突然ですがみなさん、過去形と現在完了形の違いってわかりますか?
たしかに、うまく説明できないかも…
過去形と現在完了形というのは全くの別物で、それがわかると、
- 現在完了形に「完了・経験・継続」の意味があるのはなぜか?
- 現在完了形が、yesterday, agoなど、「過去の一時点」を表す単語と一緒には使えないのはなぜか?
といった理由が一発でわかってしまいます。
5分程度で読めるので、ぜひお付き合いくださいね。
過去形と現在完了形の違いまとめ
過去形と現在完了形の違いのまとめは下記のとおりです。
- 過去形:「過去」を点で示す(現在とのつながりナシ)
- 現在完了形:「過去+現在」(現在とのつながりアリ)
※have Vp.p.は「過去の状態をいま持っている」というイメージ。そこから「継続」「経験」「完了・結果」の用法につながっていく
- 各時制と時間表現の相性は下記のとおりです
現在 | 過去 | 現在完了 | |
nowadays →”now”なのでいまを指している | 〇 | ||
these days →”these”なので近いところを指している →過去との相性が悪い | 〇 | ||
when(~するとき) →ある一時点を指すので、現在完了との相性が悪い | 〇 | 〇 | |
ago, yesterday, last yearなど →過去の一時点を指すので、現在との相性が悪い | 〇 | ||
just now →「ちょうどいま」という一瞬前の過去を点で指すため | 〇 | ||
the other day →「先日」という過去を点で示すため | 〇 | ||
recently →「最近」という「過去+現在」を幅で示すため (肯定文での使用が多い) →「現在より少し前に起きた過去の出来事」を指す。現在との相性が悪い | 〇 | 〇 | |
lately →「最近」という過去+現在を幅で示すため (否定文での使用が多い) | 〇 |
一体どういうことなのか? 下記で詳しく見てみましょう!
過去形は「過去」だけ
まずは過去形から説明します。
例文はコチラ。
Takashi went to USA two years ago.
(タカシは2年前にアメリカへ行った)
これはカンタンだね!
過去形は「過去」だけを意味するという点に注目してください。あくまで2年前の話をしているだけで、「現在」とは関係ない話をしていますね。
まだピンとこないかもしれませんが、ここが現在完了形との大きな違いなのです。
現在完了形は「過去+現在」
次に現在完了形です。have+過去分詞の形で使用します。
例文はコチラです。
Takashi has been to USA.
(タカシはアメリカへ行ったことがある)
過去形とちょっと訳が違うかな?
訳の違いではなく、本質的な意味の違いに注目してみてください。
過去形は「過去」だけを意味するのに対し、現在完了形は「過去+現在」を意味するのです。
図で示すとこんな感じです。
まずは過去形。「過去」を点で示していますね。
次は現在完了形。「過去+現在」を幅で示しています。
「行ったことがある」は、「過去に行ったという経験を現在持っている」ということですよね。
現在完了形のhave+過去分詞という形に注目してください。
「過去分詞という過去の状態を、現在持っている(haveしている)」という形になっています。
現在完了形が「過去+現在」という意味になることにも納得ですね。
今回の例文は、
「アメリカにいたという経験をいま持っている」→「アメリカに行ったことがある」という風に理解できますね。
「行く」なのにhave goneとしないのは、
「アメリカに行ったという状態をいま持っている」→「アメリカに行ったまま、戻ってきていない」となってしまうからです。
「アメリカに行ったまま戻ってきていない」という文脈ではコチラの表現もOKですが、今回は「行ったことがある=アメリカから戻ってきている」という意味では、have beenが使用されます。
※ちなみに、アメリカ英語ではhave gone toで「行ったことがある」という意味でも使用されるようです。試験だと△を食らうことが多いですが。
「継続」「経験」「完了・結果」=「過去+現在」
現在完了形には三つの訳がある、と学校で教わったかもしれません。
具体的には、
- 完了・結果:~した
- 経験:~したことがある
- 継続:~し続けている
ですね。
どれも「過去+現在」の意味合いになっていることにはお気づきでしょうか?
- 完了・結果:過去から続いてきた行為が、現在終わった
- 経験:過去に「~した」という経験を、現在持っている
- 継続:過去の行為が、現在も続いている
たしかに…
単に丸暗記するのではなく、「過去+現在」という点を意識すると、「完了・経験・継続」という意味になる理由がグッとわかりやすくなるとは思いませんか?
そしてこれは、現在完了形の本質的な理解にもつながるのです。
yesterdayとの相性が悪い理由
ここまでくれば、現在完了形とyesterdayを一緒に使ってはいけない理由もわかるハズです。
えーと…
それは、
現在完了が「過去+現在」の意味を持つのに対し、
yesterdayは「昨日という過去の一時点」の意味しか持たないからです。
yesterdayには「過去」の意味合いを持つので、現在完了形の「過去+現在」との相性が良くないのですね。
相性の良い / 悪い組み合わせは下にまとめておきます。
ポイントは、それぞれの単語がもつ意味合いと、「現在」「過去」「現在+過去」の相性に着目することですね。
現在 | 過去 | 現在完了 | |
nowadays →”now”なのでいまを指している | 〇 | ||
these days →”these”なので近いところを指している →過去との相性が悪い | 〇 | ||
when(~するとき) →ある一時点を指すので、現在完了との相性が悪い | 〇 | 〇 | |
ago, yesterday, last yearなど →過去の一時点を指すので、現在との相性が悪い | 〇 | ||
just now →「ちょうどいま」という一瞬前の過去を点で指すため | 〇 | ||
the other day →「先日」という過去を点で示すため | 〇 | ||
recently →「最近」という「過去+現在」を幅で示すため (肯定文での使用が多い) →「現在より少し前に起きた過去の出来事」を指す。現在との相性が悪い | 〇 | 〇 | |
lately →「最近」という過去+現在を幅で示すため (否定文での使用が多い) | 〇 |
なお、この表は絶対的なものではないので注意してください。
くだけた表現だとlatelyを過去形とセットで使ったり、recentlyを現在形とセットで使ったりすることもあるようです。
また、現在に意識が向いているようであれば、just nowを現在完了形とセットで使うこともあります。
こちらの表は「この組み合わせなら間違いがない」というものですので、読解などで当てはまらない表現が出てきても、それは軽く流してしまってください。
おわりに
いかがでしたか?
過去形と現在完了形の違いをきっちり捉えれば、
- 現在完了形に「完了・経験・継続」の意味があるのはなぜか?
- 現在完了形が、yesterday, agoなど、「過去の一時点」を表す単語と一緒には使えないのはなぜか?
という疑問がバシっと解決されますね!
コメント
[…] 【過去記事】過去形と現在完了形の違いを本質的に理解 […]
[…] 過去記事:過去形と現在完了形の違いを本質的に理解する […]