今回は「場所を表す語」が文頭に来た場合の倒置についてです。
実はコレ、倒置が起きるパターンと起きないパターンというものが存在するのですね。
ややこしい…
大丈夫です。「ある規則」を頭に入れれば、一発で理解できます。
“場所”が文頭の倒置
まずは基本的な法則を確認しましょう。
- 通常:場所+V+Sの語順になる
- Sが代名詞の場合:場所+S+Vの語順になる(倒置は起きない!)
※代名詞 (旧情報)のときに倒置が起きないのは、「旧情報⇒新情報」という英文の流れがあるため
これだけでもよくわからないですね。それぞれ例文を確認していきましょう!
通常パターン(Here comes the sun)
まずは「1. 通常」のパターンの例文を見てみましょう。
場所(Here)が文頭にきているので、V(comes)→S(the bus)という語順になっていますね。
Here comes the bus.
(ほらバスが来るよ)
同じように、ビートルズの名曲にこういうものがあります。
Here comes the sun.
(ほら太陽が来るよ)
また、「There is/are~: ~がある」も、実はこれと同じ考え方が出来ます。(この構文では、”is = V”, “~ = S”と実は倒置が起きています)
There is a dogunder the tree.
(木の下に一匹の犬がいる)
最後にこちらも確認してください。場所(On a hill)が文頭にきて、V(stood)→S(a building)という語順になっていますね。
On a hill stood a building.
(丘の上に建物が建っていた)
Sが代名詞の場合
次は「2. Sが代名詞の場合」の例文です。
Sが代名詞(he)なので、V(comes)→S(he)とはならず、
S(he)→V(comes)の語順となっています。
Here he comes.
(ほら彼が来るよ)
また、これは先ほどのビートルズの曲の続きです。itはthe sunを指しています。
Here it comes.
(ほらそれが来るよ)
なお、これはビートルズのHere Comes The Sunから引用しています。一曲の中で倒置が起こる/起きないパターンを両方確認できるので、なかなかお得ですね!
最後に、これも同じです。Sが代名詞(itやyou)なので、倒置は起きていません。
Here it is. (ほら、ここにありますよ)
Here you are. (はい、どうぞ)
youも代名詞なのでご注意ください。youやhe, she, theyなどは、人称代名詞というのでしたね。
代名詞で倒置が起こらない理由
上記は丸暗記してしまっても構わないのですが、
代名詞のときだけ倒置が起こらないのはなぜ??
なんか気持ちわるい…
という方もいると思います。
そんな方には、「旧情報→新情報」という英語の文の流れを思い出してほしいのです。
「旧情報→新情報」ってなんだっけ?
英語の文って、
「読み手が既に分かっている情報(旧情報)→読み手がまだ知らない情報(新情報)」
という流れで文が書かれるものなんですね。
今回で言えば、
- 読み手がすでに分かっている情報(旧情報):代名詞の主語(heやit, youなど)
- 読み手がまだ知らない情報(新情報):代名詞以外の主語(the bus, a building)
ということです。
代名詞って、読み手が既に知っている情報ですよね。
前に出てきた単語の繰り返しを避けるために使われる、というのが代名詞の基本的な役割ですから。
つまり、代名詞=旧情報というわけなのです。
英語の文は「旧情報→新情報」という流れが基本です。旧情報は文の最初の方に出さなければいけない。なので、「場所」が文頭にきても、代名詞の場合は倒置が起こらないのです。
※「否定語」が文頭に来た場合などは、代名詞でも倒置は起こります。今回はあくまで「場所」の話です。
おわりに
いかがでしたか?
ちょっと細かい知識ですが、テストでたまに狙われたりもします。
覚えられるか不安!
そんな方は、先ほども取り上げたビートルズの“Here comes the sun”(ヒア・カムズ・ザ・サン)という曲を聴いてください。
同じ曲の中でどちらも網羅されているんですね。さすがはビートルズ。3分くらいの短い曲なので、よかったら聴いてみてくださいね。
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