突然ですが、形容詞には叙述用法と限定用法の二種類があるってご存知ですか?
なんか難しそう…
用語だけ見るとそうですね。ただ、実際はものすごくシンプルです。
これを機会に、限定用法と叙述用法の違いをマスターしてしまいましょう!
形容詞の叙述用法と限定用法の違い
形容詞の叙述用法と限定用法の違いのまとめです。まずは全体像にざっと目を通してみてください。
- 限定用法:名詞を直接修飾
- 叙述用法:補語に単独で使用
限定用法のみの形容詞 | 限定用法 | 叙述用法で同様の意味を表す場合 |
many (多い) | many people | People are numerous. |
few (少ない) | few people | People are rare. |
叙述用法のみの形容詞 | 叙述用法 | 限定用法で同様の意味を表す場合 |
alike (似ている) | They are alike. | similar-looking |
alive (生きている) | He is alive. | living |
alone (一人で、孤独な) | He is alone. | lonely |
asleep (眠っている) | He is asleep. | sleeping |
awake (起きている) | He is awake. | waking |
※叙述用法のみの単語には”a-“で始まるものが多い(2語のカタマリとみられるから?)
限定/叙述用法どちらも可能な形容詞 | 限定用法での意味 | 叙述用法での意味 |
able
| 有能な
He is an able editor. | ~することができる
He is able to swim. |
certain
| ある
A certain person said so. (ある人がそう言った) | 確信している
He is certain that he is genius. (彼は彼が天才だと確信している)
|
late
| 故、後期の
Her late husband lived there. (彼女の亡くなった夫はそこに住んでいた)
I met him in the late afternoon. (わたしは彼に午後遅くに会った) | 遅れた
He was late for school. (彼は学校に遅刻した)
|
present
| 現在の
My present address is XXX. (わたしの現在の住所はXXXだ) | 出席している
He was present at the meeting. (彼は会議に出席していた)
|
これだけ読んでもわかりませんね!
下記にて具体的に見ていきましょう!
限定用法と叙述用法の違いとは?
まずは、限定用法と叙述用法の違いを説明します。
- 限定用法:名詞を直接修飾
- 叙述用法:補語に単独で使用
どういうこと?
例文で見てみましょう。まずは限定用法から。
The sleeping boy is my son.
(その寝ている少年は、わたしの息子だ)
「sleeping⇒boy」という関係が成り立っているのがわかるでしょうか?
sleepingという形容詞が、boyという名詞を直接修飾しているのですね。
一方の叙述用法はコチラです。
The boy is asleep.
(その少年は眠っている)
文構造としては、
- S = The boy
- V = is
- C = asleep
となっています。
つまり、asleepは補語の位置にあるので、叙述用法というわけです。
限定用法のみ/叙述用法のみでしか使えない単語
形容詞には、
限定用法のみでしか使えない単語、
叙述用法でしか使えない単語
があるのです。
代表的なところを下記の通りまとめてみました。
限定用法のみの形容詞 | 限定用法 | 叙述用法で同様の意味を表す場合 |
many (多い) | many people | People are numerous. |
few (少ない) | few people | People are rare. |
叙述用法のみの形容詞 | 叙述用法 | 限定用法で同様の意味を表す場合 |
alike (似ている) | They are alike. | similar-looking |
alive (生きている) | He is alive. | living |
alone (一人で、孤独な) | He is alone. | lonely |
asleep (眠っている) | He is asleep. | sleeping |
awake (起きている) | He is awake. | waking |
お気づきの方もいるでしょうが、
叙述用法のみの形容詞は、a-で始まる単語が揃っているのが特徴です。
たとえばaliveやasleepは、元々下記の形(前置詞+名詞)から来ています。
- alive ⇒ on life
- asleep ⇒ on sleep
前置詞のカタマリは、
a pencil on the desk (机の上の鉛筆)などのように、
通常名詞の後ろ側に置かれますよね。
二語以上のカタマリは後ろから名詞を修飾する、というのが英語の基本原則ですが、
a-から始まる単語は二つの単語が語源となって出来たものが多いです。
(他には、alone ⇒ al + oneから来ています)
a-から始まる単語が叙述用法になることが多いのは、こうした事情も関係していると考えられます。
ちなみに、in/onのnが抜け落ちたのと同じ観点から、a/anに関する面白い考察をすることも出来ます。(an appleとなるのは、実は”an + 母音”の発音のしやすさが原因でないかも、という説です)
興味のある方は下記の記事をお読みくださいね。3分程度で読めます。
【英語の歴史】”an apple”となるのは、発音しやすいからではない?
限定用法と叙述用法で意味の異なる形容詞
さらに、限定用法/叙述用法のそれぞれで意味が異なる形容詞も存在します。
一覧はコチラです。
限定用法での意味 | 叙述用法での意味 | |
able
| 有能な
He is an able editor. | ~することができる
He is able to swim. |
certain
| ある
A certain person said so. (ある人がそう言った) | 確信している
He is certain that he is genius. (彼は彼が天才だと確信している) |
late
| 故、後期の
Her late husband lived there. (彼女の亡くなった夫はそこに住んでいた)
I met him in the late afternoon. (わたしは彼に午後遅くに会った) | 遅れた
He was late for school. (彼は学校に遅刻した)
|
present
| 現在の
My present address is XXX. (わたしの現在の住所はXXXだ) | 出席している
He is present. (彼は出席している) |
おわりに
いかがでしたか?
限定用法と叙述用法、なんて聞くと一見難しそうに感じてしまいますが、実はとても単純です。数は多くないので、これを機会に全て覚えてしまえばよいですね!
コメント
[…] 本記事では「後置修飾」と「叙述用法」という用語をあまり区別せずに使っています。(叙述用法についてまとめた記事は【意味・用法まとめ】形容詞の叙述用法と限定用法にあります) […]
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