【決定版】関係詞の省略の見つけ方 -「なぜ」がシンプルにわかる

英文法

 

今回は省略された関係詞の見抜き方をサクっと説明してみたいと思います。

 

関係詞というのは、関係代名詞which, who, thatとか関係副詞where, when, who, howなどを総称した言い方ですね。厄介なことに、関係詞が省略されることは多々あります。

 

たとえば、”The boy I met the other day loves the girl I don’t like.”のような文を見て、瞬時に関係詞の見抜けるか? 見抜けるとすれば、それはなぜなのか?

 

それを説明したのが今回の記事です。

 

サクッとわかります。これさえわかれば、読解で超役立ちますよ!

 

関係詞の省略の見つけ方

関係詞の省略の見つけ方は、ズバリ下記の通りです。

 

最も重要なのは①です。これだけで大体の場合は関係詞の省略を見抜けるはずです。

 

ポイント
「名詞+名詞+動詞」という語順になっている

② 文の中に動詞が二つ以上ある

③ 関係詞のカタマリの中を見た時に、関係詞を含めて一つの文が成立している

 

 

一体どういうことなのか?

 

“The boy I met the other day loves the girl.”という文をもとに考えていきましょう。

 

「名詞+名詞+動詞」という語順になっている

「名詞+名詞+動詞」という語順になっているから考えていきましょう。

 

下記の文の太字部分を見てください。The boy(少年)とI(私)という名詞が連続しています。

The boy I met the other day loves the girl.”

 

 

仮に「少年と私は~した」という意味の文であるとすれば、The boyとIの間にandが挟まれるハズです。

 

一部の例外を除き、接続詞ナシに名詞が連続するのはNGです。

 

 

このように名詞が連続するときは、その間に関係詞が省略されている可能性を疑いましょう。つまり、下記のような省略が隠れている可能性が非常に高いです。

The boy (who) I met the other day loves the girl.”

※whoでなく、whomの省略と考えてもOKです。この辺はのちほど詳しく触れるので、いまはサラッと流してください。

 

文の中に動詞が二つ以上ある

②文の中に動詞が二つ以上あるです。

 

The boyの後ろにwhoが隠れているのかな?と疑いつつ文を読み進めると、met/lovesのように、動詞が二度出てくることがわかります。

“The boy (who) I met the other day loves the girl.”

 

 

andなどの接続詞でつながれない限り、やはり一つの文で二度動詞が出てくることはありません。

 

このような観点からも、やはり関係詞の省略が隠れている可能性が強まります。

 

関係詞のカタマリの中を見た時に、関係詞を含めて一つの文が成立している

③関係詞のカタマリの中を見た時に、関係詞を含めて一つの文が成立しているをみていきましょう。

 

①、②だけでも関係詞が隠れていることはほぼ見抜けます。③はその予測が正しかったのかを完全に裏付ける作業です。

 

 

まず、関係詞のカタマリは、動詞を手掛かりに見抜いていくことになります。

“The boy (who) I met the other day loves the girl.”

 

 

上記の文だと、met/lovesが動詞ですね。先ほども触れた通り、接続詞などでつながれる場合を除き、一つの文で動詞が二回出てくることはありません。

 

ただ、関係詞のカタマリの中であれば、動詞を追加で一回使用しても良い(=関係詞一つにつき、動詞を一つ追加できる)ことになっています。実は関係詞というのは、接続詞の役割も兼ねているのです。

 

 

このように考えると、名詞+名詞+動詞から始まった関係詞のカタマリは、lovesの前で一度途切れることになります。下記の文の太字部分ですね。

“The boy (who) I met the other day loves the girl.”

 

 

さらに、太字部分だけを取り出してみていきましょう。

who I met the other day.

 

whoを無視して”I met the other day (わたしは先日会った)”だけを取り出すと、イマイチ意味が通じません。「え、誰に会ったの?」というツッコミが入ってしまいます。

 

 

実はこの文では、whoが「誰に」の部分を表しているのです。

who I met the other day (わたしはその少年に先日会った)”

 

このように、関係詞は関係詞のカタマリの中でなんらかの意味を担っています。関係詞のカタマリは、関係詞込みで一つの文として成立しているのですね。

 

 

以上の検証から、今回の文には関係詞が省略されていることがわかりました。

 

関係詞のカタマリは直前の名詞The boyを修飾します。従い、今回の文の和訳は下記のようになります。

“The boy who I met the other day loves the girl. (私が先日会ったその少年は、その少女を愛している)”

 

 

なお、今回のように「誰に/を」の位置に関係詞が来るときはwhomを使用しても良いです。ただ、これは堅苦しい言い方なので、通常はwhoで代用することが多いです。

 

例題

一つだけ例題をこなしてみましょう。冒頭に出した次の文は訳せるでしょうか?

 

 

まずは「名詞+名詞+動詞」という語順になっているという観点から探っていくと、下記の太字部分が怪しそうです。

 

The boy (who) I met the other day loves the girl (who) I don’t like.”

 

 

② 文の中に動詞が二つ以上あるという観点から考えても、動詞はmet/loves/don’t likeと、なんと三つもあります。関係詞一つにつき、動詞を一つ追加できることを考えると、関係詞は二つ省略されている可能性が出てきます。

 

③ 関係詞のカタマリの中を見た時に、関係詞を含めて一つの文が成立しているという観点からとどめを刺しましょう。

 

The boy (who) I met the other day loves the girl (who) I don’t like.”

 

 

それぞれ、

  • who I met the other day (私はその少年に先日会った)
  • who I don’t like (わたしはその少女が好きではない)

のように、関係詞whoがカタマリの中で役割を果たしていると言えそうです。

※関係詞は直前の名詞を指すことが多いです。その理由は下記の記事に詳しくまとめてあります。

【初心者専用!】関係代名詞whichとは? 超基礎から理解する

 

 

それぞれの関係詞のカタマリが直前の名詞The boy/the girlを修飾していると考えると、例題の和訳は下記のようになります。

“The boy (who) I met the other day loves the girl (who) I don’t like. (私が先日会ったその少年は、私は好きではない少女のことを愛している)”

 

私はその少女のコト嫌いだけど、その少年はその少女のコトが好き…なかなか複雑な状況ですね。

 

まとめ

いかがでしたか? 最後に改めてポイントを再掲します。

 

ポイント
「名詞+名詞+動詞」という語順になっている

② 文の中に動詞が二つ以上ある

③ 関係詞のカタマリの中を見た時に、関係詞を含めて一つの文が成立している

 

 

頭で理解したら、あとは実際の文を何度も読みこなしていきましょう。自転車の運転と同じで、英語は慣れが重要です。

 

コメント

  1. あああ より:

    でもこれだとリーディングでしか意味がないですよね。

    英会話の際、一々相手にピリオドはどこで打ちましたか?
    とか
    関係代名詞はどこかで使いましたか?とか聞くんでしょうか
    聞かないですよね。

    • NN より:

      会話の際も頭の働きは同じですよ(頭の回転の速さは比にはなりませんが)。「ここで名詞が連続するのは関係代名詞だからかな?」「あ、やっぱり動詞が二つ出てきたな」等と、文の語順通りに確認作業を行っていくイメージです。

      ちなみに、ピリオドや関係代名詞の非制限用法も、一瞬間が開くので会話でもある程度見抜けます。会話では関係代名詞の非制限用法の代わりにandなどの接続詞でつなぐことが多いですが。