今回紹介するのは前置詞+関係代名詞+to V(不定詞)です。
関係代名詞の一種で、少し特殊な形をしています。
あまり使われない形ではありますが、初見で訳すのは難しいので、これを機会にしっかりマスターしてください!
前置詞+関係代名詞+to Vの仕組み
前置詞+関係代名詞+to Vは、「Vすべき関係代名詞/Vするための関係代名詞」という訳が基本になります。例文で見てみましょう。
We need something for which to live.
(我々は、何か生きる目的が必要である
= 我々は、そのために生きるべき何かが必要である)
むりやり直訳すると、「我々は、そのために生きるべき何かが必要である」くらいの訳になります。先行詞somethingを、for which to liveが後ろから修飾しているんですね。
もう少し詳しく見るために、今回の例文を2つに分解してみましょう。関係代名詞が使われている文は、2つに分解すると構造を理解しやすいです。
We need something for which to live.
- We need something (我々は何かが必要だ)
- to live for something (何かのために生きるべき)
We need somethingという文が土台にあって、先行詞somethingをto live for somethingというカタマリが修飾している、という構造です。
普通の関係代名詞との違い
いわゆる「普通」の関係代名詞との違いも一応見ておきましょう。次の例文と、2つに分解したものを見てください。
This is the book which Bob gave me.
- This is the book. (これは本です)
- Bob gave me the book. (ボブはわたしに本をくれた)
This is the bookという文が土台にあって、先行詞the bookをBob gave me the bookというカタマリが修飾している、という構造です。
今回紹介した「前置詞+関係代名詞+to V型」と似ているんですが、唯一違うのが、普通の関係代名詞では、2つめの文も完全な文を前提にしているんです。Bob gave me the bookって、完全な文ですもんね。
一方、先ほど紹介した「前置詞+関係代名詞+to V型」では、2つめの方が完全な文を前提としていないんですね。
We need something for which to live.
- We need something (我々は何かが必要だ)
- to live for something (何かのために生きるべき)
ただ形こそ違えど、普通の関係代名詞でも「前置詞+関係代名詞+to V型」でも、後ろの文が先行詞を修飾するという点は変わりません。
おわりに
いかがでしたか?
慣れない形でしょうから、最後にプラスαの例文を紹介して終わりにしましょう。先行詞を意識しつつ、「Vすべき関係代名詞/Vするための関係代名詞」と訳してください。
This is a box in which to keep stationery. (これは、文房具を保管するための箱だ)
- This is a box (これは箱だ)
- to keep stationery in the box (その箱の中に文房具を保管するため)
This is a box in which to keep stationery. (これは、文房具を保管するための箱だ)
- This is a box (これは箱だ)
- to keep stationery in the box (その箱の中に文房具を保管するため)
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