今回は関係副詞whereやwhen, why, how (+that)の使い方を説明します。
関係副詞ってなに?
関係代名詞との違いは? 省略は? 非制限用法は? 死ぬほどわかりやすく説明しますので、一緒に頑張っていきましょう!
関係副詞 全種類の使い方まとめ(関係代名詞との違い)
まずは全体像から示します。関係副詞の全種類の使い方まとめは下記のとおりです。
<関係副詞の意味・用法>
- 先行詞(名詞)を修飾
- 「前置詞+名詞」(=副詞)を置き換え
<関係副詞の種類と省略・非制限用法>
- 関係副詞の種類と省略のパターンは下記のとおり。原則、先行詞/関係副詞のどちらか省略可
- 関係副詞where/when/why/howの代わりにthatを使用可
- 非制限用法はwhereとwhenのみ可(why, how, thatは不可)
先行詞 省略*1 | 関係副詞 省略 | |
場所where | 〇 | △*2 |
時 when | 〇 | 〇 |
理由 why | 〇 | 〇 |
方法 how | 〇 | 〇*3 |
*1 the place/the time/the reason/the wayなど、わかりきった先行詞なら省略可
*2 whereの省略は可能だが、くだけた用法なので、通常は避けた方が無難
*3 the way howの形は不可。the way/howのどちらかを必ず省略
関係副詞の役割は、関係代名詞whichなどと同じです。先行詞を修飾します。本質的な機能は同じです。
「場所」ならwhere、
「理由」ならwhyを使うんだっけ?
半分当たりで、半分ハズレです。先行詞が場所ならwhere、理由ならwhyというのは間違いではありませんが、実は他に大切な条件があります。
大切な条件ってなに?
一発で理解できるように説明します。
関係副詞の意味・用法 -関係代名詞との違い
関係副詞の意味・用法に触れつつ、関係代名詞との違いを説明したいと思います。
関係副詞を使うための条件は2つあります。
1つは、先行詞が場所、時、理由、方法であること。場所ならwhere, 理由ならwhy…といったように、先行詞に合わせた関係副詞を使う必要があります。
もう1つは、「関係副詞⇔前置詞+関係代名詞」で書き換え可能であること。「関係副詞 = 前置詞+関係代名詞」なんです。言い方を換えれば、前置詞+関係代名詞で書きかえ不可ならば、関係副詞を使うことは出来ないのです。ここが関係代名詞との大きな違いです。
このことを頭に置いたうえで、関係副詞を使える場合、使えない場合を具体的に見ていきましょう。
関係副詞を使える場合
関係副詞を使えるパターンです。
コチラの例文を見てください。前置詞+関係代名詞の例文、関係副詞の例文があります。
This is the place in which dreams come true.
= This is the place where dreams come true.
(これは、夢が叶う場所です)
先行詞the place「場所」が、後ろのin which / whereに修飾されていますね。「夢が叶う→場所」という関係です。
関係代名詞を含む文は2つに分解できます。分解すると文の構造がわかりやすく理解できます。in whichの方を見てみましょう。
This is the place in which dreams come true.
- This is the place. (これが場所だ)
- Dreams come true in the place (=in which). (その場所では、夢が叶う)
元は2つの文から成り立っているんですね。2つを別々に言うとくどいので1つにくっつけた、というのがThis is the place in which dreams come true.の正体です。
くっつけるとき、in the place (=in which)を2つの文の間に持ってきています。まあ接着剤みたいなものだと思ってください。
で、先行詞はthe placeと「場所」ですね。また、in whichというのは前置詞+関係代名詞の形をしています。条件を2つとも満たしています。したがって、関係副詞whereを使用することができます。
ちなみに、「夢が叶う場所」ってみなさんご存知デ〇ズニーランドですね。
関係副詞を使えない場合
次に、関係副詞を使えないパターンです。
コチラの例文を見てください。
This is the place which I visited last month.
(これは、わたしが先月訪ねた場所だ)
先行詞the place「場所」が、後ろのwhich~に修飾されていますね。これを2つの文に分解してみましょう。
This is the place which I visited last month.
- This is the place. (これが場所だ)
- I visited the place (=which)last month. (わたしは先月、その場所を訪ねた)
2つめの文のthe placeに注目です。the placeは、visitの目的語になっていますね。前置詞が不要なんです。visitは他動詞なので、 visit to the placeやvisit in the placeとはならず、visit the placeとなるのです。
そうすると、2つの文をくっつけたときも、前置詞+関係代名詞の形が成り立たないことになります。in whichやto whichとはならず、whichが単独で使われるんです。
つまり、関係副詞を使える条件「前置詞+関係代名詞の形に書き換えできること」が満たされません。だからこの場合は、関係副詞whereを使うことが出来ないんです。
先行詞が場所でも、
「前置詞+関係代名詞」の関係が成り立っていなければ、
関係副詞whereは使えないんだね!
一見するとwhereが使えそうなので、このパターンは要注意です。テストでもよく狙われます。
関係副詞の種類と省略・非制限用法(where, when, why, how)
関係副詞の基本を押さえたところで、関係副詞where, when, why, how, thatの用法をサクサク見ていきましょう。
whereの使い方
whereの例文を見ていきましょう。
先行詞はthe placeのようにわかりきったもの(言わなくてもよいもの)であれば省略可です。逆に、my hometownのような具体性の高い単語は、省略しない方が良いです。具体性の高い単語を省略してしまうと、読み手が省略された単語を推測できないためです。
一方、where自体の省略もアリですが、認めない人もいるので、基本的には避けた方が無難です。
the placeが先行詞のパターンです。一番下を見てわかる通り、「前置詞+関係代名詞」が成立しています。省略に注目しつつチェックしてみてください。
This is the place where I was born.
= This is the place I was born. (where省略*)
= This is where I was born. (the place省略)
= This is the place in which I was born. (前置詞+関係代名詞)
(これは、わたしが生まれた場所だ)
* whereの省略は不可能とする人が多いです
many casesが先行詞のパターン。やはり、前置詞+関係代名詞が成立しています。
There are many cases where this rule does not apply.
= There are many cases in which this rule does not apply. (前置詞+関係代名詞)
(このルールが適用されない場合はたくさんある)
caseは「場合、状況」という意味の単語です。
一見すると「場所」らしくないですが、ここではcaseを場所的に捉え、whereを使用します。たしかに日本語で考えても、「場合」「場所」と同じ漢字を使っていますね。
他にも、状況・立場を示すような先行詞や文脈のときは、whereを使うことがあります。point「点」、circumstance「境遇」、situation「状況」などですね。
(註:なお、先行詞がplace「場所」のように単純なものでないときは、先行詞やwhereの省略は起きません。ためしに先行詞many casesを省略してみると、なんだか意味不明な文になってしまいます。また、whereの省略も先行詞がthe placeのときに限られるので、やはりここでは起こりません)
whenの使い方
whenの例文を見ていきましょう。
先行詞は、the timeのようにわかりきったものの場合は省略可です。whereと同じですね。
また、when自体の省略も可です。
the timeが先行詞のパターンです。一番下を見てわかる通り、前置詞+関係代名詞が成立しています。
I don’t know the time when he left home.
= I don’t know the time he left home. (when省略)
= I don’t know when he left home. (the time省略)
= I don’t know the time at which he left home. (前置詞+関係代名詞)
(わたしは、彼が家を出た時間を知らない)
the yearが先行詞のパターンです。やはり、前置詞+関係代名詞が成立しています。
2019 is the year when the Heisei period ends.
= 2019 is the year the Heisei period ends. (when省略)
= 2019 is the year in which the Heisei period ends. (前置詞+関係代名詞)
(2019年は、平成が終わる年だ)
whenの先行詞としては、week「週」やday「日」なんかもよく出てきます。あとは、文脈次第ではcase「場合=時」(先ほどwhereに出てきました)と解釈し、caseがwhenの先行詞となることもあります。
また、先行詞がtime「時」以外のときは先行詞の省略は起きにくいです。関係副詞whenの省略はガンガン起こります。
(註:先行詞がtime以外のときに先行詞が省略された場合、省略後の文も文法的には成り立ちますが、先行詞が持っていた意味がつぶれてしまいます。そして、省略された場合、「timeが省略された」と考えるのが普通なので、もともとの先行詞の意味がつぶれてしまいます。今回で言えばthe yearのニュアンスがつぶれてしまうことになります)
whyの使い方
whyの例文を見ていきましょう。
先行詞the reasonも関係副詞why、どちらも省略可です。the reasonを省略することが多いです。
the reasonが先行詞。一番下を見てわかる通り、前置詞+関係代名詞が成立しています。
I don’t know the reason why he got angry.
= I don’t know the reason he got angry. (why省略)
= I don’t know why he got angry. (the reason省略)
= I don’t know the reason for which he got angry. (前置詞+関係代名詞)
(わたしは、彼が怒った理由を知らない)
関係副詞whyの場合、先行詞はreasonだけです。whyが省略されるパターン、reasonが省略されるパターン、どちらも一般的です。
(reason以外の先行詞の可能性がないので、reasonは省略されやすい = 省略してもreasonがそこにあったとわかる、というわけですね)
howの使い方
howの例文を見ていきましょう。
関係副詞howの場合、先行詞はwayだけです。
他の関係副詞と違うのは、howかwayのどちらかが省略されなければいけない、ということです。the way howというのは100%あり得ないので注意してください。
the wayが先行詞です。一番下を見てわかる通り、前置詞+関係代名詞が成立しています。
I don’t know the way John defeated Mark. (how省略)
= I don’t know how John defeated Mark. (the way省略)
= I don’t know the way in which John defeated Mark. (前置詞+関係代名詞)
(わたしは、ジョンがマークを負かした方法を知らない
= わたしは、ジョンがどのようにマークを負かしたかを知らない)
thatの使い方
thatの例文を見ていきましょう。thatは実は関係副詞でもあるんですね(!)
where, when, why, how全ての代わりに使用可能です。傾向としては、whenの代わりに使われることが多いです。
the timeが先行詞のパターンです。一番下を見てわかる通り、前置詞+関係代名詞が成立しています。
I don’t know the time that he left home. (thatの使用)
= I don’t know the time he left home. (thatの省略*)
= I don’t know the time when he left home. (whenの使用)
(わたしは、彼が家を出た時間を知らない)
* thatではなく、whenが省略されたと考えてもOK
ちなみに、thatは全て省略可能で、実際はthatが省略されることも多いです。しかし、thatが省略されたとしたら、そもそもそこにthatがあったなんて気づかないですよね…(フツーはwhenやwhereなどが省略されたと考えますよね)
非制限用法
最後に非制限用法に触れておきます。非制限用法が可能なのはwhere, whenのみです。why, how, thatは不可です。
※非制限用法とは、ざっくりカンマ付きの関係詞の用法です。詳しくは下記の記事にあるので、ぜひお読みくださいね。5分程度でサクッと読めます。
それぞれの例文を示しておきます。前から語順通りに訳していくのがポイントです。
I like Tokyo, where I lived for ten years.
(わたしは東京が好きで、10年間住んでいた)
I was born in 2021, when the Tokyo Olympics was held.
(わたしは2021年に生まれたが、そのとき東京オリンピックが開かれた)
※ちなみに、the Olympicsは辞書だと「複数扱い」と記述されていることも多いですが、実際の用例では一つのカタマリ/大会と捉え「単数扱い」とすることも多いです。参考:the Olympic Gamesはなぜ”the”と”複数形のs”が付くのか?
まとめ
いかがでしたか? 長くなったので、今回の要点を改めて下記にまとめます。
<関係副詞の意味・用法>
- 先行詞(名詞)を修飾
- 「前置詞+名詞」(=副詞)を置き換え
<関係副詞の種類と省略・非制限用法>
- 関係副詞の種類と省略のパターンは下記のとおり。原則、先行詞/関係副詞のどちらか省略可
- 関係副詞where/when/why/howの代わりにthatを使用可
- 非制限用法はwhereとwhenのみ可(why, how, thatは不可)
先行詞 省略*1 | 関係副詞 省略 | |
場所where | 〇 | △*2 |
時 when | 〇 | 〇 |
理由 why | 〇 | 〇 |
方法 how | 〇 | 〇*3 |
*1 the place/the time/the reason/the wayなど、わかりきった先行詞なら省略可
*2 whereの省略は可能だが、くだけた用法なので、通常は避けた方が無難
*3 the way howの形は不可。the way/howのどちらかを必ず省略
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[…] 関係副詞とは? […]
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