今回はsomeの意味・用法をざくっとまとめてみたいと思います。
肯定文での使用が基本ですが、否定文や疑問文でも使用されたり… 後ろに単数形がくるときと複数形がくるときで微妙に意味が変わったり…
一見複雑なsomeですが、あるイメージを理解出来れば瞬殺出来るのです。
someの意味・用法まとめ -疑問文/否定文/単数形/anyとの違い
まずはsomeの意味・用法をザクっとまとめてみましょう。
(+〇〇)で示されているのは、「後ろにどんな単語が来るか?」です。
★someは「ぼやかす」イメージ(anyは「空白」のイメージ)
<肯定文で使用>
(形容詞)
- いくらかの(+複数形/不可算名詞)
- かなりの(+複数形/不可算名詞)
- 少しの(+複数形/不可算名詞)
- ある(+単数形)
(代名詞)
- いくつか(some単独で)
- ある物/人もいる(some単独で)
(副詞)
- 約、およそ(+数字表現)
- いくぶん(動詞とセットで)
- いくらか※訳さないことも多い。疑問文のときはプラスの答えを予測している(+複数形/不可算名詞)
いろいろありすぎ…
あるイメージをつかむことが出来れば、一発で解決しますよ!
someのイメージ -anyとの違い
someのイメージ…それは、シルエットをかける役割です。
シルエット?
ものスゴくざっくり言うと、名探偵コナンや金田一少年の事件簿の犯人役のイメージです。
たとえば、「one boy: 一人の少年」という表現は下記のイメージです。とりあえず顔とか表情がなんとなくはまあ見えているような感じです。
一方、「some boy: ある少年 (※後ろに単数名詞がくるパターンを例にしています)」となると話は別です。コナンや金田一少年の犯人役のように、黒塗りのイメージになるのですね。
「誰なのか? 何なのか?」がハッキリとはわからない状態です。
ハッキリとはわからない状態なので、「some boy: ある少年(=誰かよくわからない)」という意味になるのですね。
誰/何なのかよくわからないけれど、とりあえず何かがある、というのがsomeのイメージです。
ちなみに、anyが持つのは「空白」のイメージです。空白に何でも入ることが出来るので、肯定文だと「なんでも」という意味になります。一方、否定文だと空白を埋めるので「なんにも~ない」という強い否定の意味を持ちます。
anyについては、詳しくは下記の記事にあります。5分ほどでサクッと読めますよ。
someの意味・用法 -例文
someのイメージをつかめたところで、個別の意味を改めて具体的に確認していきましょう。
★someは「ぼやかす」イメージ(anyは「空白」のイメージ)
<肯定文で使用>
(形容詞)
- いくらかの(+複数形/不可算名詞)
- かなりの(+複数形/不可算名詞)
- 少しの(+複数形/不可算名詞)
- ある(+単数形)
(代名詞)
- いくつか(some単独で)
- ある物/人もいる(some単独で)
(副詞)
- 約、およそ(+数字表現)
- いくぶん(動詞とセットで)
- いくらか※訳さないことも多い。疑問文のときはプラスの答えを予測している(+複数形/不可算名詞)
(形容詞)いくらか、かなりの、少しの
まずは下記の意味から見ていきましょう。
<肯定文>(形容詞)
- いくらかの(+複数形/不可算名詞)
- かなりの(+複数形/不可算名詞)
- 少しの(+複数形/不可算名詞)
これは全てシルエットのイメージで捉えてください。
後ろに複数名詞(people)/ 不可算名詞(water)を伴うパターン、どちらも同じです。
someが付くことで、どのくらいの量があるのかぼやけてしまうのですね。
その量を、
- ニュートラルなイメージ(±0)で捉えれば「いくらかの人々/水」
- プラスのイメージで捉えれば「かなりの人々/水」
- マイナスのイメージで捉えれば「少しの人々/水」
という意味になりますね。
つまり、訳の違いはその時の文脈、筆者の気持ち次第で、根底にあるのはボヤっとした感覚なのです。
(形容詞)ある
次に、後ろに単数名詞を伴うパターンです。
<肯定文>(形容詞)
- ある(+単数名詞)
やはりぼやけてしまうイメージです。
ただ、一つ/一人しかいないことはシルエットからもわかるので、量に言及する意味にはならず、「ある少年」という意味になります。
(代名詞)いくつか、ある物/人もいる
some単独で代名詞として使われるパターンです。
<肯定文>(代名詞)
- いくつか(some単独で)
- ある物/人もいる(some単独で)
やはりぼやけているイメージです。
some of themなら「彼らの何人か(いくつか)」という意味になります。
また、“some~, others~”のようにsomeとothersがセットで使われ、「~する物(人)もあれば、~する物(人)もある」という意味で使われます。
(副詞)約/およそ、いくぶん
副詞として使われるパターンです。
<肯定文>(副詞)
- 約、およそ(+数字表現)
- いくぶん(動詞や形容詞とセットで)
これもぼやかすイメージです。
後ろにくる数字をぼやかすので、「約30%」という訳になります。なお、この意味の場合はabout等を使う方が一般的です。
また、動詞や形容詞と結びつくパターンも例文で紹介しておきます。やはり、動詞や形容詞の程度をぼやかしているイメージです。(上が動詞、下が形容詞と結びついているパターンです)
She has improved some. (彼女はいくらか進歩した)
I’m feeling some better now. (いくぶん気分が良くなっています)
否定文・疑問文での使用
最後に、否定文・疑問文での使用を見ていきましょう。
- いくらか(+複数形/不可算名詞)
これは例文で見ていきましょう。
まずは疑問文から。Yesの答えを期待するときに、someが使われます。
Would you have some coffee? ((いくらか)コーヒーいりますか?)
※このsomeは訳さないことも多いです
someは肯定文、anyは疑問文・否定文というのが学校で習う基本のハズです。
なぜ疑問文でsomeが使われているかというと、someにはよくわからないけど何かがあるというイメージがあるからです。シルエットがかかってはいるものの、何かが存在するのです。
「何かがある=肯定的な内容 (Yesの答え)」というイメージにつながり、Yesの答えを期待するときはsomeが使われる、という用法が生じたのですね。
(上の例文だと、「コーヒーいるよね?」と、コーヒーがあることを期待しています)
また、何かが存在するときは、否定文でもsomeを使用します。
下の例文では、「話しかけなかった人が」「何人かいた」ということですね。
He did not speak to some people.
(何人かには話しかけなかった)
まとめ
いかがでしたか?
様々な意味も「ボヤっと何かがある」というイメージで捉えると、スッと頭に入ってきますね!
不明点等あればコメント欄までお願いします。
なお、a/one/someの違いも下記の記事にまとめてあります。今回の記事の延長線上で理解できるので、これを機会にまとめて攻略してしまいましょう。
また、冠詞についてさらに詳しく学びたい方には、aとtheの底力 — 冠詞で見えるネイティブスピーカーの世界がおススメです。
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