今回は代名詞thatとthose、itについてまとめたいと思います。
これは、繰り返しを避けるために使われますが、これがなかなかクセの強い使用法なのです。
一体どんな使われ方をするのか? 一緒に確認していきましょう!
thatとthose、itの意味・用法の違い
まずは全体像をサクッと見てみましょう。
- that: the + 既出の名詞単数形 (不可算名詞もOK)
- those: the + 既出の名詞複数形 (不可算名詞不可)
- it: 既出の名詞かつ、全く同一のもの
わからん…
一つずつ順番に見ていきましょう!
thatの使い方
まずは例文を見てましょう。
The population of China is larger than that of Japan.
中国の人口は、日本の人口よりも多い。
“that of Japan”というところにthatが使われています。
これが今回ポイントとなるthatです。
では、一体どんなルールに従い使用されているのか?
それは、“the 既出の名詞 (単数形)”を前提にしているということです。
ここでは”that of Japan = the population of Japan”という形を前提にしています。
the populationという単語(the 既出の名詞)が既に出ているので、それをthatで置き換えたということです。
ただ、ここで立ち止まって考えてみてほしいのです。「既出の名詞を前提にしているなら、itを使ってはダメなのか?」と。
答えはダメです。
なぜなら、itは全く同一のものにしか使えないからです。
今回の例をよく見てみましょう。
“the population of China”は「中国の人口」です。
“that of Japan”は「日本の人口」です。
一見すると「人口」なので、全く同じものを指しているように見えますが、「中国の人口」と「日本の人口」は別物ですね。
だからitを使うのはNGなのです。
共通しているのは”the population”の部分だけなので、”the 既出の名詞 (単数形)”を前提とするthatを使用しなければいけないのです。
余談ですが、これは代名詞the oneと同じ発想です。なので、thatはthe oneに置き換えることもできます。
ただ、今回のようにofが付いている場合はthatを使う方が一般的です。興味のある方は、ぜひこちらの記事をお読みください。
thoseの使い方
thatが理解できればthoseはカンタン。
thatが“the 既出の名詞 (単数形)”を前提としていたわけなので、
その複数形thoseは??
そうです。“the 既出の名詞 (複数形)”を指すことができます。
例文はコチラ。
The movies of China are different from those of Japan.
中国の映画は、日本の映画と違う。
“those of Japan = the movies of Japan”となっていますね。ここでは、moviesという複数形の名詞の繰り返しを避けています。
itを使う場合(thatが使えない場合)
「一見thatが使えそうなのに、itを使わなければいけない」パターンを紹介します。
次の例文で考えてみましょう。かっこ内に入るのはどちらでしょうか?
The population of China is larger than ( ).
中国のいまの人口は、20年前より多い。
選択肢①:that of 20 years ago
選択肢②:it was 20 years ago
答えは”② it was 20 years ago”です。
なぜか? それは、ここで比べているのは同じ中国の人口同士だからです。全く同一のものを指すときは、thatではなくitを使います。
したがい、
The population of China is larger than it (=the population of China) was 20 years ago.
とするのが正しいのです。
おわりに
最後に改めて、全体像を眺めてみましょう。
- that: the + 既出の名詞単数形 (不可算名詞もOK)
- those: the + 既出の名詞複数形 (不可算名詞不可)
- it: 既出の名詞かつ、全く同一のもの
どうです? 最初に比べ、「なるほど」と思えるようになったはずです。原則を確認したら、あとは手元の問題種をひたすら解いて身体で覚えてしまいましょう。
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