今回は準動詞をざっくり解説してみたいと思います。
準動詞とはざっくり
- 不定詞(to V)
- 動名詞(Ving)
- 現在分詞・過去分詞(Ving / Vp.p.)
- 分詞構文(Ving / Vp.p.)
のことですが、同じ形なのに意味がコロコロ変わるので、苦手な人も多い分野です。
しかし、今回は全体像を超わかりやすく&ざっくり説明してみたいと思います。この記事をきっかけに、準動詞理解のきっかけになればうれしいです。
※ちなみに、今回の記事はあくまで原則の話です。超細かい例外等の話はカットしてありますのであしからず。
【全体像まとめ】準動詞とは?
そもそも準動詞ってなんなのでしょう。まずは全体像をつかんでみましょう。
ざっくりいうと、「動詞っぽいけど、動詞ではない単語」のことを準動詞と言います。
「準優勝」も「優勝っぽいけど、優勝ではない」という意味だね!
その通りです。「準優勝」という言葉は、「優勝の一歩手前」という意味で使われていますよね。「準動詞」も同じです。「動詞の一歩手前、動詞に見えるけど動詞ではない」ということです。
そして、準動詞の形として、
- to V
- Ving (動名詞・現在分詞)
- Vp.p. (過去分詞)
の三つがあります。
どれもV (動詞)っぽいですが、直前にtoがついたり、語尾が-ingに変わったりしたために、動詞とは少し違う性質を帯びるようになったのです。
そして、準動詞の全体像を理解するときは、品詞を手掛かりに考えるとすっきりします。
to V | Ving | Vp.p. | |
名詞 | 〇 | 〇 | × |
形容詞 | 〇 | 〇 | 〇 |
副詞 | 〇 | 〇 | 〇 |
準動詞を理解する際は、
- 名詞(「Vするコト」になっているか?)
- 形容詞(「近くの名詞を修飾」しているか?)
- 副詞(「その他の意味」になっているか?)
という順序で考えていくと良いです。
名詞
まずは名詞のカタマリから。
to VやVingが文中に出てきたら、まずは「Vするコト」と訳せないか考えてみましょう。Vp.p.(過去分詞)は原則名詞になることがないので、ここでは除外します。
「Vするコト、Vするコト…」
たとえば下記のような例文です。どれも「Vするコト」と訳して違和感がありませんね。つまり、名詞のカタマリとして働いていると考えられます。
To study English is interesting.
Studying Englishis interesting.
(英語を勉強することは(S)、楽しい)
My hobby is to study English.
My hobby is studying English.
(わたしの趣味は英語を勉強することだ(C))
I started to study English.
I started studying English.
(わたしは英語を勉強することを(O)始めた)
I passed the exam by to study English.I passed the exam by studying English.
(わたしは英語を勉強することによって(前置詞のO)その試験に通った)
英語が苦手な方は、とりあえず「Vすること」と訳せることがわかればOKです。「Vすること」と訳せるto Vは「不定詞の名詞用法」、Vingは「動名詞」という文法用語で呼ばれているのですね。
しかし、もし余裕があれば、下記の事項も押さえておけると良いです。
- to V (不定詞)はS, C, Oになる
- Ving (動名詞)はS, C, O, 前置詞のOになる
- Oの位置で使われた場合、to VとVingで意味が大きく変わることが多い
本記事はあくまで準動詞の全体像を説明する目的なので、これ以上は突っ込みませんが、もし興味があれば、下記の記事もお読みいただくと、ここら辺の理解がグッと進みます。
- 前置詞のOになるVingの表現まとめ:【完全版】動名詞Vingを使った熟語/定型表現まとめ【全32選】
- to VとVingの意味の違い:【イメージでわかる】不定詞to V/動名詞 Vingの意味の違い
形容詞
次は形容詞のカタマリです。「Vするコト」と訳すと違和感がある場合、次に形容詞の可能性を疑ってみます。
形容詞の場合、近くに名詞があることがポイントです。形容詞とは名詞を修飾(=詳しく説明)する品詞のことです。たとえば、「a big apple (大きなリンゴ)」は、「apple (リンゴ)」という名詞を説明している「big (大きな)」が形容詞です。
そして、ここで注意すべきは以下の二点です。
<意味>
- to V : Vするための/するべき/する
- Ving : Vしている
- Vp.p. : Vされた (受動)/ Vしてしまった (完了)
<位置>
- to V: 名詞の後ろ
- Ving / Vp.p. : 一語なら名詞の前 / 二語以上なら名詞の後ろ
まずは意味ですね。
- to V : Vするための/するべき/する
- Ving : Vしている
- Vp.p. : Vされた (受動)/ Vしてしまった (完了)
と変化します。
特にVp.p.は注意が必要です。Vp.p.は受動態の他、現在完了でも使用されますね。その感覚がここでも生きているため、文脈次第では「Vしてしまった」と「完了」の意味を持つことがあります。
さらに、名詞の前/後ろのどちらに置かれるのかも重要です。カタマリが一語なら名詞の前、二語以上なら名詞の後ろというルールがあります。to Vの場合、「”to”と”V”で必ず二語以上になる」ために、必ず名詞の後ろに置かれるのですね。
以下は例文です。意味と位置関係に注意してみてください。全て、近くにある名詞を修飾(=詳しく説明)しています。なお、赤字は修飾されている名詞、下線部は形容詞のカタマリを示します。
<to V (後ろから修飾)>
I have no time to study English.
(わたしは英語を勉強するための時間がない)
<Ving / Vp.p. (前から修飾)>
Look at the running boy.
(走っている少年を見なさい)
Look at the broken toy.
(壊れたおもちゃを見なさい)
<Ving / Vp.p. (後ろから修飾)>
Look at the boy running in the park.
(公園の中を走っている少年を見なさい)
Look at the toy broken by him.
(彼によって壊されたおもちゃを見なさい)
副詞(to V)
最後に副詞のカタマリです。名詞でもない、形容詞でもない…ときたら、最後に行きつくのが副詞です。副詞に関しては、to VとVing/Vp.p.で説明を別にします(ちょっとだけ成り立ちが違うので)。
ここでは、ひとまずto Vについて説明します。
to Vの副詞用法はいろいろな意味を持ちますが、基本的には文脈判断です。ただ、ある程度の傾向は存在するため、以下のまとめに参考程度に記載してみました。
- 目的:Vするために(一番多いパターン / 文末か文頭に多い)
- 判断の理由:Vするだなんて、Vするとは(直前に「馬鹿だ/天才だ」等、なんらかの判断がある)
- 感情の原因:Vして~な気持ちになる(直前に感情表現がある)
- 形容詞/副詞修飾:Vするには「形容詞/副詞」だ(直前に形容詞/副詞)
- 結果:そしてその結果Vする(前から訳していく) ※
- 条件:もし~したら(文頭が多い)
※ 結果の意味になりやすい動詞表現は下記の通り。自分の意志でコントロールできない動詞に多い。
・grow up to be~: 成長して~になる
・live to be~: ~まで生きる(≒生きて、~する)
・wake up to find(see/discover): 目が覚めて~だと気づく(わかる/発見する)
・awake to find(see/discover): 目が覚めて~だと気づく(わかる/発見する)
各特徴に注目しつつ、例文を見ていきましょう。
まずは「目的:Vするために」です。これが一番多いパターンです。まずはこの訳が当てはまるのでは?と考えてみましょう。文頭か文末に多いです。
I got up early to study English.
(英語を勉強するために、私は早起きした)
「判断の理由:Vするだなんて、Vするとは」です。直前に「馬鹿だ/天才だ」等、なんらかの判断を伴います。
He must be foolish to do such a thing.
(そのようなことをするとは、彼は愚かに違いない)
「感情の原因:Vして~な気持ちになる」です。直前に感情表現を伴います。
He was surprised to hear the news.
(その知らせを聞いて、彼は驚いた)
直前の「形容詞や副詞を修飾するパターン」です。直前に形容詞や副詞を伴います。
This problem is difficult to solve.
(この問題は解くのが難しい)
「結果:そしてその結果Vする」です。文を前から訳していく点がポイントです。
自分の意志でコントロールできない動詞が使われている場合、「結果」の意味になりやすいです。100%当てはまる法則という訳ではありませんが、知っておいて損はないと思います。
一般的に結果の意味になる動詞表現は下記の通りです。
- grow up to be~: 成長して~になる
- live to be~: ~まで生きる(≒生きて、~する)
- wake up to find(see/discover): 目が覚めて~だと気づく(わかる/発見する)
- awake to find(see/discover): 目が覚めて~だと気づく(わかる/発見する)
たしかに、grow/live/wake up/awakeは、自分の意志でコントロールしづらい動詞ですよね。これらの動詞を使った例文は下記の通りです。
He grew up to be a doctor.
(彼は成長して、医者になった)
He lived to be one hundred.
(彼は百歳まで生きた ≒彼は生きて、百歳になった)
He woke up to find himself lying on the floor.
(彼は目が覚めて、自身が床に寝転んでいると気がついた)
「条件:もし~したら」です。文頭で使用されやすいです。
To hear him talk, you would take him for a foreigner.
(彼が話すのを聞けば、彼のことを外国人だと思うでしょう)
副詞(Ving / Vp.p.)
Ving / Vp.p.の副詞のカタマリです。副詞のカタマリのVing / Vp.p.のことを分詞構文と呼びます。
準動詞の副詞のカタマリを考えるときは、「何を修飾しているか?」ということはあまり考えなくてもよいと思います。ざっくり形と意味がわかればOKです。
<位置>
- Ving~, … . / …, Ving~. のように、カンマで区切られることが多い
<意味>
- Ving: Vしている/Vする
- Vp.p. : Vされる/Vされて
⇒上記に加え、カンマの部分に接続詞(when/if/though/and等…)を文脈に合うように適当に補う
ものすごくざっくり言ってしまうと、VingやVp.p.の前後がカンマで切れていれば、副詞用法の可能性が高いです。
かつ、準動詞のカンマの前後には接続詞が省略されているため、カンマの前後に適当に接続詞(when/if/though/and等…)を補いましょう。文がうまくつながればなんでもOKです。
Crossing the street, you will see a church on your left.
(道を渡れば(if省略)、左側に教会があります)
Seeing me, he cried loudly.
(私を見て(when省略)、彼は大声で叫んだ)
He studied hard, passing the exam.
(彼は一生懸命勉強をして、(and省略)試験に合格した)
Seen from space, it looks like a face.
(遠くから見られると(if省略)、それは顔のように見える)
ちなみに、分詞構文の詳しい成り立ち・説明は下記の記事で説明しているので、よろしければどうぞ。数分でサクッと理解できます。
まとめ
いかがでしたか? 最後に今回のポイントを再掲したいと思います。
まずは全体像です。
to V | Ving | Vp.p. | |
名詞 | 〇 | 〇 | × |
形容詞 | 〇 | 〇 | 〇 |
副詞 | 〇 | 〇 | 〇 |
名詞のポイントです。
- to V (不定詞)はS, C, Oになる
- Ving (動名詞)はS, C, O, 前置詞のOになる
- Oの位置で使われた場合、to VとVingで意味が大きく変わることが多い
形容詞のポイントです。
<意味>
- to V : Vするための/するべき/する
- Ving : Vしている
- Vp.p. : Vされた (受動)/ Vしてしまった (完了)
<位置>
- to V: 名詞の後ろ
- Ving / Vp.p. : 一語なら名詞の前 / 二語以上なら名詞の後ろ
副詞のポイントです。
- 目的:Vするために(一番多いパターン / 文末か文頭に多い)
- 判断の理由:Vするだなんて、Vするとは(直前に「馬鹿だ/天才だ」等、なんらかの判断がある)
- 感情の原因:Vして~な気持ちになる(直前に感情表現がある)
- 形容詞/副詞修飾:Vするには「形容詞/副詞」だ(直前に形容詞/副詞)
- 結果:そしてその結果Vする(前から訳していく) ※
- 条件:もし~したら(文頭が多い)
※ 結果の意味になりやすい動詞表現は下記の通り。自分の意志でコントロールできない動詞に多い。
・grow up to be~: 成長して~になる
・live to be~: ~まで生きる(≒生きて、~する)
・wake up to find(see/discover): 目が覚めて~だと気づく(わかる/発見する)
・awake to find(see/discover): 目が覚めて~だと気づく(わかる/発見する)
<位置>
- Ving~, … . / …, Ving~. のように、カンマで区切られることが多い
<意味>
- Ving: Vしている/Vする
- Vp.p. : Vされる/Vされて
⇒上記に加え、カンマの部分に接続詞(when/if/though/and等…)を文脈に合うように適当に補う
今回の記事である程度全体像をつかんだうえで、細かい表現は少しずつ補っていけると良いですね!
当ブログでも準動詞形の表現は多数扱っているので、下記の目次ページからぜひ目を通してみてくださいね。
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