突然ですが、下記の英文を見比べてみてください。
- “I love the Beatles.” “So do I.”
- “He loves the Beatles.” “So he does.”
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どういうこと?
注目すべきは太字の部分です。
上の例文では“do(V) I(S).“と倒置が起きているのに、
下の例文では”he(S) does(V).”と倒置が起きていないのです。
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たしかに…
今回の記事では、両者の違いを死ぬほどわかりやすく解説してみたいと思います。
【基本編】Soが文頭で倒置する場合
まずは、「Soが文頭にあると後ろは倒置する」という基本ルールを確認しておきましょう。
下記が例文です。Soが文頭にあるので、”will(V) I(S)”、”do(V) I(S)”と倒置が起きていますね。
“I will study English.” “So will I.”
(「わたしは英語を勉強するつもりだ」「わたしもそうするつもりだ」)
“I love the Beatles.” “So do I.”
(「わたしはビートルズが好きだ」「わたしもそうだ」)
ちなみに、基本的に倒置が起こりやすいパターンというのはいくつか決まっているので、まとめて確認しておくのが良いです。
興味のある方は下記の記事でサクッと確認してみてください。5分程度で読めます。
【応用編】Soが文頭で倒置しない場合
さて、ここからが本題です。Soが文頭にあるにもかかわらず、倒置が起きない場合を考えてみましょう。
まずは例文から見てみましょう。“he(S) does(V)”と倒置が起きていない点に注目です。
“He loves the Beatles.” “So he does.”
(「彼はビートルズが好きだ」「そうですね」)
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Soが文頭にあるのに、どうして倒置が起きていないの?
それは、“he(S)”が前の文と同じものを指しているからです。
たしかによくよく文を見てみると、「(彼は)そうですね」と、heが直前のHeと同じものを指していることに気がつくはずです。
- “He loves the Beatles.” (彼はビートルズが好きだ)
- “So he does.” (そうですね)
英語には、既に出てきた情報(「旧情報」と呼びます)を出来るだけ前の方で言ってしまう傾向があるのですね。
旧情報を先に出してしまい、文の最後で「実はね…」とまだ出していない情報(「新情報」と呼びます)を出す傾向があるのです。
この「旧情報⇒新情報」という英文の原則に従って考えると、今回の文脈での”he”は「旧情報」です。つまり、できるだけ文の最初で言ってしまう必要があるわけです。
そのため、
- “So does he.”
とはならずに、
- “So he does.”
という形になるのですね。
旧情報なのでわざわざ倒置はさせず、”he”が前の方へ引きずり出されるのです。
なお、似たような話は
- Here comes the bus. (バスがやって来るよ)
- Here it comes. (それがやって来るよ)
のような文にも見られます。
通常、場所に関わる副詞語句が文頭にくると倒置が起こるのですが、代名詞が使われている場合は倒置が起こらないのです。旧情報であるため、文の頭に引っ張り出されるのですね。
こちらはやはり下記の記事で紹介しています。5分程度で読めます(二度目のステマ)。
“So do I.”は同じものを指していない
ここで、念のため一番最初の例文に戻ってみましょう。
“I love the Beatles.”
“So do I.”
(「わたしはビートルズが好きだ」「わたしもそうだ」)
なにも考えずに読むと、どちらも”I”が使われているので、
「”I”は旧情報ではないか?」
「旧情報なので”So I do.”にすべきではないか?」
と考える方もいるかもしれません。
しかしそれは誤りです。“I”はそれぞれ発言者自身のことを指しています。
つまり、二番目の”I”は一番目の”I”と違うものを指しているので、新情報ということになります。そのため文の前の方へ引っ張り出されることはないのですね。
発言者A: “I(=A) love the Beatles.”
発言者B: “So do I (B).”
(「わたしはビートルズが好きだ」「わたしもそうだ」)
まとめ
いかがでしたか?
最後に今回の記事のポイントをまとめておきます。
<原則>
- Soが文頭に来たら倒置が起こる
<例外>
- 旧情報(直前と同じものを指している場合)がSの場合は倒置が起こらない
- 英語は、「旧情報⇒新情報」という文の流れが好まれるため
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