今回はwarm/war/work…など、wから始まる単語の発音のヒミツについてまとめてみたいと思います。
例えば、同じarのスペルでも、w以外で始まる単語と、wで始まる単語では発音が違うことが多いです。
w以外で始まる単語の場合、arのスペルは/ɑː/(大きく口を開ける「ア」)で発音します。
- harm /hɑ́ːm/(ハーム)
- park/pɑ́ːk/(パーク)
一方、wで始まる単語の場合、arのスペルは/ɔː/(「オ」に近い音)で発音します。
- warm/wɔːm/(ウォーム)
- war/wɔ́ː/(ウォー)
一体これはなぜなのでしょう? これがわかると、workやworm、worth、wolfなどの単語の発音のからくりもわかりますよ!
warm/war/work…発音のヒミツまとめ
まずは結論から。wを含む単語(warm/war/workなど)の発音ヒミツまとめは下記の通りです。
★ 大原則:wが付くと口の大きさが小さくなる(ɑ⇒ɔ⇒əの順に小さくなる)
<スペルがar⇒発音は/ɔː/>
- warm/wɔːm/
- war/wɔ́ː/
※本来は、harm /hɑ́ːm/、park/pɑ́ːk/のように/ɑː/で発音。スペルwが付くことにより、発音が/ɑ/⇒/ɔ/と変化
<スペルがor⇒発音は/əː/>
- work/wəːk/
- worth/wə́ːθ/
※本来は、pork /pɔ́ːk/、cork/kɔ́ːk/のように/ɔː/で発音。スペルwが付くことにより、発音が/ɔ/⇒/ə/と変化
<その他>
- wolf/wúlf/ (ウルフ)
- womb/wúːm/ (ウーム)
一体どういうことなのか? 具体的に見ていきましょう!
具体例を発音記号から考える
まずは発音記号から考えましょう。
下記の発音記号は、左から右に向け口の形が小さくなっていくのですね。
- ɑ⇒ɔ⇒ə(大きな「ア」⇒「オ」⇒口あまり開かない曖昧な母音)
これを押さえたうえで、wの発音を考えてみましょう。
wは、口を思い切りつき出して「ウォ」と発音をします。実際にやってみてください。いかがでしょう?
そう、口の中が狭まりますよね。口が狭まった分、次の発音も口の中が狭くなりやすいんです。
具体的に見ていきましょう。
arが含まれる単語の発音は、通常/ɑː/と発音します。しかし、wが直前にくると、口の大きさがɑ⇒ɔにワンランクダウンするのですね。
結果、
- warm/wɔːm/
- war/wɔ́ː/
となっているわけです。
orが含まれる単語の発音は、通常/ɔː/と発音します。しかし、wが直前にくると、口の大きさがɔ⇒əにワンランクダウンするのですね。
結果、
- work/wəːk/
- worth/wə́ːθ/
となっているわけです。
なお、他にもwが先頭にくると、特殊な発音となることが多いです。
- wolf/wúlf/ (ウルフ)
- womb/wúːm/ (ウーム)
ただ、wの影響で口が狭まるので、後ろの音も影響を受けると考えれば納得いきますよね。こんな風に考えてみると発音も結構面白いですね。
まとめ
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※後回しにすると人はたいてい動きません(体験談笑)
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