今回は次の表現の違いを説明します。
- not A and B
- not A or B
いずれかが、
「AもBもどちらも~ない(全否定)」「AかBのどちらかは~ではない(部分否定)」という意味になるのですが、私の経験上、知らないと絶対に引っかかります。
一体どういう意味になるのか? それはなぜなのか? 超わかりやすくサクッと解説いたします!
not A and Bとnot A or Bの意味・用法
not A and Bとnot A or Bの意味・用法は下記の通りです。
- not A and B:AかBのどちらかは~ではない(部分否定)
- not A or B:AもBもどちらも~ない(全否定)
おそらく、逆の意味で捉えてしまった人が多いのではないかと思います。
しかし実際は、
- not A and BがAかBのどちらかは~ではない(部分否定)
- not A or BがAもBもどちらも~ない(全否定)
という意味になります。
例文で見てみましょう。
He does not like Mary and Yuki.
(部分否定:彼はメアリとユキのどちらかが好きではない)
He does not like Mary or Yuki.
(全否定:彼はメアリとユキのどちらも好きではない)
なぜこのような意味の違いが生まれるのでしょうか? 下記にて考察してみたいと思います。
not A and Bが部分否定、not A or Bが全否定になる理由
not A and Bが部分否定、not A or Bが全否定になる理由を考えてみましょう。
not A and B
まずはnot A and Bから考えてみましょう。
これは肯定文から考えるとわかりやすいです。
He likes Mary and Yuki.
(彼はメアリとユキのことが好きだ)
肯定文だと「メアリとユキが好きだ」という意味になりますが、これは「メアリとユキの両方好きだ」という意味になりますね。
そうです、andには「両方」という意味が含まれるのですね。
この「両方」という意味合いが、notによって否定されるわけです。
つまり、
- 「メアリとユキの両方好きだ」⇒「メアリとユキの両方好き、というわけではない」
ということです。
このようにして、部分否定の意味が生まれるのですね。
not A or B
一方のnot A or Bも同じ要領で考えてみましょう。
これも肯定文から考えるとわかりやすいです。
He likes Mary or Yuki.
(彼はメアリかユキのどちらかが好きだ)
肯定文だと「メアリかユキのどちらかが好きだ」という意味になりますが、これは「メアリとユキの片方が好きだ」という意味になりますね。
この「片方」という意味合いが、notによって否定されるわけです。
つまり、
- 「メアリとユキの片方が好きだ」⇒「メアリとユキの片方も好きではない(どっちも好きではない)」
ということです。
このようにして、全否定の意味につながるのですね。
まとめ
いかがでしたか? 以下、まとめです。
- not A and B:AかBのどちらかは~ではない(部分否定)
- not A or B:AもBもどちらも~ない(全否定)
ちなみに、似たような表現で
- either A or B: AかBのどちらか一方
- both A and B: AとBの両方
というものがありますが、
これもnotと結びついたときは注意が必要な表現です。下記の記事にてサクッとまとめていますので、よろしければぜひお読みください。
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