今回はmust/have toの主な意味についてまとめてみたいと思います。
can’tやneed、命令文などとの言い換えについてもまとめています。
mustがcan’tで言い換え出来るの?
知らないと絶対わからないところです。間違いやすいところなので、この記事でスッキリ&サクッと理解を整理してしまいましょう!
must/have toの意味・使い方まとめ -命令文やcan’tとの言い換え
must/have toの意味・使い方まとめ -命令文やcan’tとの言い換えは下記の通りです。まずはざっと目を通してください。
must/have toは、通常の肯定文ではほぼイコールと捉えて良いですが、否定文/過去の形では意味が変わってくるので要注意です。
<現在>
・must/have to
:①~しなければいけない (=命令文)
:②~に違いない
※厳密に言うと、mustは主観的、have toは客観的な意味合いで用いられやすい
⇔must not
:①~してはいけない (=Don’t 命令文)
⇔don’t have to
:①~しなくても良い (=need not/ don’t need to)
⇔can’t
:②~するはずがない
<過去>
・must have Vp.p. / have to have Vp.p.
:②~だったに違いない
・had to
:①~しなければいけなかった
<完了>
have had to
:①~しなければいけなかった(現在完了の意味で)
<未来>
・will have to V
:①~しなければいけないだろう
・had to
:①~しなければいけなかった
※全体像を表にしてみました。クリックすると拡大できます。
たいていの場合、助動詞には「①許可/義務」と「②推量」の意味があります。たとえばmayなら、「①~してもよい」「②~かもしれない」という意味がありますね。
mustやhave toも同様です。
must/have toは通常の肯定文だと
①~しなければいけない(義務)
②~に違いない(推量)
の二つの意味があるのですね。
これが否定文になったり、過去の意味になったりすると、①だけ/②だけの意味だけを持つようになるのですね。
具体的な例文付きで、一つずつ詳しく見ていきましょう!
現在
まずは現在の意味から見ていきましょう。
肯定文では、must/have toとも
①~しなければいけない(義務)
②~に違いない(推量)
という二つの意味を持ちます。
まずは①~しなければいけないの例文からです。これは命令文で書き換えることも可能です。
You must do your homework.
You have to do your homework.
Do your homework.
(宿題をしなければいけない)
次は②~に違いないの例文です。
You must be a fool.
You have to be a fool.
(君は愚か者に違いない)
一方で、これが否定文になると、
must notは、①~してはいけない(義務)
don’t have toは、①~しなくても良い(義務)
の意味だけになるのですね。
まずはmust not ①~してはいけない(義務の否定)です。これはDon’tの命令文の形で書き換え可能です。
You must not be late for school.
Don’t be late for school.
(学校に遅れてはいけない)
次はdon’t have to ①~しなくても良い(義務の否定)です。 これはneed not/ don’t need toで書き換え可能です。
You don’t have to do your homework.
You need not do your homework.
You don’t need to do your homework.
(君は宿題をしなくても良い)
なお、must notが「~してはいけない」、don’t have toが「~しなくてもよい」と、両者に意味の違いが生まれる理由は、notの位置にあります。
notは通常、文の右側を否定します。
must notはmustが否定されていないので、「~しなければ」というmustの強いニュアンスがそのまま残っていますが、don’t have toはhave toが否定されています。その結果、「~しなくてもよい」のように、have toの強いニュアンスが消されているのですね。
次に、②~するはずがない(推量の否定)はcan’tで表現します。要注意ポイントです。
You can’t be a fool.
(君が愚か者であるはずはない)
過去
次に過去の形を見ていきましょう。
mustやhave toに、have Vp.p.をくっつけると、
②~だったに違いない(推量)
と過去の推量の意味になります。
He must have been lazy during the vacation.
He has to had been lazy during the vacation.
(彼は休暇の間怠けていたに違いない)
He must not have been lazy during the vacation.
(彼は休暇の間怠けていなかったに違いない)
※have to have Vp.p.の否定の形は文例が見当たりませんでした。もしご存知という方がいればお知らせください。追記します。
助動詞がhave Vp.p.と結びつくと、過去の推量の意味になることがとても多いです(may/can’tなど)。詳しくは下記の記事にまとめてありますので、よろしければぜひお読みください。
一方、had toは
①~しなければいけなかった(義務)
という過去の義務の意味になります。
had toの例文はコチラです。
He had to do his homework.
(彼は宿題をしなければいけなかった)
He didn’t have to do his homework.
He didn’t need to do his homework.
(彼は宿題をしなくてもよかった)
need not have Vp.p.だと「~する必要はなかったのに」という過去の事実と異なる仮定を置く表現になります。didn’t need toとは微妙に意味が異なるので要注意です。
He need not have done his homework.
(彼は宿題をしなくてもよかったのに)
※didn’t need to Vとneed not have Vp.p.の違いは、下記の記事でもう少し詳しく触れています。
【要注意】”didn’t need to”と”need not have Vp.p.”の違い
なお、mustが形の上では変化せず、時制の一致の中で、過去の時制として使用されることはあります。この場合、「①義務」と「②推量」どちらの意味でも使われることが出来ます。
He said he must do his homework.
(彼は宿題をやらねばいけないと言った)
He said she must be a fool.
(彼は、彼女は愚か者に違いないと言った)
完了
完了の意味も見ておきましょう。
have had to (現在完了のhaveに、have toがくっついた形)で、have toに現在完了の意味を持たせることも出来ます。
He has had to wait for an hour.
(彼は一時間待たなければならなかった)
He hasn’t had to wait for an hour.
(彼は一時間待たなくてもよかった)
※現在完了と単なる過去形の違いは下記の記事で詳しく説明しています。
【イメージ理解】現在完了/過去完了の意味・用法まとめ【過去形との違いとは】
なお、助動詞mustに、have mustの形はないので要注意です。(must have Vp.p.だと、「過去」の項目で紹介したように、「~だったに違いない(推量)」の意味になります)
未来
最後に未来の表現です。
will have toで「~しなければいけないだろう」という未来の義務の意味になります。
He will have to dealwith the problem.
(彼がその問題に対処しなければいけないだろう)
おわりに
いかがでしたか? 最後に改めて全体像をまとめておきます。先ほどよりぐっと理解しやすくなったハズです。
<現在>
・must/have to
:①~しなければいけない (=命令文)
:②~に違いない
※厳密に言うと、mustは主観的、have toは客観的な意味合いで用いられやすい
⇔must not
:①~してはいけない (=Don’t 命令文)
⇔don’t have to
:①~しなくても良い (=need not/ don’t need to)
⇔can’t
:②~するはずがない
<過去>
・must have Vp.p. / have to have Vp.p.
:②~だったに違いない
・had to
:①~しなければいけなかった
<完了>
have had to
:①~しなければいけなかった(現在完了の意味で)
<未来>
・will have to V
:①~しなければいけないだろう
・had to
:①~しなければいけなかった
※全体像を表にしてみました。クリックすると拡大できます。
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