今回は、仮定法でifを倒置して省略できる場合について説明したいと思います。
どんな場合でも省略できるわけではないので、ほんの少し注意が必要な表現です。
記事は3分程度で読めますよ!
倒置でifを省略できる場合とは?
まずは全体像をまとめます。
- were, had, shouldを前に出すことで、ifを省略できる
- couldやmightが前に出ることはあまりない。また、didが前に出るのは非標準的
- 否定文ではnotを後ろに残す
具体例
具体的な例文を見てみましょう。
次のように動詞 (were)を前に出すことで、ifを省略出来るのですね。
If I were you, I would go with her.
=
IfWere I you, I would go with her.(もしわたしがあなたなら、わたしは彼女と一緒に行くのに)
shouldも同様です。また、文の後ろ側で倒置が起こることもあります。
I would escape soon if there should be an accident.
= I would escape soon
ifshould there be an accident.(万一事件があれば、わたしはすぐに逃げるだろう)
否定の場合は、notは後ろに残します。notを前に持ってくるのはNGです。
If I had not met her, I would not be here now.
=
IfHad I not met her, I would not be here now.(もしわたしが彼女に出会っていなかったら、わたしは今ここにいないだろう)
※Hadn’t I met her,~は不可
なお、次のような場合、倒置によるifの省略は原則NGです。倒置できるのはあくまでwere, had, should (+could, mightなどの助動詞)の場合のみです。
If I knew her address, I would visit her.
= Did I know her address, I would visit her. ←この倒置は不可!!
(もし彼女の住所を知っていたら、わたしは彼女のもとを訪れる)
倒置でifが不要になる理由
ここからはちょっとした豆知識です。
たとえば“If you should miss the last train, ~ (万一君が終電を逃せば)”という文があるとしましょう。
これを倒置すると”Should you miss the last train, ~”となるわけですが、
「なぜ倒置でifが不要になるのか」は、下記のように考えるとスッキリします。
“Should you miss the last train, ~”
⇒終電を逃すだろうか? それならば~
疑問文の語順になったことで、「それならば~」というニュアンスが出てくるので、
ifがなくとも「~ならば」という意味が保たれるのですね。
おわりに
いかがでしたか?
倒置によるifの省略は結構頻繁に起こります。このパターンが頭に入っていれば、文法問題のみならず、長文読解でも非常に役立ちますよ!
また、仮定法の基礎については下記の記事でまとめています。それぞれ5分以内で読めます。
・【本質理解!】仮定法を基礎からやり直し【If I were you, If I had been you】
・【未来の仮定法】If S were toとIf S shouldの意味の違いとは?
最後までお読みくださりありがとうございました。
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