今回はthe sunやthe moon, the only thing, the first thingなどにtheが付く理由を探ってみたいと思います。
なんとなくtheを付けてきた表現ではないでしょうか?
しかし、theが付くのには、実はしっかりとした根拠があるのです!
theの基本的な機能
まずはtheの基本的な機能から確認しましょう。
theは、読者が「ああ、それね」と指差せるモノにつきます。
例えば次の例文をみてください。読者が「ああ、そのイヌね」と指差すことが出来るので、二度目に出てくるdogにはtheが付いています。
There was a dog, and the dog was barking.
(一匹のイヌがいた。そして、そのイヌは吠えていた)
読者が「ああ、それね」と指差せるという感覚。
これをもとに、theの付く表現を見ていきましょう!
theが付くのは、「唯一のモノ」だから
the sunやthe moon, the only thing, the first thingなどにtheが付くのは、
- 唯一のモノである普通名詞にはtheが付く
というルールが適用されているためです。
「唯一の」というのがポイントです。
太陽や月、唯一のモノ(the only thing)、最初のモノ…全て唯一の存在ですね。
唯一の存在なので、読者が「ああ、それね」と指差すことが出来るわけです。
同様の発想で、最後のモノ (the last thing), 最上級表現 (the most beautiful thing等)にも、theが付いています。
これらも唯一の存在なので、読者が「ああ、それね」と指差せますよね。
moonにtheが付かない場合
一方、上記の単語であっても、theが付かない場合があります。
moonを例に考えてみましょう。
- a full moon (満月)
- a half moon (半月)
月の満ち欠けに言及するときは、theではなくaを使います。
どうして?
満月や半月は、一年のうちに何度も来ますよね。何個もあるわけです。
つまり、読者が特定の満月や半月を「ああそれだよね」と無条件に指差せるわけではないのです。
そのため、ここではtheではなくaが使われているのです。
※aは「いくつかある中の一つ」という意味を含みます。つまり、上記の表現は「何個もある中のある一つの満月、半月」というニュアンスを含んでいます。
なお、冠詞についてさらに詳しく学びたい方には、aとtheの底力 — 冠詞で見えるネイティブスピーカーの世界がおススメです。
わたしが今まで読んだ冠詞系の本の中で、一番わかりやすい&本質に迫った説明がなされていると感じました。一般の書店にはあまりないのですが、ぜひ一度お読みすることをおススメします。
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