今回はthe door of the roomとa door of the roomの違いを考えてみたいと思います。
自分で英作文を付けるとき、「theを付けるべきか否か?」と迷うことも多いはずです。
どちらを使うべきなのか? また、その意味は?
わかりやすくサクッと説明してみたいと思います。
the door of the room/a door of the roomの意味の違い
the door of the room/a door of the roomの意味の違いは下記の通りです。
- the door of the room:その部屋の扉(=部屋に扉は一つだけ)
- a door of the room:その部屋の一つの扉(=部屋に扉はいくつかある)
the doorのパターンでは、その部屋に扉は一つしかないことを示唆します。
なぜかというと、theが付く名詞は、「みんなが指させるもの(読者/作者の間で共通認識が成り立っているもの)」に付くからです。
the door of the roomは、文の冒頭でもいきなり使われ得る(直前にa doorという単語が出てきていなくても使われ得る)表現ですが、それは「みんなが指させるとき」に限られます。
文の読み手と書き手の間に共通認識が成り立っていて、双方が「ああ、あの扉のことね」とその扉を指差せるとき、theが付くのです。
つまり、文の冒頭からいきなりthe doorになっているということは、扉が一つしかないことを示唆します。なぜなら、仮に扉が二つ以上あるのであれば、「ああ、あの扉ね」という共通認識が成り立たないからです。
一方で、a doorというパターンでは、文の読み手と書き手の間に共通認識が成り立っていません。なぜなら、部屋に扉が二つ以上あるので、「どの扉の話をしているのかわからない」という状況を示唆しているためです。
なお、初出の名詞にいきなりtheを付ける用法は、of/that(関係代名詞)などに多いです。
例えば今回のthe door of the roomで言えば、後ろの「~of the room: 部屋の~」というカタマリが、直前の名詞doorを限定することになるためです。
後ろにof the roomとくれば、「ああ、その部屋の話をしているのね」と、
名詞doorがなんのことなのか、ほぼ自動的に決まってきますよね。
そのため、theが付くことが多いのですね。
おわりに
いかがでしたか? 冠詞の世界は奥が深いですが、わかってくると楽しくなってきます。
aやtheの大まかなイメージをまとめた記事は下記にあります。「なぜそこでa/theが付くのか?」という疑問にかなり広くお答えできる内容になっているので、ぜひご一読くださいね。
【超決定版】aの意味・用法まとめ【a Mr. Sato/a week/a Picasso他】
【超決定版】theの意味・使い方まとめ【the past/the right/in the morning/by the hour他】
また、冠詞についてさらに詳しく学びたい方には、aとtheの底力 — 冠詞で見えるネイティブスピーカーの世界がおススメです。
わたしが今まで読んだ冠詞系の本の中で、一番わかりやすい&本質に迫った説明がなされていると感じました。一般の書店にはあまりないのですが、ぜひ一度お読みすることをおススメします。
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