whetherやifには「~かどうか」という意味があります。ほぼ同じような意味です。(ifの方がやや口語的)
ただ、whetherとifの用法に二つの違いがあることは知っていましたか? 実は、「whetherは使えるけど、ifは使えない!」ということがあるんですね。

しらなかった…
この記事では、whetherとifの違いをわかりやすく説明します!
whetherとif(~かどうか)の基本的な使い方
まずは、接続詞whetherとifの基本的な使い方を確認します。
「~かどうか」という意味を持つとき、whetherやifは名詞のカタマリを作ります(文法用語を使うと、名詞節を導きます)。名詞のカタマリは、文の中で主語・補語・目的語・同格として機能します。
例文で見てみましょう。
I asked her whether she liked him.
I asked her if she liked him.
(わたしは彼女に、彼女が彼を愛しているかどうかを尋ねた)
whether/if SVが「SVかどうか」という名詞のカタマリを作っています。
「ask O1 O2:O1にO2を尋ねる」という意味になるのですが、このO2に当たる部分、つまり目的語の部分にwhetherのカタマリが来ているわけですね。
動詞の目的語部分にくるとき、whetherとifのどちらも使用可能です。
whetherとifの違い。ifが使えないパターンとは?
次に、whetherとifの違いを見ていきましょう。whetherは使えるけどifは使えない全5パターンは次の通り。ここが一番重要です。
- 主語や補語になるとき(形式主語使用の場合はifもOK)
- 前置詞の直後に来るとき
- or notが直後にくるとき(語尾にor notがくる場合はifもOK)
- to不定詞が直後にくるとき
- 同格用法のとき
一体どういうことなのか? 下記にて個別に見ていきましょう。
主語や補語になるとき
whether / ifのカタマリが主語や補語に来るとき、ifは使用できません。
Whether he will come is not certain. (彼が来るかどうかは、確かではない)
The problem is whether he will come. (問題は、彼が来るかどうかということだ)
whetherのカタマリが、上の文では主語の部分、下の文では補語の部分に来ています。このときifは使用不可なのですね。
なお、形式主語itを使用した場合は、ifも使用可能です。意味の上ではifのカタマリが主語になるのですが、形の上ではifのカタマリが主語の部分にないためです。
これは盲点なので要チェックです。
It does not matter whether he will come.
It does not matter if he will come.
(彼が来るかどうかは、問題ではない)
なお、「形式主語itについてもっと知りたい!」という方は下記の記事をご覧くださいね。
前置詞の直後に来るとき
前置詞の直後に来るとき、ifは使用不可です。
aboutは「~について」という意味の前置詞です。前置詞の直後なのでifは使用できません。
I am worried about whether he will come.
(わたしは、彼が来るかどうか心配している)
or notが直後にくるとき
or notが直後にくるとき、ifは使用不可です。
I asked her whether or not she liked him.
(わたしは彼女に、彼女が彼を愛しているかどうかを尋ねた)
一方、or notが語尾に来ていればifも使用可能です。
I asked her whether she liked him or not.
I asked her if she liked him or not.
(わたしは彼女に、彼女が彼を愛しているかどうかを尋ねた)
- whether or not ~
- whether ~ or not
- if ~ or not
ちなみに、or notを直訳すると「~か否か」。つまり、whetherやifをより丁寧に言っているだけです。全てのパターンにおいて、or notは省略しても構いません。
to不定詞が直後にくるとき
whetherには直後にto不定詞を持ってきて、「to不定詞するべきかどうか」と訳す用法がありますが、ifではNGです。
I don’t know whether to visit his house.
(わたしは、彼の家を訪ねるべきかどうかわからない)
同格用法のとき
「名詞 whether SV」で「SVするかどうかという名詞」と訳す同格用法がありますが、この用法のときもifは使用NGです。
I have the question whether he knows the secret.
(わたしは、彼がその秘密を知っているのかどうかという疑問を持っている)
おわりに
いかがでしたか? 名詞節としてのwhether, ifは訳が似ているので混同しやすいので、ifが使えないパターンをしっかり押さえましょう。あらためてまとめを再掲しておきます。
- 主語や補語になるとき(形式主語使用の場合はifもOK)
- 前置詞の直後に来るとき
- or notが直後にくるとき(語尾にor notがくる場合はifもOK)
- to不定詞が直後にくるとき
- 同格用法のとき

とりあえずwhetherを使っておけばいいのでは?
そうですね。英作文では、とりあえずwhetherを使っておけば無難だと思います。
なお、副詞節として機能するときは、whether(~であろうとなかろうと)とif(もし~ならば)でまったく違う意味になります。こちらは文脈で判断できると思います。
なお、よく質問を受けるのですが、「おススメの文法書を3つ挙げろ」と言われたら、
がダントツでおススメです。
何か疑問があれば、真っ先に調べるのがロイヤル英文法です。当ブログでも、「この記述で大丈夫かな?」と不安になることがあれば、よく活用させて頂いています。
重たいので持ち運びには向いていませんが、ロイヤル英文法(kindle版)も持っていると便利です。わたしは紙版とkindle版の両方を所持しています。
※ kindle版を読むにはアプリが必要ですが、スマホ/PCをお持ちであれば、アプリ自体は無料でダウンロードできます。
現代英文法講義は、ロイヤル英文法で解決しなかった疑問を解消してくれることがあるので重宝しています。また、少し違った角度から説明を与えてくれることもあるので、ロイヤルと併用しています。
教師のためのロイヤル英文法はややレベルの高い文法書ですが、教える立場からすると「なるほど」というような構成になっています。語法等の細かい知識も網羅しています。2020年現在、一般の書店で見かけることはなく、ネットでも中古しか見当たらないのが残念。
その他、分野別におススメ参考書等が気になる方はコメント欄で質問して頂いても構いませんし、当ブログの参考書カテゴリーでは、気になった書籍・勉強法を紹介しています。
それでは!
コメント
[…] whetherとifの使い分け(~かどうか) […]