【接続詞】unlessの意味/使い方 -if notとの違い/仮定法/will

形容詞・副詞

 

今回は接続詞unlessを紹介します。

 

訳は「~しない限り」ですが、実はコレ、厳密にはif notとは少し違う表現なのです。

 

一体どういうことなのでしょうか?

 

unlessの意味/使い方まとめ

まずは基本から。unlessの用法と注意点をざっくりまとめます。

 

unlessの用法と注意点
  1. 「~unless SV: SVしない限り、~」と訳す。unlessは例外について述べる表現(≒if not、厳密には =except if)
  2. 品詞は接続詞。副詞のカタマリ (副詞節)を作る。文末にくるのが普通だが、文頭にきても良い
  3. unless内で、willは使用出来ない
  4. unlessは、仮定法では使用出来ない
  5. unlessは、主節でなんらかの感情が表されているとき使用出来ない
  6. unless内に否定文があるとき、if notとの書き換えは出来ない

 

 

うーん…

わかったような、わからないような…

 

 

下記で具体的に見ていきましょう。

 

厳密には”unless = if not”ではない。”unless = except if”が正しい

まずは例文を見てください。

I will go out unless it rains.

Unless it rains, I will go out.

(雨が降らない限り、わたしは外へ出る)

 

辞書や参考書なんかでは、「unless≒if not」と記述されています。下記の例文では、ニュアンスの違いは多少あるにせよ、たしかに「unless⇔if not」で置き換えが出来ています。

I will go out unless it rains.

(雨が降らない限り、わたしは外へ出る)

 

≒ I will go out if it does not rain.

(もし雨が降らなければ、わたしは外へ出る)

 

 

 

文法書や辞書を見ると、多くのモノはunless≒if notとしているんですね。たしかに、多くの場合unlessとif notで置き換え可能なので、その理解で差し支えありません。

 

ただ、下記の例文ではif notの代わりにunlessを使用することは出来ません。

〇:He drives too fast. I will be surprised if he does not have an accident.

(彼は速く運転しすぎる。彼が事故を起こさないのであれば、わたしは驚くだろう)

 

×:He drives too fast. I will be surprised unless he has an accident.

(彼は速く運転しすぎる。彼が事故を起こさない限り、わたしは驚くだろう)

 

 

 

というのも、unlessは例外について述べる表現なのですね。unlessを使用してよいのか迷ったら、下記のように考えてみてください。

  • ~unless SV: SVしない限り、~だ = 原則~だ。ただし、SVする場合を除いて

 

たとえば、下記の例文を見てください。「原則~」と考えても違和感ありませんね。

I will go out unless it rains.

(雨が降らない限り、わたしは外へ出る

= わたしは原則外出する。ただし雨が降る場合を除いて)

 

 

一方、下記の例文を見てください。

×:He drives too fast. I will be surprised unless he has an accident.

×:He drives too fast. I will be surprised except if he has an accident.

(彼は速く運転しすぎる。彼が事故を起こさない限り、わたしは驚くだろう

= わたしは原則驚くだろう。ただし彼が事故を起こす場合を除いて)

 

「わたしは原則驚く」というのがまず変です。「何が起ころうと常に驚く」人間がいたら結構ヤバいですね。

 

しかし、そのヤバい人間が驚かない瞬間というのが1つだけあって、それが「彼が事故を起こす場合」なのです。彼が事故を起こした瞬間、驚くのを止めてスッと真顔に戻る…そんな人間、普通は存在しませんね。

 

 

なお、厳密にはunless=except ifです (オックスフォード現代英英辞典 第10版にはそのように記載されています)。たしかに、except ifは「~する場合を除き」という訳になるので、unlessの「~しない限り」という、例外の表現とは相性が良いですね。

 

unless内でのwillはNG

unless内でwillを使うのはNGです。先ほどの例文をもう一度見てください。

 

I will go out unless it rains.

(雨が降らない限り、わたしは外へ出る)

 

≒ I will go out if it does not rain.

(もし雨が降らなければ、わたしは外へ出る)

 

unless it rainsの部分に注目です。明日なのか明後日なのか、いつの話をしているのかわからないけれど、この文は未来の話をしていますね。

 

「(未来に)雨が降らない限り、(未来に)わたしは外へでる」。こういうことを言っているわけです。

 

だから、I will go outの部分ではwillを使用しているんですね。未来の話をしているわけなので、未来の出来事について話せるwillを使用しているのです。

 

 

一方、unless it rainsの部分では、未来の話をしているのにもかかわらず、willを使用していないのです一体どういうわけか?

 

それは、時・条件の副詞節内ではwillを使用できないという大原則があるためです。「~しないかぎり」というのは、まさに条件の意味ですよね。

 

例文をよくよくみると、ifの中身にもwillは使われていません。これもやはり、時・条件の副詞節内ではwillを使用できないという大原則があるためです。

 

仮定法でのunless使用はNG

「unless≒if not, unless=except if」としていますが、これはあくまで条件法としての使用に限ります。下記のような仮定法の文では、unlessを使用することは出来ません。

 

If I did not have money, I would not go abroad.

(もしわたしがお金を持っていなければ、海外には行かないだろう)

 

 

なお、条件法と仮定法の違いは下記の記事でも紹介しています。興味のある方はそちらをお読みくださいね。

参考①:【本質理解】仮定法を基礎からやり直し

参考②:条件の接続詞まとめ【suppose, providing, on condition等】

 

主節でなんらかの感情が表わされているとき、unless使用はNG

主節でなんらかの感情が表されているとき、unlessの使用はNGです。if not→unlessの置き換えは出来ません。

 

〇:I will be surprised if he does not come.

もし彼が来ないのなら、わたしは驚くでしょう)

 

×:I will be surprised unless he does not come.

彼が来ない限り、わたしは驚くでしょう)

 

主節というのは、I will be surprisedの方ですね。「もし~なら→…だ」というように、この文はあくまで「…だ」の方が本体なのです。本体だから主節、というわけです。

 

それで、主節で感情表現が使用されている場合、unlessの使用は不可なんですね。例文を見てもわかります。×の方は、日本語で考えても不自然です。その直感的な理解をそのまま英語に持ち込んで良いです。これは、英語でも不自然な表現なのです。

※ちなみに、「厳密には”unless = if not”ではない。”unless = except if”が正しい」の項目で解説した点とも通じるところがありますね

 

unless内に否定文があるとき、if notとの書き換えは出来ない

unless内に否定文があるとき、unless→if notの書き換えは出来ません。例文で見てみましょう。

 

Don’t ask me unless you don’t understand.

君が理解していない場合を除いて、わたしに尋ねるな)

 

Don’t ask me if you don’t understand.

もし君が理解していないのなら、わたしに尋ねるな)

 

 

if notを使った文でも意味は成り立っており、間違った表現ではないですが、unlessとは内容が全く異なってしまっていますね。

 

  • unlessは「理解していない場合を除いて(≒理解していないなら)→尋ねて良い」
  • if notは「理解していないなら→尋ねるな」

となっています。全く逆の内容ですね。

 

※やはり「厳密には”unless = if not”ではない。”unless = except if”が正しい」と通じるところがあると思います。

 

おわりに

いかがでしたか? unlessが持つ「例外について述べる」という感覚を理解できていれば、うまく話がつながるところも多いですね!

 

unlessの用法と注意点
  1. 「~unless SV: SVしない限り、~」と訳す。unlessは例外について述べる表現(≒if not、厳密には =except if)
  2. 品詞は接続詞。副詞のカタマリ (副詞節)を作る。文末にくるのが普通だが、文頭にきても良い
  3. unless内で、willは使用出来ない
  4. unlessは、仮定法では使用出来ない
  5. unlessは、主節でなんらかの感情が表されているとき使用出来ない
  6. unless内に否定文があるとき、if notとの書き換えは出来ない

 

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