こんにちは、講師のNです。最近私生活がバタバタしており、久しぶりの記事更新です。
今回は「場所を表す語」が文頭に来た場合の倒置についてです。
実はコレ、倒置が起きるパターンと起きないパターンというものが存在するのですね。

ややこしい…
大丈夫です。「ある規則」を頭に入れれば、一発で理解できます。
「場所」が文頭に来た場合の倒置
まずは基本的な法則を確認しましょう。
- 通常:場所+V+Sの語順になる
- Sが代名詞の場合:場所+S+Vの語順になる(倒置は起きない!)
このことを確認出来たら、それぞれ例文の確認です。
通常パターン
まずは「1. 通常」のパターンの例文を見てみましょう。
場所(Here)が文頭にきているので、V(comes)→S(the bus)という語順になっていますね。
Here comes the bus. (ほらバスが来るよ)
こちらも同じく「1.通常」のパターンです。
場所(On a hill)が文頭にきて、V(stood)→S(a building)という語順になっていますね。
On a hill stood a building. (丘の上に建物が建っていた)
Sが代名詞の場合
次は「2. Sが代名詞の場合」の例文です。
Sが代名詞(he)なので、V(comes)→S(he)とはならず、
S(he)→V(comes)の語順となっています。
Here he comes. (ほら彼が来るよ)
これも同じです。Sが代名詞(itやyou)なので、倒置は起きていません。
Here it is. (ほら、ここにありますよ)
Here you are. (はい、どうぞ)
ちなみに、youも代名詞なので一応ご注意を。
youやhe, she, theyなどは、人称代名詞というのでしたね。
代名詞で倒置が起こらない理由
上記は丸暗記してしまっても構わないのですが、

代名詞のときだけ倒置が起こらないのはなぜ??
なんか気持ちわるい…
という方もいると思います。
そんな方には、「旧情報→新情報」という英語の文の流れを思い出してほしいのです。

「旧情報→新情報」ってなんだっけ?
英語の文って、
「読み手が既に分かっている情報(旧情報)→読み手がまだ知らない情報(新情報)」
という流れで文が書かれるものなんですね。
今回で言えば、
- 読み手がすでに分かっている情報:代名詞の主語(heやit, youなど)
- 読み手がまだ知らない情報:代名詞以外の主語(the bus, a building)
ということです。
代名詞って、読み手が既に知っている情報ですよね。
前に出てきた単語の繰り返しを避けるために使われる、
というのが代名詞の基本的な役割ですから。
つまり、代名詞=旧情報というわけなのです。
英語の文は「旧情報→新情報」という流れが基本です。
旧情報は文の最初の方に出さなければいけない。
なので、「場所」が文頭にきても、代名詞の場合は倒置が起こらないのです。
註:「否定語」が文頭に来た場合などは、代名詞でも倒置は起こります。今回はあくまで「場所」の話です。
おわりに
いかがでしたか?
ちょっと細かい知識ですが、テストでたまに狙われたりもします。

覚えられるか不安!
そんな方は、ビートルズの“Here comes the sun”(ヒア・カムズ・ザ・サン)という曲を聴いてください。
こちらが曲の歌詞抜粋です。
Here comes the sun. (ほら、太陽がくるよ)
The Beatles “Here comes the sun”より(訳は筆者直訳)
Sun, Sun, Sun, here it comes. (太陽、太陽、太陽。ほら、それ(=太陽)がくるよ)
The Beatles “Here comes the sun”より(訳は筆者直訳)
場所が文頭にきて倒置が起こるパターン (comes the sun)、
代名詞なので倒置が起きないパターン (it comes)。
同じ曲の中でどちらも網羅されているんですね。
さすがはビートルズです。3分くらいの短い曲なので、
よかったら聴いてみてくださいね。
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