今回はin control ofとin the control ofの圧倒的違いを考えてみましょう。
両者の違いはtheの有無なのですが、意味が真逆になるのですね。
なぜ/どのように意味が異なるのか? 理由も含めて考察してみました。
in control of/in the control of 意味の違い
in control of/in the control of 意味の違いは下記の通りです。
- in control of: ~を制御して、支配して
- in the control of: ~に制御されて、支配されて
theがないと能動態の意味、
theがあると受動態の意味になるのですね。
どうして?
これは
- in front of the room: その部屋の前
- in the front of the room: その部屋の中の前
と同じ発想です。
上の方は「in front of~: ~の前」という表現が使われています。つまり、in front of the roomは、「部屋の前=部屋の外」という意味ですね。
一方の下の方のin the front of the roomは、「部屋の中の前の方」という意味で使われています。
これは、全体の中の一部を区別するからtheが付く表現です。
全体の中の一部を区別するthe
全体の中の一部を区別するtheとはなんなのでしょう。
たとえば下記の例文を見てください。
There was a dog, and the dog was barking.
(一匹のイヌがいた。そしてそのイヌは吠えていた)
これは下記のようイメージです。(註:これはイヌの絵です)
世の中にイヌはたくさんいるけれど、その中でもある特定のイヌ (the dog)について話をしていますよ、というのがここで把握してほしい”the”のイメージです。
「世の中にいる中の一部のイヌ ⇒ 全体の中の一部のイヌに言及」というイメージに注目してください。
ここで先ほどの
- in the front of the room: その部屋の中の前
に話を戻しましょう。
theが付くことで、「部屋全体の中の一部 ⇒ 前の方」に言及することが出来ているのですね。
結果、
- in front of the room: その部屋の前(=部屋の外)
- in the front of the room: その部屋の中の前(=部屋の中)
という違いにつながっています。
そしてこれは、
- in control of: ~を制御して、支配して
- in the control of: ~に制御されて、支配されて
でも同じです。
theがないパターンでは、外からコントロールしている感じがするので、「~を制御して」という能動態の意味になります。
一方、theがあるパターンでは、コントロールの中に入っている感じがするので、「~に制御されて」という受動態の意味になるのです。
※ある人/団体が持つコントロール全体の一部と化しているイメージです。
それぞれの例文は下記の通りです。
The team is in control of the game.
(そのチームは試合のコントロールを握った = コントロールしている)
The land is in the control of the government.
(その土地は政府のコントロール下にある = コントロールされている)
おわりに
いかがでしたか? 冠詞の世界は奥が深いですが、わかってくると楽しくなってきます。
aやtheの大まかなイメージをまとめた記事は下記にあります。「なぜそこでa/theが付くのか?」という疑問にかなり広くお答えできる内容になっているので、ぜひご一読くださいね。
【超決定版】aの意味・用法まとめ【a Mr. Sato/a week/a Picasso他】
【超決定版】theの意味・使い方まとめ【the past/the right/in the morning/by the hour他】
また、冠詞についてさらに詳しく学びたい方には、aとtheの底力 — 冠詞で見えるネイティブスピーカーの世界がおススメです。
わたしが今まで読んだ冠詞系の本の中で、一番わかりやすい&本質に迫った説明がなされていると感じました。一般の書店にはあまりないのですが、ぜひ一度お読みすることをおススメします。
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