今回は「話す・言う」系の動詞の用法をまとめてみましょう。
speak, talk, tell, sayの違いは、生徒からの質問がメチャクチャ多い分野の一つなんですね。
「文型/目的語/自動詞/他動詞」などなど、種類も様々です。ここではかゆいところに手の届く説明をしていきます!
形から判断する
まずはズバリ、形から違いを考えてみましょう。
ざっくり分けると下記の通り。
- talk, speak:主に自動詞で使用(後ろに直接名詞(目的語)が来ない)
- tell, say:主に他動詞で使用(後ろに直接名詞(目的語)が来る)
なるほど!
シンプルでわかりやすいね!
で、ここを理解出来たら、次は意味の違いから考えてみましょう。
talk, speakの違い
talkとspeakは、どちらも自動詞として使用されるのでした。後ろに直接名詞(目的語)がくることは原則ありません。
talkとspeakの違いは、下記のとおりです。
- talk:双方向的にしゃべること(あるいは打ち解けたイメージ)
- speak:一方的に話すこと(あるいは堅いイメージ)
ただこれ、日本語で考えても納得ですよね。
「トーク番組」は、みんなでワイワイ話をする感じ(打ち解けた感じ)ですし、
「スピーチ(演説)」は、一方的に話をする感じ(フォーマルな感じ)ですよね。
なので、違いを例文で示すと、下記のような感じです。
I talked to him. (私は彼に話しかけた → 気軽な感じ)
I spoke to him. (私は彼に話しかけた → ちょっと堅い感じ)
なお、次のように「聴衆に話しかける場合」はspeakが適切です。
I spoke to the audience. (私はその聴衆に話しかけた → スピーチをするような感じ)
talk, speakの例外
基本を押さえたところで、talk, speakの例外についてまとめましょう。
talk, speakとも自動詞としての使用が基本ですが、他動詞として使われるケースもあります。
その場合、下記のような違いが出てきます。
- talk 人 into Ving:人を説得してVさせる
- talk 人 out of Ving:人を説得してVさせない
- speak 「言語」:「言語」を話す
例文はコチラ。
I talked him into going there. (私は彼を説得してそこへ行かせた)
I talked him out of going there. (私は彼を説得してそこへ行くのをやめさせた)
I can speak Chinese. (私は中国語を話すことが出来ます)
tell, sayの違い
次はtellとsayの違いです。これらは、どちらも他動詞として使われるのでした。後ろに直接名詞(目的語)が来ます。
両者の違いは、下記のとおりです。
- tell:「人」を目的語に取る* & 第4文型**を取ることが出来る
- say:「人ではなく話す内容」を目的語に取る & 第4文型を取ることが出来ない
* 「人」を省略することもあります。
** 第4文型とは、SVOOの形のコトです。
tellの例文はコチラ。目的語の「人」が省略されることもありますが、tell 人 thatの場合は、原則「人」の省略は不可です。*
He told me the story. (彼は私に、その物語を教えた)
He told me that he passed the exam. (彼は私に、彼がその試験に通ったことを教えた)
He told (me) where he was. (彼は(私に)、彼がどこにいるかを教えた)
* that節ではなくwh-節の場合は、「人」を省略することも可能
また、sayの例文はコチラ。「人」を持ってきたい場合は、”to 人”の形を取ります。
He said something. (彼は、何かを言った)
He said something to me. (彼は、私に何かを言った)
tellの例外
tellは基本的に「人」を目的語に取るのでした。
ただ、tellにも「人以外」を目的語に取ることがあるのです。
その場合、通常とはちょっと違った意味になるので、併せて押さえておきましょう。
- tell A from B :AをBと区別する
- tell O:Oだとわかる
- tell a lie :ウソをつく
- tell a joke:冗談を言う
全て「人以外」が目的語の位置にきていますね。
それぞれの例文は下記の通りです。
He cannot tell oranges from lemons. (彼はオレンジをレモンと区別出来ない)
He cannot tell the difference. (彼はその違いがわからない)
He told a lie. (彼は嘘をついた)
He told a joke. (彼は冗談を言った)
まとめ
さて、最後にポイントをまとめてみましょう。
- talk, speak:主に自動詞で使用(後ろに直接名詞(目的語)が来ない)
- tell, say:主に他動詞で使用(後ろに直接名詞(目的語)が来る)
- talk:双方向的にしゃべること(あるいは打ち解けたイメージ)
- speak:一方的に話すこと(あるいは堅いイメージ)
<例外>:他動詞として使われる場合
- talk 人 into Ving:人を説得してVさせる
- talk 人 out of Ving:人を説得してVさせない
- speak 「言語」:「言語」を話す
- speak 「考え/言葉/真実」:「考え/言葉/真実」を離す(speak a few words/her mindなど)
- tell:「人」を目的語に取る & 第四文型を取ることが出来る
- say:「人以外(話す内容)」を目的語に取る & 第四文型を取ることが出来ない
<例外>:tellが「人以外」を目的語に取る場合
- tell A from B :AをBと区別する
- tell O:Oだとわかる
- tell a lie :ウソをつく
- tell a joke:冗談を言う
英文法や英作文の問題のみならず、日常の英会話でも頻出の表現です。
これを機会に、ぜひ知識を整理してくださいね。
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