今回は前置詞fromのコアイメージ -意味/使い方をまとめて見たいと思います。
「~から」という訳じゃないの?
単純な訳はそうです。
しかし、ちょっとした応用パターンでfromが使われている場合、イメージをきちんと理解していないと、「なぜここでfrom?」となってしまうんですね。
逆に、fromのイメージをきちんとつかんでさえおけば、丸暗記をせず、本質的な理解をすることが出来るのです。本質的な理解は記憶にも残りやすいです。
というわけで、これを機会に前置詞fromのコアなイメージを理解してしまいましょう!
前置詞fromのコアイメージ -意味/使い方まとめ
前置詞fromのコアイメージと主な意味/使い方は下記のとおりです。
- 出発点(~から)
- 原料(~から出来ている)
- 原因(~が理由で)
- 分離(~から離れて)
- 区別(~から、~と)
- 防止(~から遠ざける、~させないようにする)
いまいちピンとこない…
一つずつ確認していきましょう。
fromの最もコアなイメージは、ズバリ「①出発点」です。
図で示すとこんな感じです。
from Aであれば、「Aから」というのが基本の訳です。ここでは出発点Aに意識が向いているんですね。
ちなみに、toは到着点に意識が向くので、fromとは対照的な前置詞です。from Osaka to Tokyoは、「大阪から出発して、東京に到着する」という意味になりますね。
そして、これがあるモノの出発点になっていると考えれば、「②原料」という意味にもなります。あるモノが起点になって、その後の加工品(完成品)につながるイメージですね。
また、ある出来事の出発点になっていると考えれば、「③原因」という意味にもなります。ある出来事が起点になって、その後の結果につながるイメージですね。
さらに、出発するというコトは、その場を離れるというコトでもありますよね。そこから「④分離」の意味も生まれます。
分離するということは「⑤区別」するというコトでもありますよね。
二つのモノを分離すれば、「⑥妨害」するコトにもなるかもしれませんね。
なんだか連想ゲームみたい
その通りです。「①出発点」という一番コアなイメージから連想して、「②原料」「③原因」「④分離」「⑤区別」「⑥妨害」のイメージも捉えてしまうのです。連想ゲームのように、頭を柔らかくして考えていきましょう!
前置詞fromの例文まとめ
それでは、fromを使った例文を見ていきましょう。
「①出発点」「②原料」「③原因」「④分離」「⑤区別」「⑥妨害」の全てについて触れたいと思います。
出発点
まずは「出発点」から。fromの一番コアとなるイメージです。
from Aで「Aから」という訳が一般的です。コチラが例文です。
He walked from the station to the hotel.
(彼は駅からホテルまで歩いた)
「駅」という出発点を示すためにfromが使われていますね。
原料
次は「原料」です。加工されるモノの出発点になっていると考えるのでしたね。
from Aで「Aから出来ている」という訳が一般的です。
Wine is made from grapes.
(ワインはぶどうから出来ている)
ちなみに、ofにも「~から出来ている」という意味があるのですが、
こちらは「作られたモノは、もともと原料に所属していたものだ」
という意味合いが強いんですね。
一方のfromは「分離する=原料とは少し別物」という意識があります。
このことから、
- ofは材料(=加工後も見た目がそれほど変わっていない)
- fromは原料(=加工後の見た目が大きく変わっている)
という違いがあります。
例文で比較するとこんな感じです。
This table is made of wood. (このテーブルは木から出来ている)
Wine is made from grapes. (ワインはぶどうから出来ている)
ofは「木→テーブル」なので、「木から作られているのかな?」と見た目で分かります。
fromは「ぶどう→ワイン」なので、見た目が固体から液体に変わっていますね。
知識がない限り、ぶどうから出来ていると推測するのは中々難しいはずです。
だからfromが使われているんですね。
<参考記事>前置詞ofをイメージで理解する
原因
「原因」です。ある出来事が起点になり、その後の結果につながるイメージで考えるのでしたね。
from Aで「Aが原因で」という訳が一般的です。
Thousands of people are dying from hunger every day.
(毎日何千人もの人々が、飢餓が原因で死んでいる)
suffer(苦しむ)やbe tired(疲れている)という表現とセットで使われることも多いですね。
People suffer from hunger.
(人々は飢餓に苦しんでいる
= 飢餓が原因で)
分離
出発することはその場を離れることなので、「分離」という意味も生まれるのでした。
from Aで「Aから離れて」という訳が一般的です。
Please keep away from the place.
(その場所から離れていてください)
区別
二つのモノを分離すれば、「区別」という意味にもなります。
from Aで「~から、~と」という訳が一般的です。
Bob is different from John.
(ボブはジョンと違う)
せっかくなので、下記の熟語も押さえておきましょう。
tell~from A/know~ from Aで「~とAを区別する」
He cannot tell right from wrong.
= He cannot know right from wrong.
(彼は正しいことと間違ったことの区別が出来ない
≒直訳:正しいことを、間違ったことと区別して言う(知る)ことが出来ない)
「区別」の意味で使われやすい動詞は【イメージ理解】distinguish/tell/know A from Bの意味にまとめてあります。5分程度で読めるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
妨害
ラストです。二つのモノを分離すれば、「妨害」の意味にもなるのでしたね。
これは「O from A」の形で使うことが多いです。直訳は「OをAから遠ざける」です。
意訳は「OにAさせないようにする」でしょうか。
(細かい日本語は、文脈に合わせて変えてくださいね)
コチラが例文です。prevent O from Aで「OがAするのを妨げる、阻止する」という意味になります。
He prevented me from going.
(彼は、わたしが行くことを阻止した
≒直訳:「わたし」と「行くこと」を分離して妨げる)
「分離」の意味で使われやすい動詞は【イメージ理解】prevent/keep/discourage/prohibit A from Bの意味にまとめてあります。5分程度で読めます。
おわりに
いかがでしたか?
一度に全て覚えるのはさすがに難しいかもしれませんが、「なぜこんな意味になるの??」というコトはこれでなくなりますね!
頭で理解したら、あとはひたすら反復です。練習を問題を解いたり、文章を読んだりして、fromの感覚を身体にしみこませてくださいね。
なお、前置詞についてもっと知りたいという方は、
が大まかなイメージを理解するのに役に立つと思います。
特に、一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)は前置詞以外の英文法の事項も新鮮な観点(かつイメージに残りやすい本質的な記述)で説明してくれているので、お持ちでない方は手元に一冊置いておくと英語学習がとても楽しくなると思います。
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巻末に各前置詞をおおざっぱにまとめた簡単な説明が載っていますが、それがとてもわかりやすく、正直その説明のためだけでもこれを一冊買う価値があります。
前置詞は奥が深いので、ぜひぜひ上記の書籍に目を通してみてくださいね。見える世界がガラッと変わると思います。
コメント
[…] <参考記事>前置詞fromをイメージで理解する […]
[…] 【本質から理解!】前置詞fromのイメージとは […]
[…] 参考記事:【本質から理解!】前置詞fromのイメージとは […]
fromの意味、使い方がわからなくて本当に悩んでいましたが、解決しました。
私の使っている教材には分離、区別、妨害の記載も例文も全くなく、使い物になりません。(笑)
この記事こそ本当に必要な教材だと思いました。
とても嬉しいコメントありがとうございます。ご期待に沿えるよう、これからもどんどん面白い記事を投稿していきます。何かリクエスト等あればぜひぜひコメント欄までお願いいたします!