今回は仮定法過去と仮定法過去完了について解説します。
Ifを使って、事実とは異なる話をする際用いる表現ですね。
記事は5分程度で読めますよ!
仮定法の基礎まとめ
まずはざっと確認してみましょう。下の表を見てください。
もし~なら | ~だろう | |
現在 | If S 過去形~, * | S’ would V’~ ** |
過去 | If S had Vp.p.~, | S’ would have V’p.p.~ ** |
* be動詞の場合、主語に関係なくwereを使うのが普通です。(wasは試験だと減点される危険があります)
** 助動詞はwouldのほか、could, might, shouldなどが使われることもあります
注意すべきは、本来の時制から一つ後ろに時制がずれている点ですね。
次の例文を見てください。
If I were you, I would go to the party.
(もしわたしが君なら(現在)、わたしはそのパーティーへ行くのに(現在))
「現在わたしが君なら、現在そのパーティーへ行くのに」と、
現在の話をしているのに、were, wouldと過去形を使用しています。
このように、時制を後ろにずらすことで「現実にはありえないこと」感を出しているわけですね。
同じように、過去の話を仮定法で表現するときはさらに後ろに時制をずらし、過去完了形とwould have Vp.p. (過去分詞)を使います。
If I had been you, I would have gone to the party.
(もしわたしが君だったら(過去)、わたしはそのパーティーへ行っていたのに(過去))
※現在に対する仮定を「仮定法過去」、過去に対する仮定を「仮定法過去完了」と呼びます。使われている時制がそれぞれ、「過去形」と「過去完了形」だからですね。まぎらわしいので、個人的にこの名称はあまり好きではないですが…笑
If it rains tomorrow, I will play tennis.との違い
ここまで読んできた方であれば、次の二つの例文の違いはわかるでしょうか? 時制に注目です。
If I were you, I would go to the party.
(もしわたしが君なら(現在)、わたしはそのパーティーへ行くのに(現在))
If it rains tomorrow, I will play tennis.
(もし明日雨が降れば、わたしはテニスをしない)
上の文は仮定法が使われていますね。
「わたしがもし君なら」と現実にはあり得ない仮定を置いています。そのため、時制が一つ後ろにずれています。
一方、下の文はどうでしょう?
「もし雨が降れば」と現実に起こるかもしれない仮定をしています。そのため、時制がずれていない (通常通りの使われ方をしている)のです。
なお、would以外の助動詞が使われることも当然あります。以下はcouldが使われている文です。
If I were a bird, I could fly to you.
(もしわたしが鳥なら(現在)、わたしは君のところへ飛んでいくのに(現在))
現在と過去の組み合わせ
さて、これまでの例文は「現在+現在」「過去+過去」の組み合わせでしたね。
- ~なら (現在)、~だ (現在)
- ~だったら (過去)、~だっただろう(過去)
ただ、実際には「過去+現在」、「現在+過去」の組み合わせも存在します。
- ~だったら (過去)、~だ (現在)
- ~なら (現在)、~だっただろう(過去)
例文で見てみましょう。「過去+現在」の組み合わせです。
If I had studied harder, I would be rich now.
(もしわたしがもっと一生懸命勉強していたら(過去)、わたしは今ごろお金持ちだろうに(現在))
次は「現在+過去」の組み合わせです。これは比較的まれです。
If I knew the fact, I would have told you then.
(もしわたしがその事実を知っているなら(現在)、わたしはその時君に言っていただろう(過去))
おわりに
いかがでしたか?
仮定法攻略のカギは、とにかく時制に注意することです。
本来使うべき時制から一つ後ろにずらし、「現実にはあり得ないことだけど感」を出すのが仮定法と理解しておけば、仮定法の分野は八割くらい攻略したようなものですよ!
なお、よく質問を受けるのですが、「おススメの文法書を3つ挙げろ」と言われたら、
がダントツでおススメです。
何か疑問があれば、真っ先に調べるのがロイヤル英文法です。当ブログでも、「この記述で大丈夫かな?」と不安になることがあれば、よく活用させて頂いています。
重たいので持ち運びには向いていませんが、ロイヤル英文法(kindle版)も持っていると便利です。わたしは紙版とkindle版の両方を所持しています。
※ kindle版を読むにはアプリが必要ですが、スマホ/PCをお持ちであれば、アプリ自体は無料でダウンロードできます。
現代英文法講義は、ロイヤル英文法で解決しなかった疑問を解消してくれることがあるので重宝しています。また、少し違った角度から説明を与えてくれることもあるので、ロイヤルと併用しています。
教師のためのロイヤル英文法はややレベルの高い文法書ですが、教える立場からすると「なるほど」というような構成になっています。語法等の細かい知識も網羅しています。2020年現在、一般の書店で見かけることはなく、ネットでも中古しか見当たらないのが残念。
その他、分野別におススメ参考書等が気になる方はコメント欄で質問して頂いても構いませんし、当ブログの参考書カテゴリーでは、気になった書籍・勉強法を紹介しています。
それでは!
コメント
[…] 過去記事:【本質理解!】仮定法を基礎からやり直し […]
[…] ・【本質理解!】仮定法を基礎からやり直し【If I were you, If I had been you】 […]
[…] 参考:【本質理解!】仮定法を基礎からやり直し […]
[…] 【本質理解!】仮定法を基礎からやり直し【仮定法過去、仮定法過去完了とは?】 […]
[…] 【本質理解!】仮定法を基礎からやり直し […]
[…] 【本質理解!】仮定法を基礎からやり直し […]
[…] 【本質理解!】仮定法を基礎からやり直し【仮定法過去、仮定法過去完了とは?】 […]