こんにちは、今回は関係代名詞についてのまとめです。
関係代名詞は、あるときは省略が起き、あるときは〇〇が使えない…など意外とルールが多い分野です。これを機会に、一網打尽にしてしまいましょう。
なお、関係代名詞ってそもそもなに?という方は、下記の記事もご参照ください。
【全体像】関係代名詞の種類と用法
まずは全体像を示しつつ、関係代名詞のそれぞれ制約をまとめてしまいます。
さらっと読み流してくださいね。各項目については、のちほど詳しく説明します。
【関係代名詞のみのパターン】
先行詞 | 主格 | 目的格 | 所有格 | 補語 |
① 人
| who 省略不可
| whom* 省略可
| whose, of whom 省略不可 | – |
② 動物+モノ | which 省略不可
| which 省略可
| whose, of which 省略不可 | – |
③ 人、動物+モノ | that 省略不可 | that 省略可 | – | that 省略可 |
④ what | what 省略不可 | what 省略不可 | – | what 省略不可 |
* 先行詞「人」で「目的格」のときは、whomが正しいとされています。ただ、最近ではwhoも許容されてきています。というよりは、筆者がビジネスシーンでネイティブ相手にwhomを使ったら「堅苦しすぎ」と苦笑いされました。日常ではwhoでも全く問題ないでしょう。試験ではwhomを使うのが無難と思いますが。
【前置詞+関係代名詞のパターン】
基本は「前置詞 which」「前置詞 whom」の形のみ
- 先行詞 前 whom/which~:基本形
- 先行詞 ~前:whomを省略した形
- 先行詞 who/which~前:toとwhoを離した形
- 先行詞 that~前:toとwhomを離した形でのみthat使用可(!)
* 3, 4の形はあまり使われず、関係代名詞が省略されるのが一般的。
<to whomでの例文一覧>
The girl to whom he was talking (彼が話しかけていた女の子)
= the girl he was talking to
= the girl who he was talking to
= the girl that he was talking to
なお、表の中の「先行詞」は関係代名詞の先行詞の種類、「主格~補語」は関係代名詞のカタマリ内(関係代名詞節内)での関係代名詞の位置を示します。
たとえばthe girl whom I loveという文であれば、 関係代名詞whomは目的格の位置にある、と言えます。
who, which, that単独【主格】
まずは、who, which, thatが主格で単独使用されるパターンを説明します。
次の例文を見てください。先行詞と、who~以下の文に注目です。
I know a man who lives in Barcelona.
(わたしは、バルセロナに住んでいる男を知っている)
原則として、関係代名詞の直前にあるものが先行詞です。直前にあるのはa man「男」ですね。つまり、先行詞は人です。
次に文を全体を見てください。関係代名詞が使われている文は、関係代名詞の前後で文を2つに分けられるんです。
I know a man who lives in Barcelona.
- I know a man. (わたしは男を知っている)
- A man (= who) lives in Barcelona. (男はバルセロナに住んでいる)
ポイントは、2つめの文でa manが主語になっていることです。実はwhoというのは、a manを指していたんですね。2つの文で共通する単語が、関係代名詞で置き換えられるのです。今回で言えば「2つめのa man = who」というわけです。
そして、a manは、2つめの文で主語に置かれていますね。2つの文を1つにまとめるとき、2つめのa manがwhoになります。主語に置かれている単語が関係代名詞になったとき、それを主格の関係代名詞と呼ぶのです。だから、今回のwhoは主格の関係代名詞です。
ここで冒頭の表を見てください。
先行詞 | 主格 |
① 人 | who 省略不可 |
② 動物+モノ | which 省略不可 |
③ 人、動物+モノ | that 省略不可 |
先行詞が「人」で「主格」のとき使用できるのは…whoとthatですね。
なので、今回の文はthatでも言い換え可能です。
I know a man who lives in Barcelona.
= I know a man that lives in Barcelona.
(わたしは、バルセロナに住んでいる男を知っている)
先行詞a manが関係代名詞who~のカタマリに修飾されている、という構造ですね。
一方、先行詞がモノ・動物であれば、関係代名詞はwhichかthatになります。
A dictionary is a book which gives you the meaning of words.
= A dictionary is a book that gives you the meaning of words.
(辞書とは、言葉の意味を教えてくれる本である)
なお、主格の関係代名詞では、関係代名詞の省略は原則NGです。
who, which, that単独【目的格】
who, which, thatが目的格で単独使用されるパターンです。例文を見てみましょう。
まずは先行詞が人のパターン。whomかthatを使います。
John is a man whom everyone knows.
= John is a man that everyone knows.
(ジョンは、みなが知っている男である)
文を2つに分けると、両方に共通するa manという単語のうち、2つめのa manが目的語の位置に来ていることがわかります。目的格の関係代名詞ということがわかりますね。
John is a man whom everyone knows.
- John is a man. (ジョンは男だ)
- Everyone knows a man(= whom). (皆が男を知っている)
次は先行詞が動物・モノのパターン。whichかthatを使います。主格の時もそうでしたが、目的格でもthatは全て置き換え可能なんですね、ベンリです。
This is a pen which he bought yesterday.
= This is a pen that he bought yesterday.
(これは、彼が昨日買ったペンである)
なお、冒頭の表(関係する部分だけ下に貼り付けました)にもある通り、目的格の関係代名詞は全て省略可能です。ここが主格の関係代名詞との大きな違いです。
先行詞 | 目的格 |
① 人 | whom 省略可 |
② 動物+モノ | which 省略可 |
③ 人、動物+モノ | that 省略可 |
whose, of which単独【所有格】
whose, of whom, of whichが所有格で単独使用されるパターンです。例文を見てみましょう。
まずは先行詞が人のパターン。
I know a man whose house is very large.
(わたしは、家がとても大きい男を知っている)
これは少しわかりづらいかもしれません。2つの文に分解してみましょう。
I know a man whose house is very large.
- I know a man. (わたしは男を知っている)
- A man’s (=whose) house is very large. (彼の家はとても大きい)
whoseはA man’s (男の)に該当しますね。これを所有格と呼びます。「~の」に当たる部分です。有名どころだと、my, your, his, herなんかが挙げられます。所有格として使われている場合、関係代名詞はwhoseになるのです。
そして、次は先行詞が動物・モノのパターン。この場合、whoseかof whichが使えます。
I know a house whose roof is red.
= I know a house the roof of which is red.
(わたしは、屋根が赤い家を知っている)
同じく2つの文に分解してみましょう。
I know a house whose roof is red.
- I know a house. (わたしは家を知っている)
- The house’s (=whose) roof is red. (その家の屋根が赤い)
I know a house the roof of which is red.
- I know a house. (わたしは家を知っている)
- The roof of the house (=which) roof is red. (その家の屋根が赤い)
冒頭の表から、所有格の用法部分のみを抜き出しました。
所有格のときは省略ができないんですね。たしかに直感的にも、whoseがなくなったら文の形がわかりにくくなりそうです。
あとは、主格、目的格では万能だったthatが所有格では使用できない点にも注意です。
先行詞 | 所有格 |
① 人 | whose 省略不可 |
② 動物+モノ | whose, of which 省略不可 |
③ 人、動物+モノ | – |
that単独【補語】
関係代名詞thatが補語で単独使用されるパターンです。なんと、ここで使えるのはthatだけなんですね。whoやwhichはダメなんです。見落としがちなので要注意です。
He is not a good player that he was five years ago.
(彼は、5年前のような良い選手ではない)
関係代名詞thatが補語になっているとはどういうことか? 分解して見てみましょう。
He is not a good player that he was five years ago.
- He is not a good player. (彼は良い選手ではない)
- He was a good player (=that) five years ago. (彼は5年前、良い選手だった)
He was a good playerの部分に注目です。コレ、SVCの構文ですね。a good playerはCの部分にきています。
で、a good playerが関係代名詞thatに置き換わっているんです。つまり、thatはC、補語の位置にきているというわけです。
このように、補語の位置に関係代名詞が来るときは、thatしか使用できません。意外な落とし穴なので要注意です。
なお、このthatは省略可(省略されることが多い)です。
先行詞 | 補語 |
① 人 | – |
② 動物+モノ | – |
③ 人、動物+モノ | that 省略可 |
前置詞+関係代名詞
前置詞+関係代名詞のパターンです。関係代名詞の部分にくるのはwhomかwhichだけです。
例文で見てみましょう。まずは先行詞が人のパターンです。
This is the girl to whom he talked yesterday.
(こちらが、彼が昨日話しかけていた女の子だ)
なぜのこのような形になるのか?
分解して見てみましょう。
This is the girl to whom he talked yesterday.
- This is the girl. (こちらがその女の子だ)
- He talked to the girl (=to whom) yesterday. (昨日彼は、その女の子に話しかけた)
to whomの正体は、to the girlです。「~に話しかける」はtalk toなので、toが頭についているんです。
なお、to whomは次の通り書きかえることが出来ます。toとwhomが離れたり、whomが省略されたりされます。一般的にto thatはNGなんですが、toとthatが離れるとOKになってしまいます。ただ、後ろの2つはあまり一般的ではないので、参考程度で。
(註:参考書のネクステージなんかでは、後ろの2つのパターンをないものとして扱っています。ただ、ロイヤル英文法には載っていたので、今回一応紹介しました)
This is the girl to whom he talked yesterday. (基本形)
= This is the girl he talked to yesterday. (whom省略)
= This is the girl who he talked to yesterday. (toとwhomを離した形)
= This is the girl that he talked to yesterday. (toとthatを離した形)
(こちらが、彼が昨日話しかけていた女の子だ)
一応、先行詞が動物・モノのパターンも紹介しておきます。やはり、後半2つはあまり一般的な表現ではないです。
This is the house in which I was born.
= This is the house I was born in. (which省略)
= This is the house which I was born in. (inとwhichを離した形)
= This is the house that he was born in. (inとthatを離した形)
(こちらが、わたしが生まれた家だ)
関係代名詞what = the thing/the person that
ラストは関係代名詞whatです。これはちょっと特殊です。
what自身が先行詞を含み、名詞のカタマリ(=名詞節)を作るのです。what = the thing/the perstonと考え、「~するコト/人」と訳すとよいです。名詞のカタマリを作り、文中では主語、目的語、前置詞の目的語、補語になります。
例文はコチラです。まずは「コト」からです。
I don’t believe what he says.
= I don’t believe the thing which he says.
(わたしは、彼が言うコトを信じない)
分解するとこんな感じです。
I don’t believe what he says.
= I don’t believe the thing which he says.
- I don’t believe the thing. (わたしはそのコトを信じない)
- He says the thing (=which). (彼はそのコトを言う)
He says the thingを見てわかる通り、後ろの文の中でwhat (=the thing that)は目的格になっています。the thingが目的語の位置にきていますからね。
また、「人」の意味で解釈できることもあります。
He is not what he was.
= He is not the person that he was.
(彼は、昔の彼ではない
= 彼は彼がだった人ではない)
となります。
補語の場合はやや特殊で、慣用表現のようなものと覚えるのが良いでしょう。what he isなら「現在の彼(直訳: 彼が今である人)」、what he wasなら「昔の彼 (直訳: 彼がだった人)」です。
では、what he will beなら?
「将来の彼」ですね!
おわりに
いかがでしたか? ひと通り読んだうえで最初のまとめを読み返すと、「なるほど!」となりませんか?
英語は慣れです。ある程度輪郭をつかんだら、あとはひたすら文法問題を解く、文章を読むなどして、関係代名詞に親しんでくださいね。
【関係代名詞のみのパターン】
先行詞 | 主格 | 目的格 | 所有格 | 補語 |
① 人
| who 省略不可
| whom* 省略可
| whose, of whom 省略不可 | – |
② 動物+モノ | which 省略不可
| which 省略可
| whose, of which 省略不可 | – |
③ 人、動物+モノ | that 省略不可 | that 省略可 | – | that 省略可 |
④ what | what 省略不可 | what 省略不可 | – | what 省略不可 |
* 先行詞「人」で「目的格」のときは、whomが正しいとされています。ただ、最近ではwhoも許容されてきています。というよりは、筆者がビジネスシーンでネイティブ相手にwhomを使ったら「堅苦しすぎ」と苦笑いされました。日常ではwhoでも全く問題ないでしょう。試験ではwhomを使うのが無難と思いますが。
【前置詞+関係代名詞のパターン】
基本は「前置詞 which」「前置詞 whom」の形のみ
- 先行詞 前 whom/which~:基本形
- 先行詞 ~前:whomを省略した形
- 先行詞 who/which~前:toとwhoを離した形
- 先行詞 that~前:toとwhomを離した形でのみthat使用可(!)
* 3, 4の形はあまり使われず、関係代名詞が省略されるのが一般的。
<to whomでの例文一覧>
The girl to whom he was talking (彼が話しかけていた女の子)
= the girl he was talking to
= the girl who he was talking to
= the girl that he was talking to
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