今回はdie/dying/dead/deadlyの違いをまとめてみたいと思います。
これ、実は結構間違えがちな表現なのですね。
たとえば、「彼は死んでいる」という日本語を
- He is dying.
なんてやってしまったことのある人はいませんか?
また、「彼は10年前に亡くなった」を
- He has died for ten years.
なんてやったことのある人はかなりたくさんいるハズです。
今回は、まずはdie/dying/dead/deadlyの違いを説明したうえで、「上記の表現がなぜ間違っているのか?」「言い換えるとすればどのように直すべきか?」といった点がわかるように解説してみたいと思います。
乞うご期待!
die/dying/dead/deadlyの違い
die/dying/dead/deadlyの違いからまとめてみましょう。
- die: 死ぬ(死ぬという一回きりの行為)
- dying: 死にかけている(死ぬという行為に向かっている)
- dead: 死んでいる(死んでいるという状態)
- deadly: 致命的な、絶対の
特に大切なのはカッコ内に示されている意味の違いです。
コチラの意味に注目しつつ、冒頭の表現がなぜ「誤り」だったのか考えていきましょう!
die: 死ぬ(死ぬという一回きりの行為)
dieから見ていきましょう。
「死ぬ」という意味ですが、これは「死ぬという一回きりの行為」を意味する単語です。
例文はこんな感じです。
He died ten years ago.
(彼は10年前に亡くなった)
10年前に「死ぬ」という一回きりの行為を達成した(?)ということですね。
dying: 死にかけている(死ぬという行為に向かっている)
次にdyingです。
これは「死にかけている」という和訳で、「死ぬという一回きりの行為に向かっている」というのがその本質的な意味になります。
例文はコチラです。
He is dying.
(彼は死にかけている)
現在進行形というのは躍動感あふれる表現で、
- 比較的短い時間の継続
- 動作や状態が途中であること(終わっていないこと)
を意味します。
つまり、dyingは「躍動感をもって死んでいる」という意味なのですね。そのため「死にかけている」という意味になります。
ここまでくれば、下記の文が「彼は死んでいる」という意味にならない理由もわかったと思います。
- He is dying.
「彼は死んでいる」という日本語から感じるのは、「死んだという状態が続いている」という意味ですよね。躍動感をもって死に向かっているわけではありません。
そのため、「彼は死んでいる」の英訳として”He is dying.”は不適格なのですね。
では、「彼は死んでいる」という表現はどう表現すればよいのでしょうか? その答えが次のdeadにあります。
dead: 死んでいる(死んでいるという状態)
deadは「死んでいる」という意味を持つ形容詞で、「死んでいるという状態」を意味します。
つまり、冒頭の「死んでいる」に対応する単語としては、コチラがベストです。
例文はコチラです。現在完了の「継続(ずっと~している)」の意味とセットで使われることが多いです。
He has been dead for ten years.
(彼は10年間ずっと死んだ状態が続いている =彼は10年前に亡くなった)
ここまで記事を読んできた方は、冒頭の「彼は10年前に亡くなった」を
- He has died for ten years.
で表現できない理由がなんとなくわかるのではないでしょうか。
ここで意識してほしいのが、
- dieは一回きりの死ぬという行為
- has diedは現在完了の継続「ずっと~している」
という二点です。
dieは「死ぬ」という一回きりの行為のハズなのに、それを10年間ずっと続けているのはあまりにもクレイジーです。意味が通りません。
そのため、dieではなく、「死んでいるという状態」を意味するdeadとセットで使用する必要があるのですね。
なお、「彼は10年前に亡くなった」は下記の4パターンで言い換えることが出来ます。
※俗にいう「死んじゃった構文」というやつです。なぜか定期試験で結構問われます。
- He died ten years ago.
- He has been dear for ten years.
- Ten years have passed since he died.
- It is ten years since he died.
なお、超余談ですが、北斗の拳のあのセリフ「お前はもう死んでいる」を英訳すると下記のようになります。
- You are already dead.
「死んでいる」という状態を素直にbe動詞とセットで使っているのですね。alreadyが「既に」感を出しています。
deadly: 致命的な、絶対の
deadlyは「致命的な、絶対の」という意味の形容詞、「ひどく、極度に」という意味の副詞です。
例文はコチラです。
It was a deadly disease.
(それは致命的な病気だった)
The party was deadly dull.
(そのパーティーは死ぬほど退屈だった)
当ブログのタイトルの「死ぬほど」もニュアンス的にはdeadlyが結構近いかもしれません。
おわりに
いかがでしたか? 最後に記事のまとめを再掲したいと思います。
- die: 死ぬ(死ぬという一回きりの行為)
- dying: 死にかけている(死ぬという行為に向かっている)
- dead: 死んでいる(死んでいるという状態)
- deadly: 致命的な、絶対の
- He died ten years ago.
- He has been dear for ten years.
- Ten years have passed since he died.
- It is ten years since he died.
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