今回は「promise O to V: OにVするよう約束する」という形がなぜおかしいか?
これを徹底検証してみたいと思います。
XX O to Vという形を取る動詞はたくさんありますが(コチラの記事参照)、
promise O to Vは少し事情が異なるのですね。
その理由もちゃんとあります。今回は、それをじっくり探ってみましょう。
promise O to Vがダメな理由
promise O to Vがダメな理由は、文全体の主語とto Vの主語が一致しているからです。
これが結論です。

意味ワカラン
例えば、XX O to Vを取る動詞の代表例、tellやaskを見てみましょう。
tell O to Vは「OにVするよう言う」
ask O to Vは「OにVするよう頼む」という意味を持ちます。
He told me to carry the box.
(彼は私にその箱を運ぶよう言った)
He asked me to carry the box.
(彼は私にその箱を運ぶよう頼んだ)
ここで、to carry (to V)の部分の動作主について考えてみてください。
「to carry: 運ぶ」のは誰ですか?

「わたしに運ぶよう言った/頼んだ」だから、
運ぶのは「わたし」かな?
その通りです。
XX O to Vの形を取る動詞の場合、Oとto Vの間に「Oがto Vする」という関係が成り立っています。
一方、仮にpromise O to Vを「OにVするよう約束する」の意味で使った場合はどうでしょう?
例文を出すと、下記のようになります。
He promised me to carry the box.
(彼はわたしにその箱を運ぶと約束した)
上記の文で、to Vの動作主は誰になっていますか?

「彼はわたしにその箱を運ぶと約束した」だから、
to carryするのは「彼」かな。
その通りです。
つまり、Oとto Vの間に「Oがto Vする」という関係が成り立っていないのですね。
(me to carryの間に、「わたしが運ぶ」という関係が成り立っていません)
これが冒頭に述べたpromise O to Vがダメな理由は、文全体の主語とto Vの主語が一致しているからという記述の意味です。
他のXX O to Vという表現と比べ、promiseの場合はOとto V間に「Oがto Vする」という関係が成り立っていないので少し異質、つまり、一般的には認められていない表現となるのですね。
そのため、一般的にはpromise O to Vの代わりに、下記のような表現を用います。
NG: He promised me to carry the box.
⇒OK: He promised me that he would carry the box.
(彼はわたしにその箱を運ぶと約束した)
⇒OK: He promised to carry the box.
(彼はその箱を運ぶと約束した)
細かい知識ですが、本質を理解できていれば暗記はそれほど難しくないはずです。
XX O to V系の主な動詞は下記の記事にまとめてあるので、それとあわせて違いをマスターしてくださいね。
なお、よく質問を受けるのですが、「おススメの文法書を3つ挙げろ」と言われたら、
がダントツでおススメです。
何か疑問があれば、真っ先に調べるのがロイヤル英文法です。当ブログでも、「この記述で大丈夫かな?」と不安になることがあれば、よく活用させて頂いています。
重たいので持ち運びには向いていませんが、ロイヤル英文法(kindle版)も持っていると便利です。わたしは紙版とkindle版の両方を所持しています。
※ kindle版を読むにはアプリが必要ですが、スマホ/PCをお持ちであれば、アプリ自体は無料でダウンロードできます。
現代英文法講義は、ロイヤル英文法で解決しなかった疑問を解消してくれることがあるので重宝しています。また、少し違った角度から説明を与えてくれることもあるので、ロイヤルと併用しています。
教師のためのロイヤル英文法はややレベルの高い文法書ですが、教える立場からすると「なるほど」というような構成になっています。語法等の細かい知識も網羅しています。2020年現在、一般の書店で見かけることはなく、ネットでも中古しか見当たらないのが残念。
その他、分野別におススメ参考書等が気になる方はコメント欄で質問して頂いても構いませんし、当ブログの参考書カテゴリーでは、気になった書籍・勉強法を紹介しています。
それでは!
コメント