英語の熟語表現で「~するとすぐに」と聞いたら、”as soon as~”という表現を真っ先に思い浮かべる方も多いでしょう。
今回は「~するとすぐに」の言い換え表現と、その使い方をまとめてみました。
「~するとすぐに」の言い換えまとめ
言い換え表現はコチラ!と言いたいところですが、まずは基本となるas soon asの解説から。
as soon asの用法
まずはas soon as~の使い方を見てみましょう。用法は2つです。
- as soon as possible: 出来るだけ早く
- as soon as SV: SVするとすぐに
例文はコチラ。
- Please give me a reply as soon as possible. (できるだけ早くお返事ちょうだいね)
- He left home as soon as he heard the news. (彼はその知らせを聞くとすぐ、家を出た)
1の方は、頭文字だけをとってasap(アサップ)などというように略されたりもします。この表現はそのまま覚えましょう。
今回、言い換え表現をまとめるのは2の方の言い回し。as soon as SVは「SVするとすぐに」という意味の接続詞です。文と文とをつなぎ、副詞節を作ります。
as soon as言い換え表現
as soon as SVの言い換え表現はコチラ。「瞬間」、「秒」、「分」など、短い時間と関係する単語が多く含まれています。
as soon as SV: SVするとすぐに
= the moment SV(momentは「瞬間」)
= the instant SV(instantは「瞬間」)
= the minute SV(minuteは「分」)
= the second SV(secondは「秒」)
= instantly SV
= immediately SV
= directly SV
the moment SVで例文を作ってみます。(どの表現も使い方は同じです)
The moment he heard the news, he left home. (彼はその知らせを聞くとすぐ、家を出た)
He left home the moment he heard the news. (彼はその知らせを聞くとすぐ、家を出た)
the moment SVのカタマリは、前と後ろのどちらに来てもいいです。前に来たときは、”,(カンマ)”を忘れないようにしてください。
※細かいことを言うと、後ろに持ってきた文の方が情報として「大切」とみなされます。英語では、文の後ろの要素ほど重要視されます。なので、上の例文は「彼が家を出たこと」、下の例文は「知らせを聞くとすぐ」の部分を強調しているというわけですね。
「~するとすぐに」の言い換えまとめ【応用編】
as soon as SVの言い換え表現で、少し難しいですが下記のようなものもあります。
as soon as SV: SVするとすぐに
= S had hardly Vp.p. when S’ V’
= Hardly had S Vp.p. when S’ V’ *
(どちらも、hardly⇒scarcely, when⇒beforeへ単語を変更してもOK)
= S had no sooner Vp.p. than S’ V’
= No sooner had S Vp.p. than S’ V’
S had hardly Vp.p. when S´ V´
まずは一番上の言い回しを解説します。
He had hardly heard the news when he left home. (彼はその知らせを聞くとすぐ、家を出た = 彼が家を出たとき、彼はその知らせをほとんど聞いていなかった)
和訳の後ろの方を見てください。あえて直訳調にしてあります。
出来事の時系列は「had heard (聞いた)→left (出た)」なんですね。
なぜなら、had heardは大過去だからです。heardよりも前に起きているんです。
ただ、had heardにhardlyという単語がくっついています。
hardlyは「ほとんど~していない」という意味の単語です。つまり「had hardly heard→left」という出来事を順番に直訳すると、「ほとんど聞いていなかった→出た」という意味になります。
知らせを聞いた瞬間、「マジで?!」と驚いたのかもしれません。だから、その知らせをほとんど聞くことなく、すぐさま家を出た。だから、「知らせを聞くとすぐ、家を出た」という訳になるんです。
Hardly had S Vp.p. when S´ V´
一番上の言い回しが理解できれば、二番目はカンタンです。
Hardly had he heard the news when he left home. (彼はその知らせを聞くとすぐ、家を出た = 彼が家を出たとき、彼はその知らせをほとんど聞いていなかった)
これ、「hardly: ほとんど~ない」という単語が文頭にくることによって、”he had heard”が”had he heard”と倒置しているんです。否定的な単語が文頭にくると、SとVは逆になるんですね。
S had no sooner Vp.p. than S´ V´
三番目の言い回しも似た要領です。
He had no sooner heard the news than he left home. (彼はその知らせを聞くとすぐ、家を出た = 彼が家を出るのよりも、彼がその知らせを聞いたのは早くなかった)
これも直訳で考えればわかります。
soonerは「より早い」という意味の単語ですが、これがnoによって否定されています。つまり、出来事の時系列は「had heard ≒ left」だといっているわけです。
そのため、「~するとすぐ」という訳になっているわけですね。
No sooner had S Vp.p. than S´ V´
これは倒置が起きたパターンです。「No sooner: 早くない」という否定的な語が文頭に来たために、SVの倒置が起きています。
No sooner had he heard the news than he left home. (彼はその知らせを聞くとすぐ、家を出た = 彼が家を出るのよりも、彼がその知らせを聞いたのは早くなかった)
おわりに
いかがでしたか?
これらの言い回しは、丸暗記ではなく、直訳から考えると覚えやすいです。
並べ替え問題なんかでよく狙われるので、ぜひマスターしてくださいね!
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それでは!
コメント
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[…] ※No sooner ~とHardly (Scarcely)~についてはコチラの記事(【~するとすぐに】 as soon asの言い換えと用法まとめ【had no sooner than】)で詳しく解説しています。 […]