【意味/用法まとめ】the more(比較級), the more (比較級) SV【倒置/省略】

冠詞

 

今回扱うのはthe more(比較級), the more (比較級) SVです。

 

なんか聞いたことあるような…

 

 

実はコレ、いくつかのパターンがあり、中には学校では習わないような「マジで??」というようなパターンも存在するのです。

 

これを機会に、基本から応用まで押さえていきましょう!

 

 

 

the more(比較級), the more (比較級) SVの意味/用法まとめ

まずは全体像から示します。the 比較級, the 比較級で注意すべきルールは下記の通りです。

 

ポイント

 <基本>

  • 「the 比較級 SV, the 比較級 SV: SVするほど、ますますSVだ」が訳
  • the 比較級の部分には形容詞、副詞、moreがくる
  • the 比較級の部分に、形容詞+名詞が一緒にくることもある
  • the less/the fewerとの組み合わせもある
  • 最初のSVのカタマリでは、未来のことでもwillは使わない

 

<応用>

  • SV部分が省略されることがある
  • SV部分が倒置することがある
  • 主節(二つ目のSV)が前に出てきて「SV the 比較級 the 比較級 SV」となることがある

 

よくわからない…

 

 

大丈夫。具体例を交え、一つずつ丁寧に見ていきましょう。

 

基本編:the 比較級 SV, the 比較級 SV

まずは基本から。the 比較級 SV, the 比較級 SVで「SVするほど、ますますSVだ」という訳になります。

 

the 比較級の部分に形容詞/副詞がくるパターンと、形容詞+名詞がくるパターンがあります。それぞれ見てみます。

 

形容詞/副詞がくるパターン

まずは形容詞/副詞がくるパターン。

 

The more famous Mary became, the busier her mother became.

(メアリが有名になればなるほど、彼女の母親はますます忙しくなった)

 

 

the more famousやthe busierのように、famousやbusyといった形容詞がthe moreとセットになっています。

 

 

元の語順は

“Mary became the more famous, her mother became the busier”

だったのですが、

 

the more famous / the busierのカタマリだけがそれぞれ前に出ているのですね。

 

 

また、famousの比較級はmore famousbusyの比較級はbusierなので、今回のthe more famous, the busierもその変化の仕方を反映しています。

 

 

加えて、次のパターンも押さえておきましょう。

The more famous Mary became, the more everybody knew her.

(メアリが有名になればなるほど、皆が彼女のことをますます知った)

 

 

後ろの文で、the moreが単独で使われている(後ろに形容詞や副詞がない)ことがポイントです。

 

元の文がeverybody knew her the more(皆が彼女のことをより知っている)なので、the moreしか前に出てこないということですね。

 

形容詞+名詞がくるパターン

次に形容詞+名詞がくるパターンです。

 

The more famous Mary became, the more books she read.

(メアリが有名になればなるほど、彼女はますます多くの本を読んだ)

 

 

有名になり、その地位を保とうとますます勉強熱心になったのでしょうか? 理由はわかりませんが、「有名になればなるほど」「ますます多くの本を読んだ」という文です。

 

ポイントはthe more booksです。元はshe read the more booksだったのですが、the more booksがセットで文頭にきています。

 

booksだけを後ろに置き忘れ、the more she read booksとしてしまう間違いが大変多いので注意してください。

 

the more→books(より多くの→本)には、形容詞→名詞という修飾関係が成り立っています。形容詞と名詞の結びつきは強いので、セットで文頭にくるのです。

 

the less/the fewerとの組み合わせ

the more, the moreのようなどちらも「プラス」の表現だけでなく、一方が「マイナス」になる表現もあります。

 

コチラが例文。the lessに注目です。

The more famous Mary became, the lessshe read.

(メアリが有名になればなるほど、彼女はますます本を読まなくなった)

 

 

なお、後ろに可算名詞がくる場合、lessではなくfewerが来ます。

The more famous Mary became, the fewer booksshe read.

(メアリが有名になればなるほど、彼女はますます本を読まなくなった

= 直訳:彼女はますます少ない本を読んだ)

 

 

famousは「プラス」方向に動いているのに対し、less/fewerは「マイナス」方向に動いていますね。

 

 

なお、ここで使われているtheは副詞です。「それだけ、ますます」といった意味を持ちます。all the more for~で使われているtheも副詞ですね。

 

参考記事: all the more for 理由の意味まとめ

 

応用編:省略、倒置など

基本を押さえたところで、次は応用です。

 

省略や倒置などのパターンを見ていきましょう。

 

省略

まずは省略です。SV部分を省略し、the 比較級, the 比較級の形で使います。

itやbe動詞の時、この省略は起こります。

 

The sooner, the better.

(早ければ早いほど、ますます良い)

 

 

省略前の文はThe sooner it is, the better it isですね。

 

会話なんかで使えるとスマートです。

 

倒置

次は倒置。リズムの関係で、SV部分が倒置することもあります。

 

The more famous Mary became, the less happy is she.

= The more famous Mary became, the less happy she is.

(メアリが有名になればなるほど、彼女は幸せでなくなった)

 

 

she isが、is sheと倒置していますね。

 

SV the 比較級 the 比較級 SV

主節が前に出てきて

主節がSV (the)比較級の形になることがあります。

* さらに、主節のtheは省略されることアリ

 

なお主節とは、二つ目のthe 比較級 SVのカタマリのことです。

 

例文はコチラ。

 Her mother became (the) busier the more famous Mary became.

= The more famous Mary became, the busier her mother became.

(メアリが有名になればなるほど、彼女の母親はますます忙しくなった)

 

 

なかなか極悪な構文ですが、理解したら、あとはひたすら音読です。リズムを身体にしみこませてしまいましょう。

 

おわりに

いかがでしたか?

 

まずは基本を押さえたうえで、応用にも対応できるようにしましょう。

 

ポイントは、「理解→音読」のサイクルを繰り返すことです。頭で理解したら、あとはひたすら身体で覚えましょうね。

 

コメント

  1. […] *”the 比較級, the 比較級”が使われています:【参考記事】実は奥が深いthe more, the more […]

  2. […] ・【the 比較級, the 比較級】実は奥が深いthe more, the more […]

  3. 田中 伊都子 より:

    The more famous Mary became, the less books she read.

    (メアリが有名になればなるほど、彼女はますます本を読まなくなった

    = 直訳:彼女はますます少ない本を読んだ)

    のところですが、booksが可算名詞なので、”less”ではなく、”fewer”ではないですか?
    “less”が形容詞で名詞につく場合は、可算名詞だけだと思いますが。

    それとも、”less”が副詞で、”the she read less”で、”the less she read”ではないでしょうか?”read”だけで、「本を読む」という意味になりますし。

    • N より:

      ご指摘ありがとうございます。おっしゃる通りです。訂正させて頂きました。