【決定版】語/句/節の文中への挿入表現まとめ -挿入のルールとは

倒置・否定・省略・強調

 

今回は文中への挿入パターンをまとめてみたいと思います。

 

挿入?

 

 

たとえば下記のようなパターンです。カンマで区切られて、”on the other hand”という表現が挿入されていますね。

Tom is kind. Mary, on the other hand, isn’t kind.

(トムは親切だ。メアリは、一方で、そうではない)

 

 

上記の例文は単純なのでそれほど苦労はしないでしょうが、複雑な文で挿入が起きると、一気に難易度が上がってしまいます。一方、文章を読み解くうえで挿入は避けては通れないプロセスです。

 

挿入をうまく訳すためにはどうすればよいのか? 本記事を読んで、ワンランク上の読解力を目指しましょう!

 

語/句/節の文中への挿入表現まとめ

語/句/節の文中への挿入表現まとめは下記の通りです。

 

ポイント

★大原則

  • 挿入とは、独立的に文中に挿入され、説明や注釈などをつけること
  • 区切りの記号はカンマやダッシュ、かっこ
  • 上記の記号で挟まれた部分は挿入部分
  • 挿入のせいで構造が取りづらいときは、一度挿入部分を取り払って考えてみる

 

 

★語・句・節の挿入パターン

※節は「SV-を含むカタマリ」、句は「SV-を含まない単語のカタマリ」、語は「一語だけの単語」です。

 

<語の挿入パターン>

  • 直前の名詞の言い換え

 

<句の挿入パターン>

  • 直前の名詞の言い換え
  • 前置詞のカタマリ
  • 分詞構文
  • 独立不定詞:needless to say (言うまでもなく)、so to speak (いわば)、strange to say (奇妙なことに)、to begin with (まず第一に)、to be sure (確かに)、to do a person justice (公平に評すれば)、to make matters worse (さらに悪いことに)、to make a long story short (かいつまんで話せば)、to say the least of it (控えめに言っても)、to tell the truth (実を言うと)
  • その他慣用的な表現:after all (結局は)、as a matter of fact (実は)、as a result (結果として)、as a rule (概して)、by the way (ところで)、for example/for instance (たとえば)、in a sense (ある意味では)、in fact (実は)、in general (一般に)、in other words (言い換えれば)、in short (つまり)、let me see (ええと)、on the contrary (それどころか)、on the whole (概して)、on the other hand (一方で)、that is (to say) (つまり)

 

<節の挿入パターン>

  • that SV-を伴う表現:S think/believe/say/know/suppose/hear/fear/hope/regret/remember/understand/it seems/it appears/it is said/it is reported/it is rumored
  • 副詞節の挿入:as、if、though、what、whateverなど
  • 定型表現:as it were (いわば)、as it is (実際のところは/そのまま)、as far/long as SV-(SV-する限り)
  • 関係詞の非制限用法
  • 注釈的な挿入

 

 

具体的に一つずつ見ていきましょう。

 

大原則

まずは挿入の大原則からです。

 

挿入とは、カンマやダッシュなどを伴い、文に説明や注釈などを添える表現です。

Tom is kind. Mary, on the other hand, isn’t kind.

(トムは親切だ。メアリは、一方で、そうではない)

 

 

上記の文は単純なのでまだ良いですが、複雑な文で挿入が起き、構造が取りにくくなった際は、一度カンマやダッシュのカタマリを取って考えると良いです。

 

なぜなら、カンマやダッシュで始まった挿入のカタマリは、必ずカンマやダッシュで終わるからです。

Maki never went out without wearing a mask in the midst of the pandemic; for, to the ordinary Japanese like Maki, it was natural to follow the rules.

(パンデミックの最中、マキは外出する際、必ずマスクをつけた。というのも、マキのような普通の日本人にとって、ルールに従うのは当然だったからだ)

 

 

for以下の構造が取りにくくなっていますが、ひとまず”to the ordinary Japanese like Maki”を無視してみましょう。

 

すると、”for it was~”という構造が姿を現します。これが「というのも、~だからだ」という表現だということに気がつければ、文の大きな骨格をつかむことが出来るはずです。

 

 

挿入らしきものがあり、文構造が取りづらい…そんなときは、一度カンマやダッシュのカタマリを無視して、文全体のSVを取るように心がけてみましょう。

 

語・句・節の挿入パターン

次に、挿入されるパターンを語・句・節に分けてみていきましょう。

 

ちなみに、

  • 語:単語単体のこと
  • 句:単語のカタマリのこと(例 in the room)
  • 節:SVを含むカタマリのこと(例 I am a student.)

です。

 

語の挿入パターンです。

 

直前の名詞を言い換えるパターンです。

We went on a picnic, Maki, Mary, and I.

(我々マキとメアリ、わたしはピクニックへ行った)

 

句の挿入パターン

句が挿入されるパターンです。

 

直前の名詞の言い換えパターンです。これは語の挿入とほぼ同様です。

Mary lived in Saitama, a suburb of Tokyo.

(メアリは埼玉東京の郊外で生まれた)

 

Mary, the oldest lady in the department, is difficult to get along with.

(メアリは、その部署で一番年上の女性だが、うまく付き合うのが難しい)

 

 

前置詞のカタマリのパターンです。

Maki never went out without wearing a mask in the midst of the pandemic; for, to the ordinary Japanese like Maki, it was natural to follow the rules.

(パンデミックの最中、マキは外出する際、必ずマスクをつけた。というのも、マキのような普通の日本人にとって、ルールに従うのは当然だったからだ)

 

 

分詞構文が挿入されることもあります。

This train, starting at two, arrives in London at nine.

(この電車は、2時に出発し、9時にロンドンに到着します)

 

※「分詞構文てなに?」という方は下記の記事をご覧ください。死ぬほどわかりますよ。

【決定版】分詞構文の意味・作り方まとめ

 

 

独立不定詞のパターンです。

He is, so to speak, a poet.

(彼は、いわば、詩人だ)

 

 

その他慣用的な表現です。

Language is, after all, fundamental to our thoughts.

(言語は、結局のところ、私たちの思考にとって基本的なものだ)

 

He was given a permanent vacation, that is, he was fired.

(彼は永遠の休暇を貰った、つまりは、彼は首になったのだ)

 

節の挿入パターン

節が挿入されるパターンです。

 

that SV-を伴う表現のパターンからです。

 

「I think that SV-: わたしはSV-と思う」のように、後ろにthat SV-を伴う表現は、文の間に挿入されることがあります。

Mr. Smith, I think, has something to do with the matter.

(スミスさんはその事件と関係がある、とわたしは思う)

 

※上記の文は次のように書き換え可能

I think that Mr. Smith has  something to do with the matter.

 

 

副詞節が挿入されるパターンです。接続詞に導かれる副詞のカタマリが挿入されています。

It is very difficult, if (it is) not impossible, to finish the work.

(不可能でないにしても、その仕事を終えるのはとても難しい)

※ifの場合は、「if only: ~だけだとしても」「if any/if anything: たとえあるにしても」「if ever: たとえあるにしても」「if at all: 少しでも~だとしても」といった表現がよく使われます

 

Tom, though he made a great effort, failed the exam.

(トムは、とても一生懸命努力したけれども、試験に落ちた)

 

It was cold, and what was worse, it began to rain.

(寒くて、さらに悪いことに、雨が降り始めた)

 

Bullying somebody, whatever the reason, is evil.

(誰かをいじめることは、理由がなんであれ、悪だ)

 

 

 

定型表現が挿入されるパターンです。主にas関係の表現と考えて大丈夫です。

He appeared, as it were, from nowhere.

(彼は、いわば、どこからともなく現れた)

 

This car, as it is, would not sell.

(この車は、このままでは、売れないだろう)

 

He is, as far as I know, a genius.

(彼は、私が知る限り、天才だ)

 

なお、as far asとas long asはかなり違う意味を持つ表現です。「マジで?」という方は、ぜひ下記の記事をお読みくださいね。

【もう迷わない】as long asとas far as意味・用法の違いは?

 

 

関係詞の非制限用法のパターンです。

My father, who is a teacher, lives in Nagoya.

(わたしの父は、教師であるが、名古屋に住んでいる)

 

※関係詞の非制限用法について知りたい方はコチラをどうぞ。やはり死ぬほどわかります。

【カンタン理解】非制限用法とは? 制限用法との意味の違い

 

 

注釈的な挿入です。

All of the books that I have, they are few, will be at your disposal.

(私が持っている全ての本は、数は少ないですが、あなたの自由にしてください)

 

おわりに

いかがでしたか?

 

一番のポイントは、カンマやダッシュの挿入部分は、カンマやダッシュで終わるという点だと思います。文構造が取りにくい場合、一度その部分を無視して文構造を把握できるようにすれば良いと思います。

 

コメント