今回は接続詞unlessを紹介します。
訳は「~しない限り」ですが、実はコレ、厳密にはif notとは少し違う表現なのです。
一体どういうことなのでしょうか?
unlessの意味/使い方まとめ
まずは基本から。unlessの用法と注意点をざっくりまとめます。
- 「~unless SV: SVしない限り、~」と訳す。unlessは例外について述べる表現(≒if not、厳密には =except if)
- 品詞は接続詞。副詞のカタマリ (副詞節)を作る。文末にくるのが普通だが、文頭にきても良い
- unless内で、willは使用出来ない
- unlessは、仮定法では使用出来ない
- unlessは、主節でなんらかの感情が表されているとき使用出来ない
- unless内に否定文があるとき、if notとの書き換えは出来ない
うーん…
わかったような、わからないような…
下記で具体的に見ていきましょう。
厳密には”unless = if not”ではない。”unless = except if”が正しい
まずは例文を見てください。
I will go out unless it rains.
≒ Unless it rains, I will go out.
(雨が降らない限り、わたしは外へ出る)
辞書や参考書なんかでは、「unless≒if not」と記述されています。下記の例文では、ニュアンスの違いは多少あるにせよ、たしかに「unless⇔if not」で置き換えが出来ています。
I will go out unless it rains.
(雨が降らない限り、わたしは外へ出る)
≒ I will go out if it does not rain.
(もし雨が降らなければ、わたしは外へ出る)
文法書や辞書を見ると、多くのモノはunless≒if notとしているんですね。たしかに、多くの場合unlessとif notで置き換え可能なので、その理解で差し支えありません。
ただ、下記の例文ではif notの代わりにunlessを使用することは出来ません。
〇:He drives too fast. I will be surprised if he does not have an accident.
(彼は速く運転しすぎる。彼が事故を起こさないのであれば、わたしは驚くだろう)
×:He drives too fast. I will be surprised unless he has an accident.
(彼は速く運転しすぎる。彼が事故を起こさない限り、わたしは驚くだろう)
というのも、unlessは例外について述べる表現なのですね。unlessを使用してよいのか迷ったら、下記のように考えてみてください。
- ~unless SV: SVしない限り、~だ = 原則~だ。ただし、SVする場合を除いて
たとえば、下記の例文を見てください。「原則~」と考えても違和感ありませんね。
I will go out unless it rains.
(雨が降らない限り、わたしは外へ出る
= わたしは原則外出する。ただし雨が降る場合を除いて)
一方、下記の例文を見てください。
×:He drives too fast. I will be surprised unless he has an accident.
×:He drives too fast. I will be surprised except if he has an accident.
(彼は速く運転しすぎる。彼が事故を起こさない限り、わたしは驚くだろう
= わたしは原則驚くだろう。ただし彼が事故を起こす場合を除いて)
「わたしは原則驚く」というのがまず変です。「何が起ころうと常に驚く」人間がいたら結構ヤバいですね。
しかし、そのヤバい人間が驚かない瞬間というのが1つだけあって、それが「彼が事故を起こす場合」なのです。彼が事故を起こした瞬間、驚くのを止めてスッと真顔に戻る…そんな人間、普通は存在しませんね。
なお、厳密にはunless=except ifです (オックスフォード現代英英辞典 第10版にはそのように記載されています)。たしかに、except ifは「~する場合を除き」という訳になるので、unlessの「~しない限り」という、例外の表現とは相性が良いですね。
unless内でのwillはNG
unless内でwillを使うのはNGです。先ほどの例文をもう一度見てください。
I will go out unless it rains.
(雨が降らない限り、わたしは外へ出る)
≒ I will go out if it does not rain.
(もし雨が降らなければ、わたしは外へ出る)
unless it rainsの部分に注目です。明日なのか明後日なのか、いつの話をしているのかわからないけれど、この文は未来の話をしていますね。
「(未来に)雨が降らない限り、(未来に)わたしは外へでる」。こういうことを言っているわけです。
だから、I will go outの部分ではwillを使用しているんですね。未来の話をしているわけなので、未来の出来事について話せるwillを使用しているのです。
一方、unless it rainsの部分では、未来の話をしているのにもかかわらず、willを使用していないのです。一体どういうわけか?
それは、時・条件の副詞節内ではwillを使用できないという大原則があるためです。「~しないかぎり」というのは、まさに条件の意味ですよね。
例文をよくよくみると、ifの中身にもwillは使われていません。これもやはり、時・条件の副詞節内ではwillを使用できないという大原則があるためです。
仮定法でのunless使用はNG
「unless≒if not, unless=except if」としていますが、これはあくまで条件法としての使用に限ります。下記のような仮定法の文では、unlessを使用することは出来ません。
If I did not have money, I would not go abroad.
(もしわたしがお金を持っていなければ、海外には行かないだろう)
なお、条件法と仮定法の違いは下記の記事でも紹介しています。興味のある方はそちらをお読みくださいね。
参考②:条件の接続詞まとめ【suppose, providing, on condition等】
主節でなんらかの感情が表わされているとき、unless使用はNG
主節でなんらかの感情が表されているとき、unlessの使用はNGです。if not→unlessの置き換えは出来ません。
〇:I will be surprised if he does not come.
(もし彼が来ないのなら、わたしは驚くでしょう)
×:I will be surprised unless he does not come.
(彼が来ない限り、わたしは驚くでしょう)
主節というのは、I will be surprisedの方ですね。「もし~なら→…だ」というように、この文はあくまで「…だ」の方が本体なのです。本体だから主節、というわけです。
それで、主節で感情表現が使用されている場合、unlessの使用は不可なんですね。例文を見てもわかります。×の方は、日本語で考えても不自然です。その直感的な理解をそのまま英語に持ち込んで良いです。これは、英語でも不自然な表現なのです。
※ちなみに、「厳密には”unless = if not”ではない。”unless = except if”が正しい」の項目で解説した点とも通じるところがありますね
unless内に否定文があるとき、if notとの書き換えは出来ない
unless内に否定文があるとき、unless→if notの書き換えは出来ません。例文で見てみましょう。
Don’t ask me unless you don’t understand.
(君が理解していない場合を除いて、わたしに尋ねるな)
Don’t ask me if you don’t understand.
(もし君が理解していないのなら、わたしに尋ねるな)
if notを使った文でも意味は成り立っており、間違った表現ではないですが、unlessとは内容が全く異なってしまっていますね。
- unlessは「理解していない場合を除いて(≒理解していないなら)→尋ねて良い」
- if notは「理解していないなら→尋ねるな」
となっています。全く逆の内容ですね。
※やはり「厳密には”unless = if not”ではない。”unless = except if”が正しい」と通じるところがあると思います。
おわりに
いかがでしたか? unlessが持つ「例外について述べる」という感覚を理解できていれば、うまく話がつながるところも多いですね!
- 「~unless SV: SVしない限り、~」と訳す。unlessは例外について述べる表現(≒if not、厳密には =except if)
- 品詞は接続詞。副詞のカタマリ (副詞節)を作る。文末にくるのが普通だが、文頭にきても良い
- unless内で、willは使用出来ない
- unlessは、仮定法では使用出来ない
- unlessは、主節でなんらかの感情が表されているとき使用出来ない
- unless内に否定文があるとき、if notとの書き換えは出来ない
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