思い付きで新企画を始めます。
その名も…
歌から学ぶEnglish!!!
文法・語法ってきくと皆さん「うへえ」って顔しますよね。そこで、この不肖・講師N、画期的な方法を編み出しました。
そう、洋楽から文法事項を学んでしまおうというわけです。なんかもう、半世紀以上も前には誰かが思いついていたような手法です。
けれど、いいものはいい。
楽しい! 直感的に理解できる! ついでにリスニング力も上がっちゃう!
一石三鳥、一粒で三度おいしい。まさにグ〇コのキャラメルです。
なので、前振りが長くなりましたが、今回は「不定詞の副詞的用法(目的)」を学びます。
題材は、ブルース・スプリングスティーンの『ボビー・ジーン』 (Bruce Springsteen “Bobby Jean”)です。
不定詞の全体像
まずは簡単に不定詞の全体像を列挙しておきましょう。
不定詞ってのは、”to V(動詞)”の形のことです。なんとなく見たことがある方も多いんじゃないでしょうか。
で、ずばり、不定詞にはざっくり次の3つの用法があります。
不定詞の主な用法
- 名詞的用法
- 形容詞的用法
- 副詞的用法
上の二つはそのうち扱うとして、今回はCの副詞的用法を取り上げたいと思います。
なぜなら、副詞的用法って一番ごちゃごちゃしているんですよね。覚える数も多くて面倒ですし。
で、Cの副詞的用法へスポットライトを当てると、さらに次のように分かれます。
不定詞の副詞的用法一覧
- 目的(~するために)
- 判断の理由(~するだなんて)
- 感情の原因(~して…な気持ちになった)
- 条件(もし~したら)
- 結果(そしてその結果~)
- 形容詞の修飾
どうです? 吐き気がしてきましたね?
かくいうわたし自身、「こんなにあったのか!」と驚愕しております。
果たしてわたしは全ての用法を洋楽に見出すことが出来るのか、おそらく読者のみなさん以上にドキドキしています。
しかし、まずはやってみましょう。
今回は副詞的用法のうち、最もメジャーなもの。「不定詞の副詞的用法(目的)」を扱います。Let’s Try!
筆者の趣味丸出しだね。
ボビージーン【不定詞の副詞的用法(目的)】
不定詞の副詞的用法(目的)の訳は、「~するために」
これは副詞的用法の中では最も頻繁に出てきます。英語の文章とかで使われているのは、大体この用法です。
で、今回題材にするのはブルース・スプリングスティーンの『ボビー・ジーン』
誤解を恐れずに言えば、スプリングスティーンはアメリカの長渕剛です。マッチョな感じで、超カッコイイ。
長渕剛が10のカッコ良さだとすれば、スプリングスティーンは100。つまり、強化版・長渕、長渕剛の完全上位互換というわけなのです。
野球選手の引退試合で歌ったりするのかな
そんなマッチョな男の歌の中でも、特に心を打つのが『ボビー・ジーン』
ボビー・ジーンというのは、友人の名前です。
スプリングスティーンの体験に基づくのかはわかりませんが、高校生であるボビー・ジーンは、なんと家出をしてしまうのです。社会クソくらえ!と家を出てしまうわけですね。
で、主人公(=スプリングスティーン?)はボビー・ジーンの友人なんです。親友なんです。にもかかわらず、いろいろあったのでしょう。ボビー・ジーンは主人公に何も言わず姿を消してしまったのです。
しかし、主人公はそれに対して恨み言は一切吐かない。代わりに、「お前がいなくてさみしい、最後サヨナラを言いたかった」と曲の中で歌うんです。全身全霊、魂を込めて。
それで、歌の最後にこう歌うんです(超意訳)。
お前はバスか電車に揺られ、どこか遠くへ行っちまうのかもしれない。
あるいは、どこかの小さな宿で休んでいるのかもしれない。
けれど、その時、お前がそこでラジオを聴いていて、この歌を聴いてくれているならば…
Bruce Springsteen “Bobby Jean”より(以下同様)
ラジオ越しに語りかけているんだね。
そうです。この主人公は、立派なシンガーとして大成しているんです。少なくともラジオに出られるレベルの歌手なんです。 で、主人公は続けます。
俺は、最後にお前にこう言いたい。
お前の決意を変えるためじゃなく、ただ、お前に、俺の気持ちを伝えるために。
じゃあな、達者で、ボビー・ジーン。
はい、ココ注目です。歌の最後、最高の場面で不定詞の副詞的用法(目的)が使われているのです。
英語で見てみましょう。
I’m just calling one last time not to change your mind
But just to say I miss you baby, good luck goodbye, Bobby Jean
まず、”I’m just calling one last time~”は適当に流しましょう。「俺は今、最後にお前にこう呼びかけている」くらいでいいです。
大切なのは次。
~not to change your mind
But just to say I miss you baby, ~
“to change”と”to say”が”to V”の形、つまり不定詞になってますね。
副詞的用法(目的)であれば、基本的な訳は「~するために」
つまり、ここも直訳すると「変えるために」「言うために」という訳になります。
ただ、今回は”not A but B”、「AではなくB」の形になっているので、それも加味して訳すと、「お前の決心を変えるためではなく、お前がいなくて寂しいよと言うために」という感じでしょうか。
不定詞のnotの位置って、結構迷ったりするんですが、今回ついでに学べてしまえましたね。notはtoの直前につけてください。
おわりに
みなさん、いかがでしたか?
本当は一回で副詞的用法をすべて扱ってしまいたかったのですが、曲への思い入れが強すぎて長くなりました。副詞的用法のその他の意味はまた次回以降!笑
コメント