今回はcan「あり得る(推量)」が使えない場合を解説してみました。
canは「出来る(可能)」「してもよい(許可)」「あり得る(推量)」といった意味があるのですが、実は「あり得る(推量)」については、使うとおかしな意味になる場合が多々あるのですね。
たとえば、下記の文の違いはわかるでしょうか。どちらも「あり得る(推量)」の意味でcanが使用されています。
〇 Tokyo can be quite hot in summer.
(東京は夏にかなり暑くなり得る)
× Tom can be in the hospital now.
(トムはいま病院にいる可能性がある)
上は良くて、下はダメなcan「あり得る(推量)」の使い方なのですね。
一体、何を基準に判断しているのでしょうか? イメージ&例文付きで超わかりやすく解説してみました!
「can: あり得る(推量/可能性)」の意味・使い方 -could/may/mightとの違いとは
「can: あり得る(推量)」の使い方、could/may/mightとの違いは下記の通りです。
- 一般的な可能性については使用可(内在的な能力としてイメージできるから)
- 個別の可能性は使用不可*(内在的な能力としてイメージできないから)
⇒個別の可能性に言及する場合は、may/might/couldを使用
<疑問文/否定文>
- 一般的可能性/個別の可能性に関係なく使用可
※can only be~の形では、個別の可能性でも肯定文で使用可
これだけ見てもわからないと思います。もう少し具体的に見ていきましょう。
canが持つイメージ
まずはcanが持つイメージを押さえておきましょう。
canというのは「出来る(可能)」という意味が最もポピュラーと思いますが、「内在的に可能」というのがcanの根幹にあるイメージです。何かをする能力を秘めているイメージです。
一般的な可能性に言及する際は、あるモノが何かをし得る可能性を秘めているというイメージなので、「内在的な可能性」との相性が良いのですが、
個別の可能性に言及する際は、個別の表面的な事象を扱っているので、「内在的な可能性」とは相性が良くないのですね。
このことから、冒頭で紹介したような差異が生まれるのですね。
〇 Tokyo can be quite hot in summer.
(東京は夏にかなり暑くなり得る
=東京が夏に暑い、というのは一般的な可能性)
× Tom can be in the hospital now.
(トムはいま病院にいる可能性がある
=トムが入院しているかどうか、というのは個別の可能性)
なお、後者のように個別の可能性に言及する場合、代わりにmay/might/couldを使います。
Tom may be in the hospital now.
Tom might be in the hospital now.
Tom could be in the hospital now.
(トムはいま病院にいるかもしれない)
一方、否定文や疑問文では、一般的な可能性なのか個別の可能性なのかに関係なく、canの使用が可能です。否定文や疑問文になると、「何かがあり得る感」が薄れるので、何かが起こる可能性を秘めているか秘めていないかはどうでもよくなるのですね。
What he said can’t be true.
(彼が言ったことが本当であるはずはない)
He can’t be at home right now.
(彼がいま家にいるはずがない)
また、これは超細かい知識ですが、can only be~の形では、肯定文でも使用が可能です。(私の推測ですが、onlyが付くことにより、否定文的な意味合いを帯びるためと思われます)
That can only be a mistake on their part.
(それはただ彼らの側のミスに違いない)
おわりに
いかがでしたか? 例文に一通り目を通したうえで、改めてルールを見てみましょう。先ほどより随分記憶に残りやすくなっているはずです。
- 一般的な可能性については使用可(内在的な能力としてイメージできるから)
- 個別の可能性は使用不可*(内在的な能力としてイメージできないから)
⇒個別の可能性に言及する場合は、may/might/couldを使用
<疑問文/否定文>
- 一般的可能性/個別の可能性に関係なく使用可
※can only be~の形では、個別の可能性でも肯定文で使用可
ちなみに、「過去にできた」というcouldについても、注意が必要です。基本的には今回の記事と同じ発想で理解することが出来るので、ぜひ併せてお読みくださいね。
参考記事:【本当のcould】couldは「できた」という意味にはならない
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