はかつてとても人気だった)
The birds could once be seen in Japan. (その鳥は、かつて日本で見ることができた)
【接続詞】一度~すると、~するとすぐに
こちらは接続詞としての使い方です。once SV, S’V’の形で、「一度SVすると、S’V’だ」という訳になります。
Once you pay the money, it cannot be paid back. (一度お金を支払うと、そのお金は返金されません)
Things got better once I found a job. (仕事を見つけるとすぐ、状況がよくなった)
熟語での使用(at once, once in a whileなど)
こちらもサクサク見ていきましょう。
at once:①すぐに、②同時に
at onceで「①すぐに」「②同時に」という意味になります。なぜこの訳になるか、単語の成り立ちから考えてみましょう。
atは「~で、~に」という意味の、点のイメージを持った前置詞なんですね。at onceを直訳すると「一度で、一度に」でしょうか。
二つの物事が「一度に」起こるので「すぐに」、「同時に」という意味になります。
そういえば、at the same timeも「同時に」という意味を持つ熟語です。やはりここでも、atが使われていますね。
Clean your room at once (=right now)! (すぐに部屋を掃除しなさい!)
Don’t do several things at once (=at the same time). (複数のことを同時にするな)
なお、allがat onceを強調したall at onceという表現もあります。all at onceは「①突然」、「②一斉に、同時に」の意味を持ちます。
「①すぐに」を強調すれば「①突然」、
「②同時に」を強調すれば「②一斉に、同時に」ですね。
once again:再び
once againで「再び」です。
直訳すると「再びもう一度」とかでしょうか。割と直訳そのままの意味になっていますね。
I will ask you once again. (わたしはあなたにもう一度お尋ねするでしょう)
once in a while:ときどき
once in a whileで「ときどき」です。なぜこのような訳になるのでしょう?
inは「~で」という訳が充てられることも多いですが、inはatに比べて広がりを持った表現です。また、whileには「しばらくの間」という意味があります。
once in a whileを直訳すると、「しばらくの間で一度」ですね。そのため「ときどき」という意味になるわけです。
I go to the cinema once in a while. (わたしはときどき映画に行きます)
(= I sometimes go to the cinema.)
なお、everyがonce in a whileを強調し、every once in a whileという表現もあります。意味はほぼ同じです。(「ときどき」という意味です)
once upon a time:昔々
昔話の定番表現ですね。
uponはonと同じで「~の上に、ある特定の日に」、timeは「時代」の意味になります。「ある特定の日」を示すときには、onを使ったりするんですね。on his birthdayとか。
つまり「かつて、ある特定の時代に」ということで、「昔々」という昔話定番の表現になるわけです。
Once upon a time, there lived a prince named John. (昔々、ジョンという名の王子様がおりました)
once (and) for all:この一回限りで、これっきり
once (and) for allで、「この一回限りで、これっきり」という意味になります。andは省略可能ですが、基本的には省略しないパターンの方が多いです。
直訳すると「全てのために、一度」となりましょうか。だから「この一回限りで、これっきり」という訳になるわけですね。
Settle the problem once and for all. (今回限りで、その問題を解決しよう)
まとめ
いかがでしたか?意外と幅広い”once”を使った表現ですが、単語の成り立ちを考えれば、丸暗記せずに済みますね!
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