今回はall notが「全否定」か「部分否定」かという問題を扱いたいと思います。
本記事では、下記の表現の違いをまとめてみたいと思います。
- not all/all not
- not both/both not
- not any/any not
- not either/either not
英文読解でも突っ込まれるポイントなので、これを機にぜひチェックしていきましょう!
全否定/部分否定まとめ: all not/not all/both not/not any/not either/every not/not every
全否定/部分否定まとめは下記の通りです。
- all not:全て~ではない(全否定)、全て~というわけではない(部分否定)
- not all:全て~というわけではない(部分否定)
- both not:両方とも~ではない(全否定)、両方とも~というわけではない(部分否定)
- not both:△
- any not:×
- not any:全く~ではない(全否定)
※条件を満たせばany notも許容されることもアリ。詳細はany notの語順が許容される場合を参照
- either not:×
- not either:両方とも~ではない(全否定、=neither)
- every not:全て~ではない(全否定)、全て~というわけではない(部分否定)
- not every:全て~というわけではない(部分否定)
まず大原則として押さえて欲しいのが、「notは右側を否定する」というルールです。
今回の表現とは直接関係はないですが、例えば下記の例文を見てください。
「tell 人 to V:人にto Vするよう言う」が使用されていますが、notの位置で下記のように意味が変化します。
I did not tell him to study hard.
(わたしは彼に一生懸命勉強するようには言わなかった)
⇒notはtellを否定
I told him not to study hard.
(わたしは彼に一生懸命勉強しないよう言った)
⇒notはstudyを否定
「notは原則として右側を否定する」というルールを押さえたうえで、今回の表現を一つずつ確認していきましょう。
※人 to Vの形を取る動詞はたくさんありますが、あるコツを身につけると暗記が一気に楽になります。興味のある方はぜひ下記の記事をお読みくださいね。
all not/not all
all notとnot allからいきましょう。
いきなりクセ者の登場です。
notは右側を否定する、という考えに基づくと、
- all not:全て~ではない(全否定)
- not all:全て~というわけではない(部分否定)
となりそうですし、これが原則です。
しかし、all notに関しては、「全て~というわけではない(部分否定)」になることがあるのです。notが左側にあるallを否定しているのですね。
文としてはあまり良くないのですが、英文を読んでいるとちょくちょく出くわす表現なので、ここでチェックしておきましょう。
- all not:全て~ではない(全否定)、全て~というわけではない(部分否定)
- not all:全て~というわけではない(部分否定)
例文はコチラです。
All the students did not attend the class.
(全否定:全ての生徒がその授業に参加しなかった)
(部分否定:全ての生徒がその授業に参加したわけではない)
Not all the students attended the class.
(部分否定:全ての生徒がその授業に参加したわけではない)
※allはall (of) the~のように、後ろに冠詞を伴うことが多いです
both not/not both
both notとnot bothです。
- both not:両方とも~ではない(全否定)、両方とも~というわけではない(部分否定)
- not both:△
となります。
all同様、both notのパターンでは、全否定/部分否定どちらの解釈の可能性もあるのですね。ただし、通常は全否定の意味で解釈するのが一般的ではあります。
例文はコチラです。
Both the students did not attend the class.
(全否定:両方の生徒とも授業に参加しなかった)
(部分否定:両方の生徒とも授業に参加したわけではない)
なお、下記のようにnot bothの形は通常は取りません。英文としては△なので気をつけましょう。
Not both the students attended the class.
(部分否定:両方の生徒とも授業に参加したわけではない)
any not/not any
any notとnot anyです。
- any not:×
- not any:全く~ではない(全否定)
となります。
例文はコチラです。anyがもつ「どんな/なんでも」という意味がnotで否定され、強い否定の意味を持つのですね。
There was not any students in the classroom.
(全否定:教室の中には全く生徒はいなかった)
なお、any notの語順は通常取らないので注意しましょう。
理由は、「英語は早めにyes/noをハッキリさせたがる言語である」という点にあります。anyは「なんでも」という意味がありますが、文の後半でnotが出てくると、「any…あれ、notだから真逆の『全くない』という意味か!」と意味がひっくり返ってしまいますね。そのため、先にnotを持ってくる語順が好まれるのです。
ちなみに、例外的にany notの語順が許されることがあり、そちらについては下記の記事でまとめています。
either not/not either
either notとnot eitherです。
- either not:×
- not either:両方とも~ではない(全否定、=neither)
となります。
例文はコチラです。eitherがもつ「どちらでも」という意味がnotで否定され、全否定の意味を持つのですね。not eitherはneitherで言い換えることが出来ます。
I don’t know either student.
I know neither student.
(全否定:わたしはどちらの生徒も知らない)
※eitherの後ろは通例単数形。「どちらでも(=どちらの一つでもいい)」という気持ちが働くため
なお、either notの語順は通常取らないので注意しましょう。理由はany notの語順が原則許されないのと同様です。
every not/not every
every not/not everyです。
all notと同様、every notは全否定と部分否定の可能性があります。
語尾を下げて読むと全否定の意味になります。ただ、「英語は早めにyes/noをハッキリさせたがる言語である」という法則のためか、every not自体を見ることはそれほどありません。全否定の文では、No~を主語にすることが一般的です。
一方のnot everyは部分否定の意味になります。
こちらが例文です。
Every student didn’t come.
(全ての生徒が来なかった*)
(全ての生徒が来たわけではなかった)
*全否定の意味では”No students came.”が一般的
Not every student didn’t come.
(全ての生徒が来たわけではなかった)
おわりに
いかがでしたか? 改めてまとめを再掲します。頭にグッと入りやすくなっているハズです。
- all not:全て~ではない(全否定)、全て~というわけではない(部分否定)
- not all:全て~というわけではない(部分否定)
- both not:両方とも~ではない(全否定)、両方とも~というわけではない(部分否定)
- not both:△
- any not:×
- not any:全く~ではない(全否定)
※条件を満たせばany notも許容されることもアリ。詳細はany notの語順が許容される場合を参照
- either not:×
- not either:両方とも~ではない(全否定、=neither)
- every not:全て~ではない(全否定)、全て~というわけではない(部分否定)
- not every:全て~というわけではない(部分否定)
all/both/everyはnotの原則から外れているので、特に注意が必要ですね。例文を何度か音読すると良いと思います。
また、似たような話としてnot A and Bとnot A or Bの違いがあるので、知らない方は必見です。知らないと100%間違えてしまいますが、長文読解で必須の知識です。
【絶対引っかかる】not A and Bとnot A or B
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